『アイス・エイジ2』優香、久本雅美、中島知子 単独インタビュー
取材・文:小林陽子 写真:FLIXムービーサイト
大ヒット作『アイス・エイジ』から4年。ストーリーも、日本語吹き替え版も新たな仲間が増えて帰ってきた! 声優陣は、マニーの恋人でヒロインのエリー役に今大人気の優香を抜擢! さらに久本雅美とオセロの中島知子が関西弁で参戦。息のあった3人が、収録中の裏話をボケとツッコミ満載で語ってくれた。
関西弁で吹き替え
Q:皆さんが吹き替えに加わって今回も話題を呼んでいますね。
(久本:以下 久):やっぱりうれしいですよね。ハリウッド映画の声をやらせていただけるなんてね、夢みたいですよ。
(優香:以下 優):感激です。パート1も大好きだったのでお声を掛けていただいたときから、ずっと楽しみでした。
(中島:以下 中):ホンマ、そうですね。
Q:久本さん、中島さんは関西弁で吹き替えたそうで。
久:そうなんですよね。普段と変わらない関西弁なので、やりやすかったですね。
中:そうですね。監督さんから「せりふは言いやすいように変えてください……」って言われたので言いにくいところは普段の会話っぽく、わたしたちの好きなように演じてみたんですよ。
久:といっても、もちろん台本はあるしキャラクターもあるから、テンポとか間とかを考えながら、イタズラ好きなフクロネズミのイメージを崩さないように心がけました。でも、比較的伸び伸びとやらせていただきましたよね。
Q:ということは、アドリブなんかも聞けるんですね。
久:いや~それがね(笑)。やっぱり台本も、映像もあっての吹き替えですからね。
中:口があいてないのに、しゃべっていたらおかしいので(笑)。
Q:そうですよね(笑)。
中:アドリブ入れたくても、入れられへん……みたいな(笑)。
久:尺もあるしな。口も開いてなければ、時間もないとかね!
中:でも、実はリハーサルのときにアドリブ入れてみたんですよ。そしたら監督さんから「いいね!」とか「う~ん」とか、何にも言われなかったから、アドリブは入れないほうがいいなと思ったんですよね。それなので本番はあきらめて台本通りやりました(笑)。
おちょくり方が独特?
Q:中島さんと久本さんの呼吸はぴったりそうですね。
久:その辺はまったく問題なかったですね。
中:そうですね。
久:練習のときは、2人で掛け合いするんですけど本番は1人ずつなんですよ。ヘッドホンで相手の声を聞きながらやるんですけど、やりにくさはまったく感じなかったし、いつも通りでやらせてもらいました。ま、噛んだりとか、ややこしくなったりとか、滑舌(かつぜつ)が悪かったりというのはたくさんありましたけど(笑)。
Q:え!? 久本さんでも噛んだりするんですか?
久:するする(笑)。もちろんありますよ~。フクロネズミたちは何しろテンポが速いですからね。
中:ほんまに! ほんま速かったな~。聞いていただいたら分かるんですけど、最初のほうで、マンモスのマニーにけんかを吹っかけるところがあるんです。そのシーンが早口で長いんですよ。気が抜けないというかね。ほら、あんまりけんかを吹っかけるっていうことしないでしょ(笑)。
久:そうやな。おちょくり方が独特やからね。でも、それはそれで楽しかったな。
Q:一方、優香さんはそんなフクロネズミにしっかり守られていましたね。
優:そうなんですよね(笑)。ずっと守られていて、何をするにもガードされてるんです。しかもマンモスなのに自分のことをフクロネズミだと思っているんですよ(笑)。変わったキャラクターがかわいいですよね。
普段末っ子の優香
Q:中島さんと久本さんに囲まれていかがでしたか?
優:お2人のテンポが良いので、わたしもうまく包み込まれたらな~って思いながらやっていました。
Q:実際、お2人に守られて生活するとなったらどうですか?
優:スゴイ楽しそう(笑)。頼りがいがあって、なんかいいですね(笑)。
久:アハハハ(笑)。優香ちゃんは普段、末っ子なんですよ。
優:生まれたときから、末っ子ですよ(笑)。
中:なんですか、普段って!
久:だからこういうしっかりした人たちに囲まれているほうがね……(笑)。
優:普段から年上の方といるほうが多いし、勉強になるんですよね。
Q:優香さんが演技するにあったって、お2人からご指導は?
中:伸び伸びとやりなさいって言いました(笑)。
優:アハハ(笑)。まったく言われてないです。
中:うそです(笑)。エリーを優香ちゃんがやるって聞いたときに、もともと優香ちゃんは大人っぽいキャラだから大丈夫だなって思ったんですよ。もともとエリーっていうのは、肝っ玉かあちゃんみたいなキャラだからね。で、あとで優香ちゃんに出来上がりの感想を聞いたら、大人っぽくやったって言ってたんで。これから観るのが楽しみです。
Q:3人そろってアフレコはされたんですか?
優:わたしだけ別でした!
久・中:わたしたち2人は一緒でした。
Q:じゃ、優香さんは久本さんと中島さんの声を聞きながらお1人で収録されたのですね。
優:そうですね。だからちょっと寂しかったですよ。
中:1人だけでおにぎり食べてな。
Q:おにぎりとは?
中:出前のお弁当のことです。
優:唐揚げも食べましたよ(笑)。
出っ歯言うな!
Q:では、最後に。個性豊かなキャラクターが勢ぞろいしていますが、特に好きなキャラクターは?
久:それは自分の役ですよー! 愛情を込めてやってますからね。
優:わたしも自分の役、エリーですね。
中:自分の役以外だと、太田光さんがやられたシドかな。
久:あと、どんぐりをカカカカってやってるやつ、なんて言ったけ? ああ、スクラット。あれは見ものですよ。監督自ら声をやっているらしいです。
中:シュワ~シュワ~ってね(笑)。スクラットって出っ歯だから、そこもちゃんと計算して話してはるんですって。太田光さんのシドも出っ歯だから、そこを意識してやったみたいですけど、あるシーンでは出っ歯のお陰で、空気が抜けて何を言っているのかよく分からないんですよ(笑)。
久:ちょっと! あんまり出っ歯のことバカにしたら怒るで(笑)!(自分の歯を差しながら)
中:アハハ~。違いますって~!
インタビュー中の笑いの絶えない雰囲気は、まるで3人のトーク番組を見ているようで、あまりの面白さにスタッフの笑い声が取材部屋の外まで聞こえるほど。3人がお互いを信頼し、心を許しあっているからこそ生まれる“ボケとツッコミ”の絶妙な笑いの世界を垣間見ることができた。3人の息の合った掛け合いを、『アイス・エイジ2』吹替え版でお楽しみください!
プロフィール
優香
1980年生まれ。TBS系「王様のブランチ」司会をはじめとして、多くのレギュラー番組を持っている。『恋に唄えば♪』や『輪廻』などの映画に主演している。
久本雅美
1960年生まれ。数多くのバラエティ番組にレギュラー出演しているほか、ドラマやラジオ、映画に舞台など幅広く活躍している。
中島知子
1971年生まれ。松嶋尚美とともに、お笑いコンビ「オセロ」を結成。2006年には『三年身篭る』で映画初主演を果たした。
『アイス・エイジ2』は4月22日より日比谷スカラ座ほかにて公開。