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「大奥」瀧山役・古川雄大、花魁から大奥総取締まで 幕末編主演で初の本格時代劇

第16話より古川雄大演じる瀧山
第16話より古川雄大演じる瀧山 - (C)NHK

 NHKドラマ「大奥」シーズン2(NHK総合・毎週火曜午後10時~10時45分ほか)の後半パート「幕末編」で、陰間(男娼)から大奥入りする瀧山役として主演を務める古川雄大(36)。2007年に俳優としてデビューしてから16年、本作で初めて本格的な時代劇に挑んだ心境や、役柄の魅力について語った(7日放送・第16話は総合テレビでは午後10:25~11:10の放送、BS4Kは午後10時~放送)。

【画像】花魁姿も美しい瀧山…第16話

 3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いたよしながふみの漫画に基づく本シリーズ。今年1月期に放送されたシーズン1に続くシーズン2の後半パートとなる「幕末編」では、女将軍をはじめ幕府の人々が大政奉還という歴史の変革に翻弄されるさまが描かれる。脚本を、シーズン1に続き大河ドラマ「おんな城主 直虎」やTBSドラマ「義母と娘のブルース」シリーズなどの森下佳子が務める。

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 これまで数々の大作ミュージカルに出演し、2020年代からはドラマ出演も急増。今年は「Dr.チョコレート」「ハヤブサ消防団」など4本のドラマに出演し、11月9日より主演舞台「LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」が上演開始と多忙だ。「大奥」への出演が決まった時の心境について「とても驚きました」と率直な胸の内を明かす古川。本作で初めて本格的な時代劇に挑むとあって、出演のオファーを受けた時点ではプレッシャーも大きかった。

 「シーズン1が大好評と聞いていましたし、僕は時代劇をやったことがなくて。舞台では洋風の役が多くて、和物、髷は自分には似合わないのではないかと思い込んでいました。シーズン1を一ドラマファンとして拝見していたので、今作に出演できる喜びを心から感じています。それと同時に自分がこの役を全うできるのかという不安もありましたが、とても大きなチャンスをいただけたので精一杯頑張りたいと思いました」

 撮影が始まると時代劇の所作に苦戦する一方、セリフ覚えも今までになく時間を要したという。くしくも、「大奥」シーズン1に春日局役で出演していた斉藤由貴と共演する機会があり、「大奥」の現場に関する話も聞いて覚悟を決めたそうだが、予想を上回る試練に見舞われた。

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 「(「大奥」の)撮影に入る前に「Dr.チョコレート」という作品で斉藤由貴さんとご一緒させていただいたんです。その時には「大奥」に出ることが決まっていたので、お話をうかがいました。斉藤さんからいろいろとアドバイスをいただき、僕もできる限りの事前準備をして挑んだのですが難しくて最初の頃はNGも出してしまいました。特に、言葉遣いはとても難しかったですね。所作も意識しなければいけないし、そこに感情が追いつくようにしなければならないのでとても勉強になりました」

 古川が演じる瀧山は、元は芳町の陰間で、美しく整った容姿をしている。年季が明け学問に励んでいたところ阿部正弘(瀧内公美)に見いだされ、13代将軍・家定(愛希れいか)に仕えるため大奥入り。持ち前の器量と権勢を発揮し、やがて大奥総取締に上り詰めていく。

 古川いわく、瀧山は「基本的にはき真面目な人」。「忠義に厚く真面目すぎるゆえに、時にそれがおかしく見えたりする。起こっていることを直に受け止め、目の前にあることに翻弄されていくようなイメージではあるんですけど、プライドが高いところもあって負けん気も強い。それに、僕と正反対でコミュ力も超高い。基本的にはすごく目力のある人だなと。頭の良さというか、そういうものが目に現れるように感じたので、なるべくまっすぐな視線を意識するようにしていました。初めの方は真面目な部分を強く提示していたんですけど、演出の方から“もう少しラフで”と。時代劇のイメージを強く持ちすぎてしまったせいか、瀧山の良さを出し切れていなかったところを序盤に指摘していただき、修正していきました」と役へのアプローチを振り返る。

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 瀧山は陰間から大奥入りしたことで人生が一変する設定だが、扮装を含めその変化も見もの。「大奥入りする前後では芝居の仕方が全然違いました。瀧山からすれば、大奥に入っていきなり政治をやりなさいと言われるようなもの。かしこまった感じと言いますか、誰かに仕える居方を心がけました。花魁の時代は、例えば“女性の表現をしたいんです”と所作指導の先生にお願いすることもありました。ダンスをやっていたこともあって柔らかい表現は得意な方だったので、女性の歩き方や動きに関しては苦はなかったんですけど、それが時代に合った表現になっているかどうかは逐次確認させていただきました」

 また、瀧山を大奥に誘う阿部正弘を演じる瀧内公美、同じ事務所の福士蒼汰演じる家定の正室、天璋院・胤篤との掛け合いも気になるところ。

 「瀧内さんはお話が上手な方で。瀧内さんとコミュニケーションをとっていくなかで演技を引き出していただいた部分があったように思います。共演者の中では、福士君とはバディを組んで長年共にする設定であることもあり一番話をしました。福士君は現場でも常に明るく照らすような空気づくりをしてくれる人。最初こそ距離がありましたが、だんだん縮まって、瀧山と胤篤が最初は対立しながらもバディを組んで共に成長していく過程というのは、そういった裏での背景が生きたところもあるかもしれません」

 一つの出会いが180度人生を変えてしまう大奥の世界。古川は「人とのつながりがテーマの一つ」だと指摘し、「自分もそういう経験をしていますし、夢がありますよね。人って、人と接しないと生きていけないもの。瀧山はそういったことをリアルに感じている人なんだろうなと思います」と瀧山の人生に思いをはせていた。(編集部・石井百合子)

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