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『ブラザーフッド』チャン・ドンゴン、ウォン・ビン単独インタビュー

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-2人揃っての豪華インタビュー-

文/インタビュー:平野敦子

韓国で観客動員数1300万人というNo.1新記録を達成した『ブラザーフッド』をひっさげて、主役のウォンビンとチャン・ドンゴンの2人が映画のプロモーションで来日。夢のようなスーパースターのツーショットを前に、自然と取材現場も熱気を帯びて来る。そんな中、ウォンビンはインタビューの内容を必死の形相で書き取るインタビュアーの姿をじっと見つめ「大丈夫ですか? ちゃんと聞き取れているの?」と心配までしてくれたのだ! 無愛想とも噂される彼は実は優しくてシャイな好青年だった。

 韓国の美形スター、ウォンビンと『友へ/チング』の大スター、チャン・ドンゴンはまるで事前に打ち合わせでもしたように、色違いの同じようなVネックのサマーセーターとスーツ、そして胸元にはネックレスといういでたちで颯爽(さっそう)と現れた。そのことを指摘するとチャン氏は「特に2人で衣装の打ち合わせはしていないよ。以前にも韓国のワールドプレミアで、偶然僕達のヘアスタイルが同じということがあったんだ(笑)。それだけ撮影中にお互いに親しくなって、通じ合う所が多いからじゃないのかな」と先輩らしく余裕の笑みをみせた。

 ウォンビンの来日は今回が初めてということもあって、韓国国内でもなかなか見られない2人一緒の姿をひと目見ようと、成田空港には2000人ものファンが詰めかけたという。

「ファンは家族のようなもの(これはヨン様の発言と同じ)。わざわざたくさんのファンが成田まで来てくれて本当に嬉しかった。僕は撮影が大変な時にはファンのことを思い出して、勇気づけられているんだよ」とチャン氏。

「このように日本のファンの方々に熱烈な歓迎を受けるなんて、ありがたいの一言に尽きると思う」とウォンビン氏。

 彼ら2人の男っぷりの良さだけでも話題には違いないが、『シュリ』のカン・ジェギュ監督が、1950年代の朝鮮戦争を舞台に撮った大作『ブラザーフッド』は、それだけの映画ではない。時代に翻弄され、次第にばらばらになって行く家族の姿を通して監督は、現在失われつつある”兄弟愛”や”家族愛”の大切さ、そして戦争の悲惨さを強く訴える。

 今やその人気と実力で、韓国映画のライバルはハリウッドだと言われることをどう思うかと聞くと、ウォンビン氏は「確かに韓国映画はここ数年で目ざましい発展を遂げていると思う。ハリウッドと競争できるということはとても素晴らしいことだよ。俳優として世界マーケットへ出て行けるチャンスでもあるしね」と語ってくれた。

「現在の韓国映画はハリウッドに負けていないと思うよ。そのような時代に韓国で俳優という仕事ができることを誇りに思うし、同時に責任も感じているんだ。この現象が一時的なものではなく、ずっと続いてくれればと願うよ」とはチャン氏の弁だ。

 プライベートでも実際の兄弟のようだという2人の関係は、スクリーンにも反映されている。観る者はとても仲の良かったチャン氏演じる無骨な兄と、ウォンビン氏演じる秀才の弟が突然戦地に送られ、次第に対立して行く姿にやりきれなさを感じるに違いない。まさにその感情こそが、韓国で4人に1人がこの映画を観たという実績につながったのだ。

「ヒョン(兄貴)は僕にとって本当に頼れる先輩であり、兄貴分なんだ。僕やスタッフの面倒をよくみてくれて、気配りもしてくれる。それに彼はただ立っているだけでも圧倒的な存在感のある、正真正銘の役者なんだ」と後輩のウォンビン氏が熱弁をふるえば、先輩のチャン氏は「僕はウォンビンというのは、しっかりと自分という個性を持った素晴らしい俳優だと思う。彼はこの若さで”これから成長する役者”ではなく、もうすでに優秀な俳優としての地位を確立しているんだよ」とほめちぎる。

 韓国の人々の言葉には裏表というものがない。常に直球の真剣勝負なのだ。彼らはいつも本音で喋り(ヨン様も然り)、大げさ過ぎるほどの感情表現をしてくれる。この2人を見ていても、その立ち居振るまいはすがすがしく、こちらがつたない韓国語でお礼を言うと、チャン氏は完璧な日本語で元気に「お疲れさまでした!」と挨拶してくれた。映画に賭ける情熱、そして率直で愛情にあふれた言葉の数々に、彼らの懐の深さを感じた。

『ブラザーフッド』は6月26日より日比谷スカラ座1他全国にて公開

 

 



↑すべてを包み込むような笑顔が素敵なチャン・ドンゴン。


↑髪の毛が短いのは帰国後ひかえている兵役にそなえてだそうです。



↑インタビュ中にはよく笑顔をみせてくれました。

   
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