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不当指示・金銭問題にボイコット…トップ進退で揺れまくる釜山国際映画祭

カン・スヨン執行委員長とキム・ドンホ理事長
カン・スヨン執行委員長とキム・ドンホ理事長

 第22回釜山国際映画祭オフィシャル記者会見が現地時間11日、ソウル市内のホテルで開催され、カン・スヨン執行委員長とキム・ドンホ理事長が登壇して映画祭の概要を発表したが、質疑応答では、会場をぎっしり埋めた韓国内外のマスコミからは二人の進退について質問が殺到した。二人は10月21日の映画祭クロージングをもって役職から退くと8月8日に表明している。

【画像】カン・スヨンは女優としても活躍 出演作

 釜山国際映画祭は、全スタッフの連名で8月7日に声明を発表し、イ・ヨングァン前執行委員長に退陣を迫ったソ・ビョンス市長の公式謝罪とイ前執行委員長の現職復帰を含む名誉回復を要求している。また現・映画祭上層部も、中途半端な対応と意思が疎通できていないことが問題視されている始末。現状では、これまで映画選定に関わってきたベテランプログラマー4人が辞表を提出。今年の5月に亡くなったキム・ジソク副執行委員長兼首席プログラマーの後任となったホン・ヒョスク氏も、「不当指示」と「金銭問題」を理由に辞表を提出するなど、カン・スヨン体制も一枚岩とはいかなかった。

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 この日カン執行委員長は「執行委員長に就任以来、人と会うたび『映画団体のボイコット問題は解決できるのか』、『今年は映画祭を開催できるのか』と常に訊かれ、不安な毎日を過ごしています。わたしの任期は来年2月までですがやるべきことはやったと考えて早期辞任を決意したのですが、今年の釜山国際映画祭を全責任を負って無事に終えるのが道理。映画祭だけは何としても続けなければいけません」と任期半ばに辞める理由を説明。

 またキム理事長は「カン・スヨン執行委員長は無理に頼んで執行委員長になってもらい、去年の2月からは単独で難局下にある映画祭を牽引し、これまでよくやってきました。それなのにスタッフから『カン・スヨン執行委員長と意思疎通ができていない』と不満が出てきたのが今でも理解できません」とカン執行委員長をフォロー。そして「金銭問題にしても2012年の出来事であり、わたしもカン・スヨン執行委員長も映画祭に関わっていない時期です」と釈明しつつも、「それでも現執行委員長と理事長が責任を取らねばならない」と共に辞任することにした経緯を明かしていた。

 現状の韓国の映画団体のボイコット問題の状況だが、キム理事長とカン執行委員長の辞任を受けて韓国映画プロデューサー組合はボイコットを撤回し、女性映画人の集いは態度を保留しているが、他の団体はボイコットを継続している。

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 第22回釜山国際映画祭が終了すれば、理事長と執行委員長のポストが空席になる。このことについてキム理事長は、「後任については理事会で適切な人材を決めてくれるはず。それまでは理事会の年長者が臨時で代表を務めることになっており、映画祭の運営が滞ることはない」として映画祭の灯が消えることはないと主張した。

 今年の釜山国際映画祭の日本映画の上映作品は、『ナラタージュ』(行定勲監督)や『三度目の殺人』(是枝裕和監督)など。また今年2月に亡くなった鈴木清順氏の特集上映も予定されており、『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』など7本が公開され、鈴木氏には映画祭からアジア映画人賞も贈られる予定。第22回釜山国際映画祭は10月21日まで釜山市内で開催される。(取材・文:土田真樹)

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