新生『ロッキーVSドラゴ』を観る前に『ロッキー4』キャストの現在
今週のクローズアップ
シルヴェスター・スタローンが監督・脚本・主演を務めた映画『ロッキー4/炎の友情』(1985)を、スタローン自ら再構築した新生『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』が8月19日より公開される。1作目の『ロッキー』(1976)が1977年に日本で公開されてから45年たった現在、『ロッキー4』に出演していたキャストたちはどうしているのか、彼らの現在を紹介する。(編集部・香取亜希)
シルヴェスター・スタローン/ロッキー・バルボア役
自ら『ロッキー』の脚本&主演を担当し、ブレイクを果たしたスタローンは現在76歳。『ロッキー』全6作の脚本と主演を務め、2、3、4、6作では監督も担った。『ランボー』シリーズ、『クリフハンガー』(1993)、『デイライト』(1996)など、肉体派のアクションスターとして確固たる地位を築いた。還暦を過ぎてからも常に現役を貫き、『ロッキー』シリーズのスピンオフ映画『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)、『クリード 炎の宿敵』(2018)がヒットした。そのほか、自身初の配信オリジナル映画となる『サマリタン』は、8月26日より Prime Video にて独占配信される。
タリア・シャイア/エイドリアン役
ロッキーが思いを寄せる、内気なヒロインのエイドリアンを演じたタリア・シャイアは現在76歳。兄は『ゴッドファーザー』シリーズのフランシス・フォード・コッポラ監督。タリア・コッポラの名前でデビューするが、『ゴッドファーザー』シリーズで主人公マイケル・コルレオーネの妹コニーを演じた際には、タリア・シャイアに改名していた。『ロッキー』(1976)ではアカデミー賞主演女優賞にノミネート。コッポラ監督の孫娘ジア・コッポラの長編映画監督デビュー作『パロアルト・ストーリー』(2013)、息子ロバート・シュワルツマンの監督デビュー作『ドリームランド(原題)/Dreamland』(2016)にも出演するなど、一族関連の作品によく出演している。『ダージリン急行』などウェス・アンダーソン監督作品の常連俳優として知られるジェイソン・シュワルツマンも息子の一人。
バート・ヤング/ポーリー役
ロッキーの親友であり、エイドリアンの兄でもあるポーリーを演じたバート・ヤング。全『ロッキー』シリーズに登場し、本作への出演を機にブレイク。『ロッキー』ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)、「LAW & ORDER ロー&オーダー」(ゲスト出演)など、映画やテレビで名わき役として活躍。82歳になった現在も『オール・イン(原題)/All In』、『アスリープ・アット・ザ・ホイール(原題)/Asleep at the Wheel』など精力的に活躍している。
カール・ウェザース/アポロ・クリード役
ロッキーのライバルにして親友でもある、無敵のヘビー級チャンピオンのアポロ・クリードを演じたカール・ウェザースは現在74歳。俳優になる前はプロのフットボール選手という経歴の持ち主。『未知との遭遇』(1977)、『プレデター』(1987)などに出演。近年は、『トイ・ストーリー4』(2019)で、小さな軍人の人形コンバット・カールの声を担当した。そのほか、『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフドラマ シリーズ「マンダロリアン(シーズン1)」(2019)で賞金稼ぎたちのギルドのリーダーであるグリーフ・カルガ役を務め、シーズン2(2020)では同役のほかエピソード監督も務めた。
ドルフ・ラングレン/イワン・ドラゴ役
アポロを倒しロッキーと戦うことになる“ソ連の殺人マシーン”こと、 イワン・ドラゴを演じたドルフ・ラングレンは現在64歳。『ロッキー4』のみの登場ながら、鮮烈な印象を残し伝説的なキャラクターとなった。その後、『JM』(1995)ではキアヌ・リーヴス、『ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション』(2009)ではジャン=クロード・ヴァン・ダムと共演した。『エクスペンダブルズ』(2010)、『エクスペンダブルズ2』(2012)、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(2014)でスタローンと再共演を果たした。さらに、アポロの息子クリードを主人公にした『クリード 炎の宿敵』で33年ぶりにドラゴを演じた際にも、スタローン演じるロッキーと対峙し話題となった。プライベートでは、還暦を過ぎた2020年に、40歳近く年の離れたノルウェー人パーソナルトレーナーのエマ・クロクダルさんと婚約するなど、公私ともに現役続行中だ。ちなみに、エマさんはドルフの長女アイダさんと同じ年。
ブリジット・ニールセン/リュドミラ役
ドラゴの妻リュドミラを演じたブリジット・ニールセンは現在59歳。デンマーク出身のモデルで、アーノルド・シュワルツェネッガーと共演した『レッドソニア』(1985)で映画デビュー後、スタローンのすすめで『ロッキー4』に出演し、翌年スタローンと結婚。『コブラ』(1986)で夫婦共演するも翌年に離婚。『ビバリーヒルズ・コップ2』(1987)でエディ・マーフィとやり合う悪役で登場した後は、B級作品への出演が続く。2000年代に入ってからは一時期映画への出演作が少なくなるが、『エクスペンダブル・レディズ』(2014)を機に再び注目される。『クリード 炎の宿敵』にも『ロッキー4』と同じリュドミラ役で出演した。5回の結婚歴があり、2018年に54歳で第5子を出産し話題となった。
1作目公開からすでに45年が経っているにもかかわらず、出演者たちが元気で今も現役の役者でい続けているという事実に驚かされる。しかも、作品も『クリード』シリーズに引き継がれ、進化し続けている。スタローンには、80歳、90歳になってもロッキー・バルボアとして、リングに上がっていてほしい。