エリック・バナを直撃!新作『ハンナ』について語る!
映画『ハルク』や『トロイ』などのハリウッド・アクションの大作では強固な身体で観客を魅了し、映画『ミュンヘン』などの秀作では、シリアスな演技も披露してきたエリック・バナが、新作『ハンナ / Hanna』について語った。
同作は、妻を殺された元CIAの父(エリック・バナ)によって極寒の地フィンランドで殺人戦士として育てられた少女ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、父親から与えられた任務によって都会に出るが、今まで経験したこともなかった世界で、これまでの生活に疑問を持ち始めていくというスリラー・アクション作品。監督は、映画『プライドと偏見』や『つぐない』のジョー・ライトがメガホンを取っている。
元CIAの父親役エリックについて「彼は、フィンランドの極寒の地という究極の厳しい環境で高められた緊張感を持って生きている。この地に住んでいるのは、彼が過去に起こした事件が発端なんだ。そんな環境を娘のハンナに強制的に慣れさせようとしている。そのため、本来の父親がするようなアドバイスをせずに、いろいろな面で父親として欠乏している点もあるんだ。だからあくまで彼は、身体的なトレーニングを通して、その親子関係を保っているんだよ」と説明した。
シアーシャ・ローナンとの共演について「シアーシャほど、これまで幸運な役を与えられた若手の女優はいないと思う。彼女は女優としてキャストされるだけでなく、与えられたこれまでの出演映画の題材が他の若手俳優とは、はっきりと区別をされているんだ。今回彼女と仕事をしてみて、僕がシアーシャの好きな点は、10代なのに30代のような雰囲気を持ち合わせている大人びた若手の女優ではなく、いろいろなことに悩んだ、イノセントで活発な等身大の女の子だということなんだ。だが仕事となると、彼女の仕事に対する集中力は本当に素晴らしく、彼女が撮影前にしっかり(身体的な)準備をしていたために、この映画はスリル感のある作品に仕上がっているんだ。これからが本当に楽しみな女優だよ」とプロの女優としてのシアーシャを称賛した。
この映画の音楽を担当したケミカル・ブラザーズについて「ケミカル・ブラザーズは、この映画で重要な役割を担っていて、曲が計算して使われている。今回のように、監督とミュージシャンがお互いのことをよく知っているケースは少ないと思うんだ。ジョーとケミカルブラザーズの二人は同じ学校に通っていたことがあって、共同で仕事するには素晴らしいコラボレーションになっているんだ」と彼らが古き友人であることを教えてくれ、さらにエリックは「リドリー・スコット監督が以前に、どの音楽を使用するかわからなければ、自分が製作した映画を理解していないということだと言っていたが、僕も全く同意見なんだ。ジョー監督は、どの音楽を使用すべきか的確にわかっていたよ」と述べたように、斬新な曲が作品のテンションを上げていく。
最後に彼は、以前『トロイ』で武器を使って闘うシーンを演じたが、今作では素手を使って闘うシーンを演じていて、これまでこれほど素手で闘うシーンを演じたことがなかったと語っていた。エリックの次回作は、オリヴィア・ワイルドと共演する映画『ブラックバード(原題) / BlackBird』が控えている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)