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宮沢氷魚、前首相秘書官の差別発言に意見求められ思い吐露

宮沢氷魚
宮沢氷魚

 俳優の宮沢氷魚が6日、東京・丸の内で行われた映画『エゴイスト』(2月10日公開)外国特派員協会記者会見に松永大司監督とともに来場し、荒井勝喜前首相秘書官が発したLGBTQ+や同性婚をめぐる発言への意見を求められ、「失言に対してたくさんの人が声をあげたということに、日本の未来に希望が見えた」と語る一幕があった。

【画像】宮沢氷魚、流ちょうな英語!

 エッセイスト、高山真の自伝的小説に基づく本作。自身のセクシャリティーに悩み過酷な少年時代を送ったファッション誌の編集者・浩輔(鈴木亮平)が、シングルマザーである母(阿川佐和子)を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、惹かれ合っていく。

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 アメリカ・サンフランシスコ生まれである宮沢は、幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通い、高校卒業後2年間、カリフォルニア大学に留学している。会見に登壇した宮沢は「素晴らしい監督である松永さんと一緒にここに来られたことを光栄に思っています。ここに来るのが前々からの夢だったのでうれしいのですが、英語を使うのは久しぶりなので、聞きづらい点がありましたらご容赦ください」と語るも、流ちょうな英語を駆使して終始、外国人記者たちとコミュニケーションをとっていた。

 本作のオファーを受けた理由について「動機となったのは個人的な体験がありまして。僕の15年来の友人がゲイなんです」と切り出した宮沢は、「彼と知り合ってからというものの、彼は心地よく過ごせる居場所をずっと探しているんだなと感じましたので、この映画をつくることで、その友人のために何か少しでもできないかと。そしてLGBTQコミュニティーのためにも、何かできるのではないかと思いました」とその思いを切々と語った。

 本作には性的なシーンにおける所作を監修するインティマシーコレオグラファーのSeigoと、性的マイノリティーに関するセリフや所作、キャスティングなどを監修するLGBTQ+インクルーシヴディレクターのミヤタ廉が監修を行っている。

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 実際にその監修を受けた感想を問われた宮沢は「自分の経験で言うと、過去に受けたことはありませんでした。でも経験させてもらってからは、こういう風なサポートがない現場は想像できない」と感じたといい、「日本の映画産業にとっても大きな一歩。どんな演技をするにしても、同意は欠かせないものだと思う。もちろん我々も知らないこともあるし、どういう表現をしたらいいかわからないこともある。だからサポートしてくれる存在がいるのは大きな安心になりますし、その分自由に、臆せず芝居ができる」と得ることも多かったよう。さらに「それまでこういうシーンは怖くて。現場で何を期待されているのかわからないままやる怖さがありましたが、サポート役がいたことでそういう可能性を潰さずに済んだのはいいことだと思いました」と付け加えた。

 先ごろ、荒井勝喜前首相秘書官のLGBTQ+や同性婚をめぐる差別的な発言が報じられたばかりだが、記者から「このたび解任された首相秘書官のLGBTQに関する不適切発言についてどう思われますか? それに関連して、彼の発言に代表される日本社会のLGBTQに対する不寛容について、それから同性婚をめぐる法制化の遅れ、それも含めて意見をお願いします」との質問が飛んだ。

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 その質問に宮沢は「僕は今まで政治的発言は、あまり今まで述べてこなかったですが」と前置きしつつも、「この一件で感じたのは、政治的問題というのはあると思うけど、人として、その失言に対してたくさんの人が声をあげて、自分たちの意見や行動を示すということがたくさん見られた。それは日本の今までの歴史を考えても、とても大きなステップだと思う」とコメント。そして「もちろん他国に比べると、遅れているところはあると思いますが、世間の皆さんがたくさん声をあげたということに、日本の未来に希望が見えたなと思いました。もちろん悲しいことだと思いますが、それによって前向きな意見が発信されたということに、もっと注目が集まってもいいんじゃないかと思います」と呼びかけた。

松永大司監督と

 この日は日本語でコミュニケーションをとる記者以外にはすべて英語でやりとりを行った宮沢。司会者から「それだけ英語が堪能なら、ハリウッドに行けばいいのに。以前、鈴木亮平さんに来てもらった時も流ちょうな英語をお話しされていましたが、まだ日本で学ぶべき事がたくさんあると言われました。ですから同じ質問を宮沢さんにも投げかけたいと思います」と問われると、「海外で活躍するのは大きな夢です」と宮沢。「その夢を叶えるために試行錯誤しております。今年の1月にロンドンに行く機会がありまして。いろんな芝居を観たんですが、海外の役者のパフォーマンスに圧倒されました。近い将来、願わくば海外で撮影された作品をひっさげて帰ってこられたら。そのために最善を尽くしたいと思います」と意気込んだ。(取材・文:壬生智裕)

宮沢氷魚、流ちょうな英語で会見!ハリウッド進出の可能性を語る『エゴイスト』外国特派員協会記者会見 » 動画の詳細
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