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秋葉原無差別殺傷事件をモチーフにした衝撃作『RIVER』、東京フィルメックスで日本初上映

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左から廣木隆一監督、蓮佛美沙子、meg
左から廣木隆一監督、蓮佛美沙子、meg

 27日、現在開催中の第12回東京フィルメックスで、秋葉原殺傷事件を題材にした映画『RIVER』ワールドプレミア上映舞台あいさつが行われ、主演の蓮佛美沙子、主題歌を歌うmeg廣木隆一監督が登壇、作品に対する思いなどを語った。

廣木隆一監督の前作『軽蔑』場面写真

 本作は、2008年6月に起きた秋葉原無差別殺傷事件を題材にした話題作で、今回の第12回東京フィルメックスでいよいよ初上映となった。登場した廣木監督は、「はじめての上映ということで、すごく緊張してます」と若干こわばった表情であいさつし、「フィルメックスに呼んでもらって、すごくうれしく思ってます。ありがとうございます」と真面目な面持ちでお礼を述べた。

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 主演の蓮佛は、「実際にあった事件をもとに作られたのは、わたしの中でも大きかった」という。撮影は、3月11日に起こった東日本大震災後に行われたそうで、「観に来てくださる方々の顔を、その方たちにはどういう気持ちになってもらえるんだろう、と考えながら撮りました」。特に廣木監督と組んで、「(カメラの)長回しが多い」経験を初めてしたらしい。「15分ずっと撮影しっぱなしとか、それを何回かやっていくうちに、よけいなものがそぎ落とされていくんです。わたしがフラットな状態でいるかどうか、監督にすぐ見抜かれる。監督は、学校の怖い先生みたいでしたね」と笑いを誘うも、「常にいい緊張感を持ってやらせてもらいました」と振り返った。

 そして、実際の事件をもとにした動機について、廣木監督は「僕の中では、事件そのものじゃなく、その周辺のことをやりたいとずっと気になっていた」と明かす。本作で「今の気持ちを素直に表現できたと思っています」と静かに自身の心情を語った。

 映画『RIVER』は、2008年6月に起こった秋葉原無差別殺傷事件で、恋人を失った主人公・ひかり(蓮佛)が、恋人との思い出の地・秋葉原を訪れ、そこからもう一度前を向いて歩きはじめるまでをみずみずしく描く。タイトルの「川」は、「海に流れて行き、いろんな国にもつながっている」という意味で付けられ、秋葉原を流れる神田川を指す。映画『ヴァイブレータ』『余命1ヶ月の花嫁』の廣木隆一監督が、今の日本を写し取った渾身の作品。(取材・文:尾針菜穂子)

映画『RIVER』は2012年3月10日よりユーロスペースほか全国順次公開

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