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『キング・オブ・ニューヨーク』のアベル・フェラーラ監督を直撃!地球最後の日を描いた新作とは?

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アベル・フェラーラ監督
アベル・フェラーラ監督

 映画『キング・オブ・ニューヨーク』や『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』のアベル・フェラーラ監督が、新作『4:44 ラスト・デイ・オン・アース(原題) / 4:44 Last Day on Earth』について語った。

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 同作は、ニューヨークの高級アパートで暮らすシスコ(ウィレム・デフォー)とスカイ(シャニン・リー)は、普段と変わらぬ時を過ごしていたが、実は明日の午前4時44分に地球が滅亡することが決まっていた……。それを逃れる手段はなく、絶望した人々たちの中には自殺を図るものもいたが、彼らカップルはその運命を受け入れ、友人や愛する人たちと交流しようとする。今作でアベル・フェラーラ監督は、世紀末を独自の観点でつづっている。

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 映画内で、ダライ・ラマ14世や故ネルソン・マンデラ氏がスピーチをしている映像が使われていることについて「誰もがわかっていることは、すべての人が死ぬことで、それでも重要なのはその人生をどう生きるかと思っていることなんだ。そのため、人は生きる時間が残り少なくなってくると、現実的に知識人や常識のある人の話に耳を傾け、どうでもよい人と話をする機会をもうけたりはしなくなってくる。だから、映画内でもネルソン・マンデラ、ジョーゼフ・キャンベルらの観点が含まれているんだ」と明かした。

 実生活でもアベルのパートナーである女優シャニン・リーと、友人であるウィレム・デフォーについて「この映画の一部のインスピレーションは、シャニンから生まれたものだと思う。彼女と僕は一緒に住んでいて、ある意味、この映画はシャニンへラブポエムとして捧げたもので、脚本を執筆中にも彼女は僕にインスピレーションを与えてくれていたんだ。ウィレムも実生活では僕と同じように歳の離れたジアダ・コラグランデと結婚していて、僕らカップルとウィレムの家族はみんな友人なんだ。僕らは、そんなバランスの取れた関係を保っているために、心地良い環境で仕事ができたと思っている」とお互い年の離れたパートナーが居るという共通点があったようだ。

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 近年、映画『マルベリー・ストリート(原題) / Mullberry St.』や『チェルシー・オン・ザ・ロックス(原題) / Chelsea on the Rocks』などでドキュメンタリー作品を手掛けてきていることについて「実は、この映画でもキャスター役でニュースを読んでいる人物は、実際のニュースキャスターを雇ったんだ。最初は、俳優にキャスター役を演じさせたが、全く駄目だったんだよ。それは、僕のドキュメンタリー作品にも言えることだが、確かに俳優もそれまで色々な役を演じてきて、それなりの演技はできるのだが、昼夜続けてキャスターの仕事している連中のレベルには到達できないんだ……。だが、そういった実際本職をしている人を映画に雇う際は気をつけなければいけないね。それは、その人物を出演させたことで、映画を台無しにしてしまう恐れもあるからなんだ」と語り、そんな映画内にあるドキュメンタリー的なリアリティの要素が、この映画では見事に緊張感に反映されている。

 映画は、地球最後の日を誰とどのように過ごすか焦点を当てていて、人それぞれの選択が興味深い映画に仕上がっている。アベル・フェラーラ監督の次回作は、セックス・スキャンダルでIMF(国際通貨基金)専務理事の座を追われたドミニク・ストロス=カーンに刺激を受けた新作映画を企画しているそうだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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