剛力彩芽、『黒執事』の賛否両論は覚悟の上!それでも初の男装は「うれしい」
枢やなの人気コミックを実写化した映画『黒執事』で初の男装に挑戦する女優の剛力彩芽が、「実はこういう格好が好きなので、すごいうれしいです」と意外な一面を明かした。剛力演じる男装の令嬢・幻蜂汐璃(げんぽう・しおり)は映画版のオリジナルキャラクターとなるが、「でも、だからこそわたしとしてはちょっとでも(原作で汐璃に相当するキャラクターである)シエルらしさも出せたらいいなと思っている」と意気込みを語った。
19世紀のイギリスを舞台にした原作コミックとは異なり、映画版では2020年のアジアを舞台にしたオリジナルストーリーが展開される。そのため、主人公の執事セバスチャンを除いては登場人物も一新されており、中でも原作のシエル・ファントムハイヴにあたるセバスチャンの主人は、男装の令嬢・汐璃になるという大きな変更が加えられている。
この点についてはファンの間でも賛否両論が飛び交っており、剛力自身も「汐璃という子は、原作には出てこないオリジナルキャラクターなので、色々な意見が出てきていると思うんですが……」とそのことには意識的だ。その上で「漫画のシエルはすごいかわいくて、整っている美少年なので絶対まねはできない。それでもちょっと少しずつ格好の部分ではまねをしています」と男装した外見ではシエルを模してみるなど、原作へのリスペクトは忘れていないという。
また、役づくりの面でも、女の子に生まれながらも男の子として生きているという汐璃のキャラクターは大きなハードルとなった。「最初、意識していたのは声の低さでした。ほかにも歩き方とか、立ち振る舞いとか、全てが男の子っぽく見えるように意識したんですけど、そういうところばかりを意識すると感情が入らなくなってしまったんです」と明かした剛力は、「なので、どちらかというと人間の弱さだったり、汐璃がどういう人生を歩んで生きたりっていう、寂しさであったり切なさだったり、何で復讐(ふくしゅう)しようと思ったのかとか、そういうところにもっと目を向けた方がいいなというのは撮影に入ってから改めて思いました」と明かした。
そんな剛力の演技は大谷健太郎監督も絶賛。「最初に男装した姿を見たときから『これでいける』という確信があった」といい、「原作とは違うんですが、ある意味、女性がやるからこそ出せる原作の魅力がある。剛力さん(演じる汐璃)が少年として生きなければいけなくなるというのは倒錯劇というか、すごくあやしい感じというか……」と映画版の設定が、原作を破壊するものではなく、その魅力をより生かすためのものであることを強調していた。
映画『黒執事』は2014年新春に全国公開予定