『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』で主な舞台となるローハン国の勇敢な騎士エオメルを演じたカール・アーバン。ニュージーランド出身でニュージーランド映画の『ミルクの値段』『デモンズ2001』では主役を演じているが、世界的にはまだ知名度が低い。そんな彼がいきなりの大抜擢で世界的なヒットが約束された作品に出演した。その重圧にもめげず見事大役果たしたアーバンに単独インタビューをした。
Q:インターネットをお使いになったりしますか?
アーバン(以下KU):いや、実は僕はパソコンを持ってないんだ。多分ぼくが人類で最後の一人だろうね(笑)。
Q:それは逆に新鮮ですね。
KU:ハハハ。新鮮か。そりゃ、いいや。
Q:世界的な大ヒット作に出演することになってニュージーランドの友人やご家族は驚かれたんじゃありませんか?
KU:家族も友人も僕がこの映画の撮影をしている時に支えになってくれたんだ。だから彼らの期待に応えられるようにがんばったよ。それで映画を見てみたら圧倒されてしまうほどの素晴らしい出来だったからね。去年のクリスマスは最高のモノになったんだ。父も喜んでくれたけど、母は特に大喜びしてくれたな。
Q:シリーズの最終作である次回の第三部では、あなたが演じているエオメルは重要な役柄になりますね。ローハン国の国王になられるし、旅の仲間たちを救うために大活躍する……。
KU:そうなんだよ。まあ、国王になるのはラストの方になるんだけどね(笑)。確かにヴィゴ(モーテンセン)が演じるアラゴルンたちを助けて、彼らが目的を達成するために奮闘するんだ。とてもイイ役を演じさせてもらってるよ。
Q:それだけの大役を演じたら世界中からあなたのもとに出演依頼が殺到するようになると思います。あなたが共演してみたい俳優や、組んでみたい監督はいますか?
KU:僕は世界的に有名なスターと共演したいなんて思ってないんだ。今まで僕が地道にやってきたように、今までと変わらずに役者として演技を磨いていきたいんだ。そんな中でイイ作品に出会えたらいいなとは思ってるよ。
Q:共演者は一流の俳優さんばかりです。撮影中に仲良くなった俳優さんはいますか?
KU:ヴィゴだね。撮影中も仲良くしてもらったけど、撮影後もその関係は続いてるんだ。役者としてばかりでなく、一人の人間として尊敬してるよ。彼は信じられないほどに多才で、色々な趣味を持っていて、凄い才能の持ち主なんだ。それにとっても思いやりがあるんだ。彼みたいな素晴らしい人と知り合いになれたのは最高の喜びだよ。
Q:あなたも趣味が多彩ですね。釣り、乗馬、サーフィンにゴルフ、ロッククライミング……。スポーツ万能の印象ですが、ガーデニングがお好きってお聞きしました。意外ですね。
KU:そうなんだ。ガーデニングが好きなんだよ。ここの所忙しかったので、庭いじりをする時間がなかったんだけどね。土を耕して果物や野菜を育てるのが好きなんだ。特に最近は農薬とかがイヤなんだよね。だから有機栽培で無農薬の野菜や果物を作ってるんだ。それでトマトがなったりすると凄く嬉しいんだ。野菜や果物って愛情をかけるとちゃんと応えてくれるじゃない?
それが嬉しいんだ。
Q:じゃあ、庭を花で飾ったりっていうより、家庭菜園みたいなものなんですかね?
KU:そうなんだ。花も好きなんだけど、土を耕したりっていう肉体労働が好きだな。裏庭で毎日のように雑草をむしったりしてるよ。木や草を切ったり、刈ったり。でも観葉植物の植え変えなんかもこまめにやってるんだ(笑)。
Q:『ゴーストシップ』などでアメリカ映画にも出演なさっていますが、ニュージーランド出身のあなたには、アメリカ映画はどう映っていますか?
KU:最初に断っておくけどアメリカ映画の全てがそうだと言ってるワケじゃないよ。でも、往々にしてアメリカ映画には観客を見下げているようなモノが多い。それとこれもあくまでも一般論だけど、観客の知性や理性を信じていない作品もあるね。映画っていうのは、絵だけでその素晴らしさをじっくり観せてもイイと思う。なのにそこに説明するセリフをいっぱいのせて覆い尽くしてしまうんだ。そうすると観客が考える余地がない。時に言葉がない時の方がより雄弁に何かを語ることがあると思うんだ。
Q:時間が来てしまいました。ありがとうございました。
KU:アリガトウ(日本語で)。
ハンサムなのに気取る所がない。終始気さくでフレンドリーだったアーバン。全く飾る所のない自然体の無邪気さが未来のスターを予感させた。
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』は2月22日より全国松竹・東急系にて公開。
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