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スピルバーグら絶賛!外国人目線で見るミフネの魅力とは?

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これが「世界のミフネ」だ!
これが「世界のミフネ」だ! - (C) 2016 "MIFUNE_ THE LAST SAMURAI" Film Partners

 スティーヴン・スピルバーグ監督、そしてマーティン・スコセッシ監督ら、名だたるハリウッドの監督が「彼ほど素晴らしい役者はいない」と絶賛する日本の俳優がいる。ベネチア国際映画祭で2度の男優賞に輝いた、その俳優はかつて世界中の映画人たちから尊敬され、畏怖され、そして愛されてきた。彼の名は、三船敏郎。第3回京都国際映画祭のオープニングを飾ったドキュメンタリー映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』で、「世界のミフネ」の偉大さを改めて思い知らされた。(取材・文:森田真帆)

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 胸が高鳴るようなドラムのビートと三船の射るような目から始まる本作は、盟友である黒澤明監督との絆を中心に、三船と親交のあった俳優やスタッフ、そして海外の映画人などへのインタビュー映像、映画『羅生門』『赤ひげ』『蜘蛛巣城』など三船作品の名場面集を交えながら、俳優「三船敏郎」の生涯に迫ったドキュメンタリー作品。ナレーションは、キアヌ・リーヴスが務めている。監督は『ヒロシマナガサキ』などの作品で、外国人として、そして日本人としての二つの目線から「日本」を撮ってきた日系人のスティーヴン・オカザキ、そして脚本をスチュワート・ガル・ブレイスが手がけ、外国人の目線でみた「ミフネ」の魅力が描かれる。

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 初めて『七人の侍』を観て、三船演じる「サムライ」の姿に衝撃を受けたというブレイスは、三船の魅力を「ブルース・リーのような身体能力の高さ、ロバート・ミッチャムのような冷静さ、スティーヴ・マックィーンのようなクールさ、そしてアラン・ドロンのような危うさ、すべての要素を持っている俳優だ」と話す。

 本作のコンサルティングプロデューサーとして名を連ねる三船の孫・三船力也は子供の頃、祖父の偉大さを理解していなかったという。「祖父の作品の中では『醉いどれ天使』が一番好きなんです。酒場で踊るシーンを観たときは、とても感動した。三船敏郎のかっこよさを知らない、僕らの世代の若い人たちにも再びその魅力を知ってもらいたいですね」と作品への思いを語る。たしかに、いまの若者に「三船敏郎」と言ってもピンとこない人がほとんどだろう。だが、劇中に登場する名シーンの数々は三船敏郎という俳優を知らない人間でもゾクッとするほどの色気に満ちていて、改めて『七人の侍』をはじめとする三船の代表作を観てみたいという気持ちにさせることだろう。

 さらに、『蜘蛛巣城』の有名なラストシーンは息をのむ。三船演じる主人公に弓矢が嵐のように降り注ぎ、その中を「ひいい!」と悲鳴をあげながら逃げ惑う。CGもなかった時代、このシーンは集められた大学弓道部の学生たちが、超至近距離から一斉に三船めがけて弓矢を放って撮影された。その姿を観ていたスタッフたちの証言はすさまじいの一言で、「三船さんは我慢の人」という言葉が重く響く。

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 「三船敏郎さんの偉大さをぜひ知ってもらいたい」というブレイスは、実は多くのアメリカ人は、三船が主演をしたアメリカのドラマ「将軍 SHOGUN」で日本の文化を知り、興味を持ち、多くのアメリカ人を日本に旅行したいという気持ちにさせたという。「わたしも15歳の時にいつもこのドラマを夢中になって観たんです。三船さんは日本の素晴らしさをアメリカに伝えた方です。だからもっと日本の皆さんに彼の偉大な作品を今一度観てほしい」と話した。

 ベネチア国際映画祭で高い評価を受けたドキュメンタリー映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』は、今後世界の映画祭をまわり、日本公開に向けて動き出すという。「この映画には予告編のようにたくさんの名シーンを集めました。人間性を深く描いた作品が多い黒澤明監督の作品をはじめ、数々の才能がきらめいていた日本映画の魅力を改めて、日本の皆さんに知っていただければと思います」とコンサルティングプロデューサーの三船は語った。

 今なおスクリーンの中で輝きを放ち続ける「世界のミフネ」。『七人の侍』をリメイクしたアントワーン・フークア監督の最新作『マグニフィセント・セブン』の公開を前に、今一度半世紀前に作られた黒澤作品を見直してもらいたい。

映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』は2017年より全国公開予定

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