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『バケモノの子』の細田守監督がサイン攻め!スペイン、サンセバスチャン国際映画祭

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丁寧にサインに応じる細田守監督
丁寧にサインに応じる細田守監督

 スペインで開催中の第63回サンセバスチャン国際映画祭にコンペティション部門でアニメーション映画として初めて選出された『バケモノの子』の細田守監督が現地時間22日、公式記者会見を行った。細田監督は冒頭「伝統のある映画祭ですが、このような革新的なセレクションをして頂き光栄です。ジャンルをあまり気にせず、純粋に映画を楽しんで頂けたらうれしいです」と選ばれた喜びを語った。

映画『バケモノの子』作品写真

 同作品は、現実世界とバケモノが棲(す)む異世界を行き来する少年・九太の成長物語。スペインにおいて細田作品は、『時をかける少女』(2006)が同じスペインで開催されたシッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門で最優秀長編作品賞を受賞。続く『サマーウォーズ』(2009)や『おおかみこどもの雨と雪』(2012)もDVD発売されているとあって人気は抜群。会見でもマニアックな質問が次々と飛び出し、細田監督をうならせた。

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 まずこれまで家族をテーマに、自分の居場所探しをしている主人公を描いている点を指摘され、「いずれもアイデンティティーの問題に直面して揺れ動いている人物です。でもそれは、若い人に起こる普遍的な問題。それを解決に導いてくれるのは家族であり、疑似であっても熊徹のような師匠なのではないかと思います。ちょうど我が家に男の子ができまして、なるべく多くの人、師匠となるべき人と出会って成長すればという願いを込めて作りました」と説明した。

 その熊徹のモデルについての問いもあり、「三船敏郎を彷彿とさせました」という声には、細田監督が思わずほくそ笑む一幕もあった。「熊徹が醸し出すイマジネーションは、三船さんを参考にしています。例えば刀。あの長い刀は『七人の侍』で三船さん演じる菊千代が背負っていた大太刀をイメージしました。ただ『七人の侍』はモノクロでわかりませんでしたが、鞘(さや)は朱色ではないかと思って描きました」と語った。

 さらに「当初の予定にはなかった設定は?」の問いには、九太が出会う勉学の師匠・女子高校生の楓は、久太とは対照的なひ弱な少年の設定だった明かした。細田監督は「プロデューサーから『よく考えたら女性が出てこない』と指摘されまして(苦笑)。ただし楓という名前は変わっていないんです」と話した。

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 すっかりファンの集い化した会見は、終了後に細田監督にサインを求める記者の列が出来た。細田監督は、「『時をかける少女』が大好きなんです」など熱い気持ちをぶつける彼らの思いを受け止めつつ、「僕の作品を最初に海外で評価してくれたのはスペインなんです。うれしいですね」とサインのみならず丁寧にイラストも添えながら、現地記者との交流を楽しんでいた。
同作品は、スペイン公開も決まっており、来年を予定しているという。

コンペティション部門の発表は、映画祭最終日の現地時間26日に行われる。(取材・文:中山治美)

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