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市村正親、胃がん克服後の復帰舞台に感極まる…

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復帰舞台に声を詰まらせた市村正親
復帰舞台に声を詰まらせた市村正親

 俳優の市村正親が8日、帝国劇場で行われた、ミュージカル「モーツァルト!」の開幕初日囲み取材に出席した。胃がん手術後、待望の舞台復帰を果たす市村は、「感動です……」と言葉を詰まらせて感謝の言葉を述べながらも、会見の随所に親バカぶりを織り交ぜ、会場は温かい笑い声に包まれた

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 市村は今年7月、妻で女優の篠原涼子の勧めで受けた検査で胃がんが見つかり、手術と療養のためにミュージカル「ミス・サイゴン」を降板。早期発見であったことと、治療に専念できたことにより、周囲から怪物的と言われる早さで復帰に至り、本日の初日を迎えた。

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 劇中、モーツァルトの父レオポルトにふんする市村は、モーツァルト役の井上芳雄山崎育三郎(ダブルキャスト)をはじめ、モーツァルトの家族を演じる花總まり平野綾ソニンら、ファミリーが見守る中、目に涙をにじませながら「非常に感動です。一言では言い表せないくらい皆さんの力でここまで来られたと、痛切に感じています」と感謝を述べ、その後、一息つくと「もう1回、舞台に立てるんだな……」と感慨無量な表情を見せた。

 また、まだ新人のようにドキドキしていると明かし、「自分にこういうドキドキする気持ちがあることを発見できて、わたしもまだまだウブだなぁと思いますが、舞台では一生懸命、厳格な父親を演じたいと思います。実生活ではデレデレの父親です」とちゃめっ気たっぷりにあいさつ。完全復活をアピールした。

 市村が復帰した暁には、「ハグして胴上げをする」と宣言していたという井上だが、実際は「ハグしたい気持ちはやまやまだったのですけど、考えてみるとプライベートでハグしたことないし」と告白。しかし、思いは十分に届いており、市村は自分の息子役を務める井上たちを「人間的に素晴らしいですよ」と絶賛。さらに、どうしても親バカぶりを見せたいのか、「うちの息子はもっと素晴らしい」とデレデレ。この日、篠原と共に観劇に来るという息子は、家で劇中歌を歌っているといい「二人(井上・山崎)に負けないほどいい声です」とべた褒めし、会場の笑いをさらっていた。

 2002年の初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けている本作は、偉大な音楽家であるヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの天才ゆえの歓喜と苦悩、孤独、そして家族愛、とりわけ父と子の愛情と確執が、流麗な音楽と壮大なスケールで描かれる。(取材・文:鶴見菜美子)

ミュージカル「モーツァルト!」は帝国劇場にて12月24日まで上演

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