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久石譲、宮崎駿と北野武の音楽の違いを明かす!伊映画祭で1時間に及ぶ会見

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第17回ウディネ・ファーイースト映画祭で記者会見を行った久石譲
第17回ウディネ・ファーイースト映画祭で記者会見を行った久石譲 - 写真:中山治美

 イタリアで開催中の第17回ウディネ・ファーイースト映画祭で特別功労賞を受賞した作曲家・久石讓が現地時間の24日、記者会見を行った。イタリアでも人気の宮崎駿監督や北野武監督作の音楽を手掛けるマエストロ(巨匠)と対話出来る貴重な機会とあって現地記者たちの質問は途切れることなく、約1時間にわたって行われた。

久石譲が音楽を手掛ける新作場面写真

 多くの関心が寄せられたのが、映画音楽の作曲法だ。中でも自身の音楽性と、宮崎作品と北野作品での関係性を問われ、久石は「どちらかというと宮崎さんはアニメーション作品なのでメロディーを主体に。北野さんのときには、僕が20代から挑んできたミニマル・ミュージックの作曲家としてのアーティスティックな面を生かして曲を付けてきたという違いがあります」と説明した。

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 さらに「『Quartet カルテット』(2000)で初めて監督を務められましたが、その後、映画音楽へのアプローチに変化は?」というツウな質問も。久石は苦笑いしつつ「一回監督をやっていかに大変かわかりました。確かにその後、監督目線で(映画音楽を)考えるときもありましたけど、やはり両者は別物。まずは音楽を担当する監督がどんな作品を作りたいか? をしっかり理解するようにしています」と真摯(しんし)に答えた。

 また、前夜に開催されたスペシャルコンサートで久石がオーケストラで指揮を執る姿やピアノ演奏を生で聴いた記者も多く「作曲とピアニスト、そして指揮者。どの仕事が好きですか?」というユニークな質問もあった。久石の口から飛び出したのは「消去法で言うとピアノを弾くのが一番嫌いです。指揮者もエネルギーを使うからやりたくない。でも最もやりたくないのは作曲。一生懸命書いても浮かばないときもあるから」という意外な答え。だが続けて「でも、朝何もなかったところから、夜に一曲が生まれる。一番大変だけど、その感動が味わえる。だから自分の肩書きは、どんなときでも作曲家です」と答え、その重みのあるひと言ひと言に記者たちは聞き入っていた。

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 最後に今年から同映画祭で始まった若手映画ジャーナリスト育成プロジェクト「CAMPUS」に参加している記者から、これまでの活動を振り返った感想を求められたが、久石は「いつもそうなんだけど作った物に興味がない。作品を気に入ってくれたらうれしいと思うけど、(人々に)聞かれなくなったらそれはそれでいいと思っている。これからつくることの方が大事」とキッパリ。

 5月5日には東京・すみだトリフォニーホールで「新・クラシックへの扉【特別編】久石讓 現代音楽への扉」と題したコンサートを開催するが、最近はクラシックの活動や、海外で注目されているミニマル・ミュージックの作曲家を国内に紹介する活動に力を入れていきたいという。(取材・文:中山治美)

第17回ウディネ・ファーイースト映画祭は5月3日までイタリアで開催

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