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『ミッション:インポッシブル』新作、ほぼ脚本なしで撮影していた!製作プロセスまで破天荒

こんなことができるのも互いを知り尽くしたトム・クルーズ&クリストファー・マッカリー監督だからこそ
こんなことができるのも互いを知り尽くしたトム・クルーズ&クリストファー・マッカリー監督だからこそ

 映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のクリストファー・マッカリー監督が来日時にインタビューに応じ、最後まで脚本が完成することはなかったという本作の破天荒な製作プロセスについて明かした。

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 本作は、トム・クルーズ演じる敏腕スパイ、イーサン・ハントの活躍を描いた人気アクションシリーズ第6弾。マッカリーは脚本のリライトを担当した第4弾『ゴースト・プロトコル』でシリーズに初参加し、第5弾『ローグ・ネイション』で監督に抜てき。第6弾でも脚本を執筆してメガホンを取り、毎作監督を変えることをルールとしてきた本シリーズで初めて、監督続投を果たした。

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 撮影中盤でも脚本は未完成だったと報じられていたが、この件についてマッカリー監督は「そうだ。しかも、今でも完成してないよ」と大笑い。前作『ローグ・ネイション』ではスタントありきで、そうしたスタントが無理なく行われる理由を考える形でストーリーを紡いでいったが、今回は「キャラクターと感情」を第一に考えたため、エンディングについては考えがあったが、それ以外は何も決まっていなかったという。

 脚本ナシで取り組むのはトムとマッカリー監督のスタイルなのかとの問いに、「意図的にではないけどね(笑)。初めの頃は脚本がちゃんとある方が好きだった。『ワルキューレ』(2008)も『アウトロー』(2012)も脚本があった。でもこれらの作品でも、脚本と毎日向き合った。脚本通りにすることを当然のこととは考えなかった」とトムとのタッグ作を振り返ったマッカリー監督。

 「トムは真夜中に突然目を覚まして、『アイデアがある!』と言ってくるような男だ(笑)。彼の映画製作に対するアプローチはとても直感的で感情的。一方、わたしのアプローチは論理的だ。わたしはそのシーンの要点は何かを探して、それを実現するために最適な方法を取る。トムは常にシーンの感情面について考えている。だからわたしは撮影現場に行ったら、彼に『このシーンの最後に観客に何を感じてほしい?』と聞く。彼にはそれについての明確な答えがあり、わたしはただ、彼にそのフィーリングにたどり着くためのロードマップを与えるだけだ。これがわたしたちの関係なんだ」

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 前述の通り本作ではイーサンの内面を描くことを一番に考えたため、アクションは二次的なものだった。「だからわたしたちは、本作のどのアクションも特別すごいスタントだとは考えなかったんだよ。『シリーズで一番すごいスタントをしなくでは』という考えはなく、今までで一番の第3幕にすることだけが目的だった。このシリーズはクライマックスではなく、中盤に大きなアクションがある傾向にあったからそれを変えたくて。だからヘリコプターチェイスが最後に来ることはわかっていたんだが、映画をつなぎ合わせみて気付いたのは『何てこった! アクションが全シーンにあるじゃないか!』ということ(笑)。しかも全部でかい!(笑) アクションのことを気にしないで進めていたら、逆に今までにないほどアクションがいっぱいになってしまったんだ」

 「それでたくさんのアクションをカットすることになった。今までこんなことはなかったんだが」と打ち明けたマッカリー監督。公開版でもトムの超絶アクションが満載なだけに、テスト版には一体どれだけ大量のアクションがあったのかと驚かされる。

 イーサンの内面を描くということで、本作には妻ジュリア(ミシェル・モナハン)も再登場するが、そこにも今までにない挑戦があった。「ジュリアを描くことはトムの希望だったんだが、やるなら、彼女をまた紹介しないといけない。観客が他の『ミッション』シリーズを観ている前提で作るなんてできないからね。わたしが前2作に携わって理解したのは、映画の全ての瞬間が、自分の場所を求めて争っているということ。『ミッション:インポッシブル』は“何を取り除けるか”という映画だ。まあどの映画でもそうだ。取れるものは、取り除かないといけない。ストーリーそのものに関わっていないシーンは、完成版に残ることなんてできない。つまりジュリアはもう一度紹介されるだけでなく、映画のストーリーに深く組み込まれていなくてはいけなかった」

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 「それにわたしは個人的に、もっと感情面でイーサンにフォーカスした作品にしたかった。『ローグ・ネイション』でトムは感情的にイーサンとつながるのに苦心していた。だからわたしはセットを出てすぐに『もっとエモーショナルな物語を作る。だから君はもっとイーサンとつながれるはずだ。それに観客ももっとイーサンとつながれるだろう』と言った」。それが今までのシリーズとは一味違う、今回のオープニングにつながったという。「観客をイーサンの頭の中に入れ、映画に出てくる他のキャラクターは知らないことを知らせることにしたんだ。観客はイーサンのことを、彼を取り巻く誰よりももっとよく知るんだ。それは今までのシリーズではなかったことだよ」と難題の数々を解決して大役を見事に果たしたマッカリー監督は、充実の表情を浮かべていた。(編集部・市川遥)

映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は公開中

トム・クルーズ骨折の裏側!映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』クリストファー・マッカリー監督単独インタビュー » 動画の詳細
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