北川景子、玉山鉄二に思わずメールを送っちゃうほど仲良し!恋愛は二人とも意外とあっさり系!
ルイ・マル監督の同名映画を世界で初めてリメイクした映画『死刑台のエレベーター』で事件に巻き込まれるカップルを演じた北川景子と玉山鉄二がインタビューに応じ、ヌーベルバーグの傑作といわれる作品のリメイクにどう挑んだのかを語ってくれた。
北川と玉山が演じる若いカップルは、オリジナルのエッセンスを尊重して作られた本作の中で、唯一オリジナルと人物設定が大きく異なる役柄。二人とも脚本を初めて読んだときには、世界観と役柄をまったくつかむことができなかったという。そのため役づくりをする上で玉山は「(オリジナルが作られた)当時の世界情勢と現代の日本では、重ならないところも多いので、その差をいかに自分の役で埋めていくか、ということを考えました」とリメイクであることを大いに意識していたことを明かした。
一方、オリジナルの存在を知りつつもまだ観たことがなかったという北川は、緒方明監督とも相談した結果、観ないままの状態で撮影に突入。「オリジナルの世界観を損なわないようすると、逆にそこにとらわれ過ぎてしまうから」と理由を説明した北川は「衣装を着て、実際に演技してみると自然と役がわかってくるんです」とオリジナルにとらわれない自分のキャラクターを撮影現場で見つけたようだった。
二人が演じるカップルは、状況に流されるまま事件に巻き込まれていくという現代の若者を象徴したような役柄だが、玉山と北川がそのことを意識していたのは言葉の端々からもうかがえた。中でも北川は、一人の男性に夢中になっている女性の危うさやもろさ、そして過激さを伝えるために、徹底して「(玉山演じる赤城との)二人の空間、時間を邪魔するなっていう感じ」で演じたため、ほかの共演者を意識することも少なかったと語った。
そうして完成した作品を、玉山は「終わったあとはしばらく立ち上がれなかったです。沼にハマる感じ。3Dじゃないのに、すごく作品に引き込まれる」と大絶賛。北川も「一人の観客としてここまで作品に入り込んだ作品は初めてかもしれない」とオリジナルに負けない新たな名作の誕生にかかわれたことを誇りに思っているようだった。
作品の見どころについて問われた北川の「登場人物がそれぞれ見せる、ラストシーンの顔ですね」という答えには、玉山も思わず「そうそう」と納得。北川は「玉山さんの最後の表情がすごく良かったから、思わずメール送っちゃったしね」と撮影中のエピソードを明かし、仲の良さをうかがわせた。取材中も、お互いの答えに笑顔でうなずき合うなど、終始和やかな雰囲気。それでも自分が質問に答える際には、一転して神妙な面持ちになるなど、演技について真剣に取り組んでいたことが伝わってきた。
最後に、愛のための殺人を犯そうとする時籐(阿部寛)と芽衣子(吉瀬美智子)のような恋愛について、北川は「わたしは巻き込まれたくないですね。そこまで好きになれる気持ちはすごいなとは思うけど、殺生はしません!」と言い、玉山も「僕、ヒステリーな人って苦手なんですよ」と笑いながら告白。二人とも、現代の若者らしく恋愛は草食系なのかも? 阿部と吉瀬のような大人の恋、そして北川と玉山演じる若いカップルの恋愛模様が並行して描かれる本作。二つの恋愛がどのようにして結末を迎えるのか、オリジナルを知らない人はもちろん、知っている人も楽しめるはず。
映画『死刑台のエレベーター』は10月9日より全国公開