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若松孝二監督、新藤兼人監督を「ああいう人は世界でただひとり」と賛辞

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左から永岡佑、鈴之助、満島真之介、若松孝二監督、井浦新、岩間天嗣
左から永岡佑、鈴之助、満島真之介、若松孝二監督、井浦新、岩間天嗣

 2日、第65回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品作品『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』の初日舞台あいさつが都内で行われ、主演の井浦新(旧芸名:ARATA)、満島真之介若松孝二監督が登壇し、カンヌでの思い出などを語った。この日はそのほか出演者の岩間天嗣鈴之助永岡佑も登壇した。

映画『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』場面写真

 本作は、文豪として確固たる地位を築きながら、1970年11月25日に防衛庁内で衝撃的な自決を遂げた三島由紀夫と、三島が結成した私兵的団体「楯の会」の若者たちの魂の軌跡を描くドラマ。若松組の常連の井浦が三島を熱演し、今作への出演をきっかけに、旧芸名のARATAから井浦新へと改名したことも話題を呼んだ。また、女優・満島ひかりの弟として知られる満島は、三島が組織した「楯の会」メンバー・森田必勝を演じている。

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 この日、キャスト陣は全員劇中衣装で登場し、緊張の面持ち。井浦は先月参加したカンヌ国際映画祭での思い出を振り返り「海外での三島由紀夫は、文学のイメージが強い存在。三島と、同時代の若者の生き方を描いたこの作品が、現地でどういう風に観られるか興味がありました。三島が自衛隊で訓練するシーンで笑いが起きたり、切腹するシーンではざわついたり、反応が直に伝わってきましたね。上映後、女性が泣きながら監督にかけよってきたのが印象に残っています」と語った後、「今日初日を迎えましたが、日本人のみなさんにこそ、作品から何かを感じて欲しい思いが強いので、これからが楽しみです」と言葉に力を込めた。

 一方、若松監督もカンヌを振り返り「大変好評だった。上映中、途中で帰る人もいなくてほっとした。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』の後、今度はなぜ三島由紀夫を題材にしたのかよく聞かれたけど、当時の若者たちは、国を憂いて何かをしようとしていた。それは右も左も同じなんです」と熱く語った。その後、次回作の宣伝もしっかり行った若松監督は、「次回作で参加するのはベネチア(映画祭)かな。今後もまだまだ…新藤(兼人)さんみたいにはいかないと思うけど、80歳すぎまでは(監督を)やりたいと思っています」と今後の更なる飛躍を誓っていた。

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 あいさつ終了後、若松監督は、マスコミ陣から先日100歳で亡くなられた新藤兼人監督について改めて聞かれると「ああいう人は世界でただひとりだと思う。僕はあの人のまねをしているようなものだから。本当に自分の好きなものを、どこからか金を集めてきて作る。流行だとか言って、犬猫の映画を作ったりしない。尊敬しているかって?そりゃあもう、新藤さんしかいないですよ!あとは、尊敬するような監督なんかいないよ」と賛辞を惜しまなかった。(古河優)

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