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『天使』深田恭子 単独インタビュー

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『天使』深田恭子 単独インタビュー

取材・文 鴇田崇 写真 FLIXムービーサイト

人気漫画家の桜沢エリカの原作を映画化した映画『天使』。主演の深田恭子は『下妻物語』で見せたロリータファッション命のマイペース少女役から一転、言葉を一言も発しない天使役に挑み、表情としぐさだけで喜怒哀楽を表現する難役をキュートな魅力たっぷりに好演している。そんな不思議な役を演じた深田恭子に、天使役の感想や観どころなどを語ってもらった。

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テーマは“きまぐれ猫ちゃん”

深田恭子

Q:企画段階から天使役に興味をお持ちだったそうですが、実際に天使を演じてみた感想はいかがでしたか?

天使の役って、そうそうあるものではないと思いますし、天使って皆さんが好きな存在じゃないですか。天使が嫌いっていう人は、なかなかいないですよね。そういう役を自分で演じられてとってもうれしく思っています。

Q:その天使はセリフがまったくない役です。セリフがある役と比べて、どこが簡単でどこが難しいですか?

天使の役でセリフがたくさんあったら反対に不思議だと思うんです。セリフの多い少ないではなく、天使だからセリフがないものだと思ったので、まったく違和感は感じませんでした。

Q:そんな天使のように人間じゃない役を演じる時は、どんな準備をして撮影に臨むんですか?

体全体や目の動かし方には気をつけました。今回の天使の役からは“きまぐれ猫ちゃん”っぽい印象を受けたので、そういう風に演じられたらなぁと思っていました。ちょっと動く時もダラーって動くのではなく、猫っぽくパッと動く感じを意識していましたね。腕を動かす時もきれいに見える方がいいなと思ったので、衣装の生地もボテッとする素材じゃなく、軽やかに動く素材をお願いしました。あとは爪に花を付けたりと、あらゆる面で工夫しました。

ワイヤーで宙を舞う

深田恭子

Q:深田さんご自身も天使役に対するアイデアをたくさん出されていたんですね。

そうですね。「動き方をこういう風にしたら天使っぽいかな」とかですね。そもそも正解はないのでイメージを膨らませるだけ、膨らませて、とりあえずいろんな動き方をしてみたり。思いついたことは監督に全部相談してました。

Q:天使の動き方を表現するために、鉄製のシーソーやワイヤーで宙を舞ったり、穏やかな演技からはまったく感じられない苦労が裏側にはありそうです。どんなエピソードがありましたか?

まったく苦労はなかったんです。わたしよりも、天使の動き方を映像で作っている方や、周りの俳優さんたちの方がよっぽど大変そうでした。皆さんは天使のわたしが見えていないようなお芝居や、触れられても何に触れられたか分からないお芝居をなさっているのに、わたしは自由に動き回ったり、自由に触れたりしていたので(笑)。

Q:桜沢エリカさんの人気コミック原作は、先にお読みになりましたか? 映画と比べてみてどうでしょう?

はい、読んでいました。ただ、原作の天使ちゃんそのままには伝わらないものじゃないですか。だから、原作ファンの方たちのイメージを壊したくないなって思いながら演じてましたね。

天使と似ている部分

深田恭子

Q:監督の宮坂まゆみさんや原作者の桜沢さんとは、女性同士どんな話をしながら撮影しましたか?

宮坂監督は顔の角度や細かい仕草などを、とてもよく見ていてくださいましたね。カメラの角度も気にしてくれて、気を配ってくださいました。あとは監督も桜沢さんもわたしも猫ちゃんが大好き。猫好きの人たちが作った映画なので、猫に対する思いも観ている人にも伝わると思いますね。

Q:よく「天使のような○○」って言いますが、まさにすべての人を癒す天使の役。深田さんご自身にも今回の天使と似ている部分や、共通する性格はありますか?

気まぐれなところです。いつもそばにいるわけではなくて、あちこちウロチョロしていたり、何かを全部手助けしてあげるわけでもなくて、ちょっとだけ後押しするタイプです。と言っても、誰の後押しもできてないんですけどね(笑)。実は猫っぽくなりたいって願望があるんです。だから、人を寛大に受けとめる天使ではなく、今回の猫ちゃんっぽい天使のような、そんな存在になりたいですね。

Q:最後に映画で話せなかった分、言葉で直接伝えたいメッセージがあればお願いします。

とってもやさしい気持ちになれる映画ですし、天使って聞いてどんな映画だろうって皆さん考えると思うんですけど、天使がいても不自然じゃない雰囲気がある街のお話なので、違和感なく観られるんじゃないかな。この機会にメルヘンな世界に皆さんにも入ってもらって、この映画を楽しんでいただきたいなと思います。


インタビュー現場に映画の天使の衣装そのもので現れた深田恭子は、まさに天使降臨という表現がピッタリ! ふわふわとした不思議な雰囲気が流れる中、出演した映画への想いや天使役をどれほど好きになったかをフカキョン流で話してくれた。「とても素直な気持ちになれるのでデートにもピッタリですよ」と語るその口調からは、映画の天使と同じ優しさも感じられるほど。観る人すべての心を癒すフカキョン天使ムービーをお見逃しなく!

『天使』は1月21日より渋谷シネ・アミューズCQN、シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開。

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