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ビート文学の先駆者の一人、アレン・ギンズバーグの映画が完成、監督に聞く!

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ロバート・エプスタイン(左)、ジェフリー・フリードマン(右)
ロバート・エプスタイン(左)、ジェフリー・フリードマン(右)

 「路上」のジャック・ケルアックと共に、ビート文学の代表者の一人であるアレン・ギンズバーグを描いたジェームズ・フランコ主演の映画『ハウル / Howl』(原題)が完成し、その新作について共同監督のロバート・エプスタインジェフリー・フリードマンが語ってくれた。

アレン・ギンズバーグ出演映画『ドント・ルック・バック』場面写真

 同作は、アレン・ギンズバーグの代表作である詩集「吠える」を中心に、同本の露骨な同性描写とドラッグ使用の内容を理由に法廷で争った猥褻(わいせつ)裁判、彼の苦悩と創作活動、そして彼が影響を受けた交友関係などを交錯させながら綴った作品。

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 詩を中心にした作品を制作するにあたって、「かなり時間を掛けて構成を考えたんだ。まず、ギンズバーグの家族からこの企画が持ち込まれた。彼らから、『吠える』を中心にした映画を作るように依頼されたんだよ。それから、ギンズバーグの制作意図、個人的な感情、制作過程の苦悩を徐々に理解していった。猥褻(わいせつ)裁判は、まるで舞台を見ているように描き、『吠える』の詩はライブの朗読を聴いているような感覚で観ることができ、さらにエリック・ドルーカーのアニメーションを駆使して、ギンズバーグの想像の世界を作り上げていったんだ」とジェフリーが語るように、詩を描いた作品であるのに、飽きることない演出がこの映画の魅力になっている。

 映画『スパイダーマン』シリーズでおなじみのジェームズ・フランコが、主役ギンズバーグを演じたことについては「実は、この映画のプロデューサーであるガス・ヴァン・サントが、ジェームズ・フランコを推薦してくれたんだよ。ガスが、映画『ミルク』を撮影していたときに、この脚本を読んでくれて、それをジェームズに手渡してくれたんだ」と語ってくれた。ガス・ヴァン・サントとの接点が、この映画が上手く始動できたきっかけにもなったようだ。さらに「ジェームズは、14歳のときからビート文学を読んでいて、UCLAの学生時代に文学を専攻していたほど、この時代の文学には精通していたんだ。それから、僕らも彼の作品を観はじめ、その中でも特にジェームズ・ディーンのTV映画『Dean/ディーン』には驚かされたよ。彼は、ジェームズ・ディーンに外見が似ているだけでなく、感情表現の深さも素晴らしかったんだ。そこで、彼ならきっとギンズバーグを演じられると思ったんだよ」とキャスティング理由をロバートが説明してくれた。

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 ギンズバーグのジャック・ケルアックとの出会いについてジェフリーは「ギンズバーグとケルアックは、すぐに知的でクリエイティブな信頼関係を結ぶことができたと思うんだ。彼らは、お互いが新しい言葉を生み出すことに喜びを感じていたと思う。それは、最初の発想がベストの発想であることを示しているんだ。彼らは、人々の真の体験を自然に表現しようとしていた。だから、彼らの出会いは、ある意味で心の出会いでもあったと僕は思うんだ」と述べた。さらに彼は「当時のギンズバーグは、ケルアックに自分の愛を告げてもいる。だがケルアックは、それに対して拒絶をせずに、この関係が僕らの友情関係を駄目にしなければ良いねと告げ、さらにギンズバーグとの友情関係を続けたために、それがギンズバーグにとっては、自分がゲイであることをオープンにさせるきっかけにもなった重要な出来事だったんだ」と教えてくれた。映画内ではケルアックだけでなく、彼のビート世代の交友関係も見所の一つになっている。

 同作はギンズバーグの詩が、観客の心に響くような独特の演出を施しているため、ギンズバーグの作品になじみがなくても、楽しめる作品に仕上がっている。そして、ギンズバーグを演じたジェームズ・フランコの熱演にも是非注目してほしい。

 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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