『ヘルボーイ』ロン・パールマン独占インタビュー
取材・文:FLiXムービーサイト
西海岸オレゴンに居を構えるダーク・ホース・コミックスから誕生した「ヘルボーイ」。映画化の企画が持ち上がり、漫画の大ファンだというギレルモ・デル・トロ監督が直接プロデューサーに売り込んだ時から7年。製作側が首を縦に振るまで粘り、監督と二人三脚でようやく主役の座を手にしたのはデル・トロ作品馴染みのロン・パールマン。54歳の彼が演じる主人公は、大きな身体と悪魔の外見を持つがまるで十代の少年。この一風変わった“ヒーロー”を演じるロン・パールマンに話しを聞くことが出来た。
Q:最初にこの話しが来た時は、率直にどう思われましたか?
7年間もかかって実現したから、本当にうれしかったよ。製作側がなかなか納得しない中で、監督が辛抱強く私を押してくれてやっと実現したからね。この役を希望する俳優はとても多いのに、私に決まったのはとても光栄な事だし、大きな贈り物が来たかのようで……私の人生を豊かにしてくれたよ。
Q:アンチヒーローではなく、外見が悪魔なだけで後は普通の人と同じ。というのが他のヒーローものと違い、とてもユニークだと思うのですが、どの部分が一番、他のアメコミのヒーローたちと違うと思われますか?
彼の感情だろうね。他のヒーローたちは皆若く、格好よくて誠実。熱心、真面目……と、良くも悪くも、一面的だ。その点、ヘルボーイはジョークを連発するし怠け者で、真面目とはかけ離れている。自身を楽しませるとでも言おうか。
Q:見た目ばかり強調されるけど性格は正反対で……。
外見はあのように人間ではないから“普通になりたい”と思っているし、その点では孤独な存在。でも、内面はどこをとっても普通の人と変わらない。だから見た目はそんなに大きなことではないんだ。
Q:とても子供っぽいですしね。
親がいない週末に冷蔵庫をあさってビール全部飲んでしまうような……そう、十代の少年のようだね。自分を抑えることも出来ず、やりたいことをやってしまう。かと思えば、好きな女の子の前では思うように振舞えない。
Q:見た目は大きいのに、言動は本当に子供そのもの。9歳の男の子とクッキー食べるシーンは彼をよく表していて、とても好きなシーンなのですが、彼の子供っぽさが出る部分で気に入っている場面はありますか?
屋上で好きな女の子と他の男を眺めているシーンは私も好きなシーンだよ。大きなヘルボーイが9歳の子に諭されているしね。後は、手紙のシーンも気に入っている場面かな。片想いのリズに気持ちを伝えようとするけど、いざ目の前にすると何も言えなくなってしまう。普段は好き放題だけど、好きな子の前ではまた違う面を見せる。まさに少年だ。
Q:ヘルボーイを演じる上で、原作の大ファンの監督から言われたことや、監督がこだわった事はありますか?
原作のコミックではそういう彼のパーソナリティは語られないから、そのあたりはデル・トロ監督が力を入れた部分の一つかな。
Q:あの子供っぽさが一番の魅力ですよね。
まったくその通りだ。マイヤーズをからかったり、嫉妬して2人を追いかけたりね。かといって2人の前に出られずにこっそり着いていくだけ。本当、可愛いやつだよ(笑)。
『ヘルボーイ』は日比谷映画ほかにて公開。