ADVERTISEMENT

第15回東京国際映画祭クロージングセレモニー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア

公式サイト:http://www.tiff-jp.net/


トム・クルーズとスティーブン・スピルバーグという2大スターが、華やかにレッド・カーペットを歩いた日から10日。渋谷の町をにぎわせてきた東京国際映画祭が、いよいよ幕を閉じる。世界から選りすぐられた、才気あふれる作品が次々と上映され、最終日を迎えたこの日、コンペティション部門の受賞式とクロージング作品『壬生義士伝』の上映が行われた。


オープニングの時と同様に、オーチャードホール玄関前に敷き詰められた赤絨毯。開場とともに、招待客が次々と入場していくなか、コンペティションの審査員たちが到着した。香港からは、『不夜城』でおなじみのリー・チーガイ監督、イギリスからは大御所ジャック・カーディフ、亡き黒澤明監督の娘であり、様々な映画衣装を手がけている黒澤和子、そして、『JSA』の爆発的ヒットで韓国のカリスマ監督となった、パク・チャヌクの4名が揃って入場した。ひときわギャラリーが騒がしくなったかと思えば、遅れて到着したのは審査員長のリュック・ベッソン。大きな体から独特のオーラを発しつつ、会場へ。


 続いて、『壬生義士伝』のゲストが到着した。滝田洋二郎監督、中井貴一、佐藤浩市、三宅裕司の4人は袴姿、原作の浅田次郎氏はタキシード、そして音楽の久石譲はスマートなスーツを着こなし、順番にカーペットを進む。中でもひときわ目を引くのは、紅一点の夏川結衣。淡い色の着物も上品に、柔らかな笑顔を向けてくれる。


受賞セレモニーは、アカペラグループ、タイム・ファイブの美しいハーモニーで始まる。経済産業大臣政務官の桜田義孝氏からの挨拶に続き、いよいよ各賞が発表された。


 優秀芸術貢献賞は、『恋人』。中国を舞台に、障害を持った男女が育む恋の物語。監督のジャン・チンミンと主演男優のリィウ・イエが、思わずガッツポーズを見せる。


 優秀男優賞は、ネイティブ・アメリカンの現実を描いたクリス・エア監督作『荒野の絆』から、グラハム・グリーンが受賞。代理として、共演者のエリック・シュウェイグが、プレセンターの中井貴一からにこやかに賞を受けた。


 優秀女優賞には、イタリアのパレルモで暗黒世界に暮らす女性の物語『アンジェラ』から、ドナテッラ・フィノッキアーノ。
 優秀脚本賞は、アパルトへイト以後の南アフリカで葛藤を抱える白人を描いた、『希望の大地』。監督であり脚本家のジェイソン・ゼノポリスに代わって、主演のニック・ボレインが賞を受けた。


 優秀監督賞は、1920年代のドイツを舞台にした犯罪ドラマ『バーグラーズ 最後の賭け』の、カルロ・ローラ監督が受賞。
 審査員特別賞は『ホテル・ハイビスカス』。沖縄に暮らす家族の姿をヒューマニティ豊かに描いた中江裕司監督に贈られた。

そしていよいよ、東京グランプリ、東京都知事賞の発表へ。
「グランプリは…『ブロークン・ウィング』!」
発表とともに、会場からは大きな歓声が上がり、監督と出演者たちが抱き合って喜ぶ姿が照らしだされた。監督はイスラエルの若手、ニル・ベルグマン。父親を亡くした家族が、様々な確執を乗り越え結ばれていく感動作。
ベルグマン監督「フラッシュの光で皆さんの顔が見えませんが、もし見えるのなら、すごく緊張してしまいそうです。まず、審査員の皆さんにお礼を申し上げます。この東京国際映画祭に招待してくださった方々、暖かくもてなしてくださってありがとうございます。そしてもちろん、私の素晴らしいキャストにも感謝します」
興奮を隠し切れない様子のベルグマン監督。東京都から贈られたキリン像と、昨年の2倍となった賞金一千万円を手に、壇上で仲間と抱き合い喜びを分かち合った。


最後に、ベッソン審査員長から今年のコンペティションへの総評が語られた。
ベッソン審査員長「今回、最終選考に残った12作品は、本当に素晴らしい作品ばかりでした。しかし、賞は7つしかありません。私たち審査員は本当に悩みました。今、この舞台に上がっていない作品にも大いに感謝し、お礼を言いたいと思います。冒頭のご挨拶で、桜田政務官が『風とともに去りぬ』に大きく影響を受けたと言いましたが、私も15年前に『影武者』という映画に大きく影響を受けたひとりです。今回の審査員にはその娘さんも参加してくれており、とても光栄に思いました。皆さんありがとうございました」


 大きな拍手と笑顔で幕を下ろした、第15回東京国際映画祭。緊張と興奮の授賞式の後には、クロージング作品『壬生義士伝』が上映され、その後、まさに映画祭を締めくくるお楽しみ上映「スニーク・プレビュー」では、ロンドン・プレミアに続き世界で2番目の上映となった話題作『ハリー・ポッターと秘密の部屋』が上映された。映画の楽しみを最後の一滴まで満喫させてくれた、今年の東京国際映画祭。華やかに幕を閉じた。

取材/文  竹内詠味子


『壬生義士伝』の俳優陣、佐藤浩市、中井貴一、夏川結衣
三宅祐司


審査員のリュック・ベッソン


グランプリ作品『ブロークン・ウィング』の監督とスタッフが抱き合って喜ぶ

 


今回のスニーク・プレビューはなんと『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(C)WARNER BROS.ALLRIGHTS RESERVED. HARRY POTTER PUBLISHING RIGHTS(C)J.K.ROWLING

 

 

 

ADVERTISEMENT
  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT