作品の顔になる女優として映画を引っ張っていくことができる、実力派の優ちゃん。その存在感プラス、「天才的な演技力」という評が本当に多いんです。今まで関わった監督のコメントを集めてみました。
「こちらが思っているよりもずっと幅が広い。蒼井を見ていると自分が天才じゃないのがわかる。次に何をするかわからない予測不能なタイプ」 岩井俊二 『リリイ・シュシュのすべて』 『花とアリス』 『ヴァンパイア』
「摂食障害の役のため、役づくりで体重を7キロ落としたんだよね。彼女は演技が演技に見えない。これがたやすいようで、とっても難しい」 松尾スズキ 『クワイエットルームにようこそ』
「ワンシーンで映画を変える力を持っている」 李相日 『フラガール』
「本人はウソをついている意識がない。最高の詐欺師は自分で相手をだましている意識がない人だと言いますけど、役者の才能も同じだと思います。蒼井さんの本心は全く見えないし、現場ではその本心が見える必要もないウソつき(演技者)がウソついているように見えないのがすごい。推測するにウソをついている意識があまりないのだと思います。これって役者としてすごいな~と思いますね」 三木聡 『亀は意外と速く泳ぐ』
「彼女は天才ですね」 大岡俊彦 『いけちゃんとぼく』
このように、名だたる監督たちからも評価が高い優ちゃん。どこにでもいそうな雰囲気の女性だけど、スクリーンに映ると、うつむいているだけでも何かを投げ掛けてくるような、大きな存在感を放つんですよね。ドスを利かせて絶叫するような役も、実際にはあまりいないような変わった役も、自然にこなしちゃうんですねー。
この「自然」な部分が役者としての技術と才能なわけですが、演じる役を自分の中に取り込んで、全体を客観的に見て「こうしたら映画全体がもっと良くなる」と考える。そんな生真面目さが、監督らに評価される所以ではないでしょうか?
上品でかわいらしい女性としてどんどん磨きがかかっていますが、欲を言えば、鬼気迫る役も観てみたいと思ったりも。これは好みもあるので、現在の彼女の評価とはまた違うお話。まあそのあたりは、年相応に……かな。
最後に本人・談。「わたしはわたしらしさを反映しようと思ってお芝居をしたことがないんです。主人公が魅力的に見えたらいいと思いながら演じています」この言葉に優ちゃんの演技の神髄があるのかも?
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