鬼才・押井守、新作『ガルム・ウォーズ』や気になる映画監督について語る!
最新作『GARMWARS ガルム・ウォーズ』の公開を控える押井守監督が、俳優の斎藤工と女優の板谷由夏がコメンテーターを務めるWOWOWのトーク番組「映画工房」に出演。収録後に合同インタビューに応じた押井監督は新作でのこだわりについて語ったほか、気になっているという映画監督についても明かした。
押井監督は、テレビ出演については「あんまり面割れしたくない」と積極的ではないそうだが、「うちのスタッフが斎藤君が大好きで、会いたいっていうから」と今回の出演理由を照れくさそうに説明した。
15年の構想を経て、オール北米ロケを敢行し、完成から1年半が過ぎてようやく日本公開を迎える新作『GARMWARS ガルム・ウォーズ』について聞かれた押井監督は、「正直、力が抜けちゃった。こんなに長いこと関わった作品はない。撮影していたのが相当昔のことに感じる」と述懐。「公開が終わらないと次の仕事にも入りにくいので、これでようやく一区切りつく」とホッとした表情を見せた。
近年はアニメーションよりも実写映画の製作に携わることが多いことについては、「アニメの監督を辞める気はないけどアニメを撮る機会が激減している」と話す。「実写に携わる機会が増えて、今は頭が実写に近くなっている。映画脳になってきた」とも明かし、本作では特に衣装に力を入れたと紹介した。その理由を「映画を観るのはリッチな体験がしたいから。日常では体験できないリッチな世界、それを作り出すために今回は衣装を頑張った」と説明し、「ファンタジーなので基本はビジュアルで見せないといけない。メカニックとかそういうの以前に登場人物をいかに魅力的に見せるかを考えた」と熱弁した。
また、近年の日本映画については「ほとんど観ない」といい、「昔は暇さえあれば観ていたけど今は観たい映画があんまりなくてね。アニメーションもあんまり観ていない。映画を観ているより本を読むべきだと思う」と映画監督らしからぬ大胆発言。一方、「ライバルというわけではないが、気になる人(映画監督)は何人かいる」と話し、「ずっと作品を観てきたし、次は何をやるんだろうという面白さがあるから」と北野武監督と三池崇史監督の名前を挙げていた。
押井監督がメガホンを取った同作は、部族間の抗争が続いている星を舞台に、それぞれの部族の男女3人が奇妙な絆を育みながら繰り広げる旅と戦いを描き出した壮大なSF作品。スタジオジブリの鈴木敏夫がプロデューサーとして参加している。(取材・文:名鹿祥史)
「斎藤工×板谷由夏 映画工房」は5月16日午後8時45分より、WOWOWシネマほか無料放送
映画『GARMWARS ガルム・ウォーズ』は5月20日公開