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スーザン・サランドンが製作した卓球好きの少年を描いた映画とは?

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マイケル・タリー監督
マイケル・タリー監督

 卓球好きの女優スーザン・サランドンが製作した話題の映画『ピンポン・サマー(原題) / Ping Pong Summer』について、マイケル・タリー監督が語った。

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 本作は、1985年を舞台に、卓球とヒップホップ好きな13歳の気の弱い少年ラッドが、家族と共にメリーランド州のオーシャンシティでひと夏を過ごし、そこで出会った友人や恋人、近所の偏屈なおばさんらの影響で成長していくというストーリー。ラッドの母親役でリー・トンプソン、偏屈なおばさん役でスーザン・サランドンが出演している。映画『コカイン・エンジェル(原題) / Cacaine Angel』のマイケル・タリーがメガホンを取った。

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 13歳の気の弱い少年を主人公にしたことについて「今作では、どこかぎこちない時期の少年のひと夏を描いている。映画内では、大きなラジカセを持ち歩く人など80年代のアメリカを映し出した箇所もあるが、あえて80年代を前面に押し出さずに、少年の繊細な感情を中心に描きたかった」と答えた。また、実体験が含まれているのか、との質問には「かなりパーソナルな映画だけど、自分の体験を基にした伝記映画ではない。この映画に登場する"Funhub”といういろいろなゲームやスポーツを楽しめる施設は、僕の育った環境にはなかったし、映画内のようにクールな恋人もいなかった(笑)」と明かした。

 映画内では80年代のラップなどのヒッホップ系の楽曲が中心で、あえて80年代の有名な楽曲を避けているのは「僕らは映画『バッド・チューニング』のように、シーンごとに楽曲の使用ができなかった。でも映画内では、ファットボーイ・スリムの楽曲を使ったり、ナイキ製品を登場させたりしている。ナイキ製品の使用は宣伝ではなく、当時裕福ではない中流階級で育った僕には、ナイキ製品を手にするのはクールなことだったからだ」と振り返った。

 今作で興味深いのは、少年ラッドが家族と不仲だったり、家族から離れようとするハリウッドが描く典型的な少年ではないことだ。「僕の姉がこの映画を鑑賞したときに、『この映画はわたしたちの両親へのラブレターね』と言ってくれたが、自分の住んだことのない世界を描かずに、自分の育った環境を正直に描いた。よりパーソナルな方が良い映画に思えるし、僕にとっては恥ずかしいほど正直だが、映画内で描かれる感情は普遍的なものだと思っている」と自信をのぞかせた。

 映画は、等身大の繊細な時期の少年を、丁寧に共感が持てる形で描いていることが魅力だ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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