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オバマ大統領に触発されたスパイク・リー監督、作風チェンジで感動ファンタジーに挑戦!!

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今回は違うぜ! スパイク・リー監督
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 黒人解放指導者の伝記映画『マルコムX』など、人種問題に鋭くメスを入れる作品を世に送り出してきたスパイク・リー監督の最新映画『セントアンナの奇跡』が、泣けるファンタジーとして注目を集めている。新境地といえるジャンルに果敢に挑んだスパイク・リー監督が目指したものとは?

映画『セントアンナの奇跡』写真ギャラリー

 本作は第二次世界大戦中のイタリアを舞台に、黒人だけで編成された実在の歩兵師団“バッファロー・ソルジャー”の隊員と、不思議な力を持つ現地の少年の交流をファンタジックに描いた感動作。人種の違いを超えたヒューマンドラマという、スパイク・リー監督がデビュー以来こだわり続けるテーマはそのままに、タイトルにもある奇跡が幻想的なクライマックスを紡ぎ出している。

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 骨太で社会派というイメージも強いスパイク・リー監督が、本作のようなファンタジーを撮った背景には、オバマ大統領就任をはじめとする社会の大きな変化がある。以前からオバマ氏を支持し続けてきた彼が、ついに黒人の大統領を誕生させたアメリカのチェンジを、就任前からいち早く敏感にキャッチし、「次は自分の番」とばかりに、映画に携わる者として新たなステップを踏み出した作品、それが『セントアンナの奇跡』なのだ。

 もちろん人種問題を問いかける鋭い視点は健在。第二次世界大戦時に、黒人兵士たちが強いられる過酷な運命をストレートに描き、彼らが苦悩しながら生きる姿を通して、人種の対立ではなく共存を訴えかけている。本作の製作時には、映画『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』を監督したクリント・イーストウッドに対して「黒人俳優の起用が少ない」と“口撃”し、議論を巻き起こしたスパイク・リー監督。このバトルは、マスコミが大げさに報じた結果だったようですでに両者は和解したとのことだが、黒人が歩んだ歴史がもっとクローズアップされるべきというスパイク・リー監督の思いの強さは変わらない。

 変わらぬ思いを胸に、常に進化し続けるスパイク・リー監督の最新作『セントアンナの奇跡』。劇的なスタイルの変化を遂げた本作は、安易に観客を泣かせる映画があふれる中で、本物の涙がこみ上げる、文字通り奇跡的な感動作といえるだろう。

 映画『セントアンナの奇跡』は7月25日よりTOHOシネマズ シャンテ、テアトルタイムズスクエアほかにて全国公開

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