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“日本一の斬られ役”福本清三、初主演作初日に感無量「動揺しております」

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観客に深々と頭を下げる福本清三
観客に深々と頭を下げる福本清三

 “日本一の斬られ役”の異名を取る福本清三が12日、新宿バルト9で行われた初主演映画『太秦ライムライト』の初日舞台あいさつに落合賢監督、本田博太郎らと共に出席。「初日からこんなにたくさんの方がおいでくださるとは夢にも思っていなくて。動揺しておりまして、何を話したらよいのやら」と感無量の表情を見せた。

映画『太秦ライムライト』初日舞台あいさつ写真ギャラリー

 1958年に15歳で太秦・東映京都撮影所に入所して以来55年、数多くの時代劇、ヤクザ映画などで斬られ役を務めてきた福本の初主演作となる本作は、チャールズ・チャップリンの名作『ライムライト』をモチーフにした哀切な物語。斬られ役の名手として活躍してきた老いた俳優と、彼と出会った女優が育む絆を見つめていく。福本の生きざまに本作の物語を重ね合わせた観客は、福本の登場に万雷の拍手を送った。

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 大勢の観客で埋まった客席を前に福本は「斬られ役の福本でございます」とあいさつ。「皆さんに肩を押していただいて『やる』と返事をしたものの、斬られ役の映画を誰が観に来るのか心配で。ずっとそればかり考えていました」と初日まで抱えてきた不安を吐露。初主演作に対しても「主役ではなく、斬られ役の役をやっただけ」と謙虚な姿勢を崩さなかった。

 そんな福本に対し「福本さんと仕事ができたのは素晴らしい機会だった」と振り返った落合監督。「今回は主役ということで『フレームの真ん中に立ってもらいますからね』と言ったんですが、撮影が始まると、福本さんはフレームの隅に立ったり、他の役者さんに被らないように後ろの方に立ってしまったりするので、『堂々と真ん中に立ってください』と言ったこともありました」と笑いながら述懐した。

 一方、福本ふんする大部屋役者・香美山清一を見守る撮影所演技課長にふんした本田は、「まさに(福本の回顧録のタイトル)『どこかで誰かが見ていてくれる』。台本上では香美ちゃんと呼んでいたけど、心の中では福本さん、やったね、という思いでやっていました」と感激の表情を見せた。また、イベントの最後には、本家『ライムライト』のヒロイン、クレア・ブルームからの「あなたのプロジェクトの成功をお祈りしています」というメッセージが読み上げられた。この日はほかに、山本千尋尚玄多井一晃川嶋杏奈海老瀬はなも登壇した。(取材・文:壬生智裕)

映画『太秦ライムライト』は全国公開中

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