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三國連太郎さんお別れの会 佐藤浩市、父の背中語る

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三國連太郎さん 祭壇には荒波が表現された
三國連太郎さん 祭壇には荒波が表現された

 今年4月に亡くなった俳優・三國連太郎さんのお別れの会「三國連太郎 海峡を渡る日~お別れの会~」が19日、六本木のグランド ハイアット東京で行われ、喪主の佐藤浩市が天国の父に向けて、別れの言葉を贈った。

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 会場に用意された祭壇は、三國さんの代表作『飢餓海峡』がモチーフ。まさに海峡を渡るような波瀾(らん)万丈であった人生を、動きや流れのある海(荒波)として表現した、計5,000本の花々で飾られた。

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 また遺影は、2000年に静岡県沼津市の魚市場で撮影されたものを使用。献花中は、佐藤の発案により、映画人として生きた三國さんをしのぶべく、デビュー作『善魔』から『飢餓海峡』『神々の深き欲望』『親鸞 白い道』など、三國さんの代表作が次々と上映された。

 壇上に立った佐藤は、あいさつの後、1988年に上演された三國さん出演の舞台「ドレッサー」に言及すると、「この舞台の中で三國は、サーの称号を持つ老俳優を演じており、その中で、老俳優が『役者というのは、人の記憶の中に残りたいものだ』とそういう切なくも、少し愚かしいセリフを吐きます」と述懐。

 さらに「役者というのは、もっと刹那的なものだ、芝居とは刹那的なものだと。そのセリフが弱々しい自分にすがるもの、そういう自分を認めるものでなければ、泥くさい人間なんて演じられないんじゃないでしょうかねと、いつものように(三國は)言っているんじゃないか」と続けた佐藤は「僕もどちらかというと、そういうタイプかもしれない」と自身に重ね合わせた。

 そして「今、なんとなく、その弱々しい自分と向き合いながら、この仕事を続けられるのも、多分三國の背中を見たからなんです」という佐藤は「本日、この会を俯瞰視(ふかんし)している三國がそのセリフをどのように受け止めて、これから来世に向かうのか。しゃらくせぇと、背中を向けるかもしれませんし、満足そうに向こうに歩いていくかもしれませんし、どちらかわかりません。ただ本日は、ここにいらしてくださった皆さんに、三國連太郎を目に焼き付けて送っていただきたいと思います」と父への思いを語った。(取材・文:壬生智裕)

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