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『オン・ザ・ロード』監督、黒澤明『乱』の完成に居合わせていた!日本の思い出を振り返る

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映画『オン・ザ・ロード』のウォルター・サレス監督
映画『オン・ザ・ロード』のウォルター・サレス監督 - (C) Gregory Smith

 多くのアート・思想に影響を与えたジャック・ケルアックの原作を初めて映画化した『オン・ザ・ロード』のウォルター・サレス監督が、日本文化との関わりを語った。1985年、ドキュメンタリーの撮影のため日本を訪れたというサレス監督はそのとき、故黒澤明監督や坂本龍一といった芸術家に出会い、大きな影響を受けたという。

映画『オン・ザ・ロード』場面写真

 ウォルター・サレス監督はブラジル出身の57歳。ベルリン国際映画祭で最高賞にあたる金熊賞を受賞した『セントラル・ステーション』や『モーターサイクル・ダイアリーズ』など、ロードムービーには定評があり、「ザ・ロードムービー」とでも言うべき本作でもその手腕を遺憾なく発揮。何度となく繰り広げられる行き当たりばったりの旅を通じて、若者たちの夢と希望、そして孤独を描き出している。

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 だが、そのサレス監督自身も多くの旅(ロード)を経て、現在の地位を築くまでになったとはあまり知られていないだろう。中でも日本は、1985年に約3か月も滞在した思い出の地。「楽しくうれしい体験でした」と振り返ったサレス監督は、「ちょうどインタビューなども行ったりしていたので、黒澤明先生にも会うことができ、また坂本龍一という、芸術家としてだけでなく素晴らしい人とも会うことができました。映画作家の柳町(光男)さんをはじめ、さまざまな作家、脚本家、監督など、わたし自身が尊敬している人たちに会うことができて、とてもユニークなひとときを過ごすことができました」と当時の様子を明かす。

 また、サレス監督はその際、貴重な場面にも立ち会った。「ちょうど黒澤監督が『』を撮り終えて完成させたところで、わたし自身、それに立ち会うことができてとても感動したことを覚えています」。『乱』は言うまでもなく、黒澤監督の最後の時代劇作品。日本映画史に残る瞬間に偶然とはいえ居合わせたことは、サレス監督のその後に少なくない影響を与えたことだろう。

 そのサレス監督が今興味を持っているのは、安部公房の小説「燃えつきた地図」。勝新太郎主演で1968年に映画化されたこともある同作について「いつもきっと良い映画になるだろうなと考えています」とコメントすると、「過去においても何度か日本に行く機会があり、これからも機会があればどんどん行きたいと思っています」と親日家の一面を見せた。(編集部・福田麗)

映画『オン・ザ・ロード』は公開中

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