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白人男性と結婚、さらに女性とも関係を持った黒人女性のドキュメンタリーが公開!

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プラティバ・パーマー監督
プラティバ・パーマー監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第26回ロンドン・レズビアン&ゲイ映画祭で、プラティバ・パーマー監督の未完成映画『アリス・ウォーカー:ビューティー・イン・トゥルース(原題) / Alice Walker: Beauty in Truth』の一部が上映された。

 本作は、小説「カラーパープル」で初の黒人女性ピュリッツアー賞受賞者となったアリス・ウォーカーを追ったドキュメンタリー。ウォーカー本人と関係者のインタビューに、作品とその時代を紹介するクリップで構成されている。まだ完成前の状態で、パーマー監督の解説を挟みつつ、ラフカットを含めた5つの部分が上映された。「完成前の作品を公開するのは初めてだわ」と言うパーマー監督だが、取りかかって2年にもなるという本作がちゃんと進行中であることを、ウォーカーはじめ関係者に知らせる役目を果たすイベントともなったようだ。

 公共の場所が白人用と有色人種用に分けられていた時代に少女期を過ごしたウォーカーの人生はドラマチックとしか言いようがない。人権弁護士の白人男性メル・レヴェンサルとの人種を超えた結婚は非難を浴びて脅迫もされ、後年、黒人女性歌手トレイシー・チャップマンとの関係は物議を醸した。パーマー監督が「アリスの人生は個人の歴史を超えて、もっと大きな歴史でもある」と製作の動機を語るように、人種差別、性差別の歴史と、その差別と戦ってきた一人の女性の軌跡としても見ることができる。

 小説「カラーパープル」はスティーヴン・スピルバーグ監督により映画化され、大きな反響を呼んだことでも有名。アカデミー賞では10部門にノミネートされたほか、主演のウーピー・ゴールドバーグを一躍スターダムに押し上げた映画でもある。そのスピルバーグ監督やゴールドバーグに、ウォーカーにレノン・オノ平和賞を授けたオノ・ヨーコなど多彩な面々が登場している本ドキュメンタリー映画。そのほか、まだパーマー監督が出演依頼中の人物もいるという。迫害を受けながら自由な精神を失わず、68歳となった今も世界中を飛び回り人権活動を続けるウォーカーを、余すところなく見せる作品になりそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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