ADVERTISEMENT

『タイヨウのうた』YUI、塚本高史 単独インタビュー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
『タイヨウのうた』YUI、塚本高史 単独インタビュー

取材・文:FLIXムービーサイト 写真:秋山泰彦

『タイヨウのうた』で切ない恋を演じた塚本高史YUIが、2人一緒にインタビューに応じてくれた。取材部屋に、スタッフと一緒にゲラゲラ笑いながらにぎやかに登場した塚本と、緊張しながらも静かに入ってきたYUIは、まさに映画の中の“孝治”と“薫”のキャラクターそのもの。そんな2人が、本作での撮影秘話や“孝治”と“薫”の切ない恋について語ってくれた。

ADVERTISEMENT

現場を楽しむ主義

YUI、塚本高史

Q:まず、この『タイヨウのうた』の脚本を最初に読まれたときの感想をそれぞれお2人にお願いします。

塚本:僕は設定上、高校生というのがあって、まず、そこで大丈夫かな? というのがありました(笑)。お話的にはXP(色素性乾皮症)っていう障害があったりとか音楽がベースになっていたりとかするんですけど、なんかね……湿っぽくない、淡いラブストーリーっていうイメージが全体を通してあった感じです。

Q:YUIさんは?

YUI:ハイ、今(塚本さんが)言われたような感じですね。

塚本:同意見ですか?

YUI:あっ、ハイ(笑)。

Q:では、撮影前のお互いの印象はどうでしたか?

塚本:ミュージシャン「YUIちゃん」という感じだったので(笑)。でも、地元の方で路上(ライブ)をされているというお話を聞いていて、僕もギターとか弾くので親近感はありました。音楽が好きで、ギターの好きな女の子っていうイメージでした。実際に会って、撮影に入ってからは、イメージが変わったというより、いろいろな感性を持っている子という感じでしたね。

YUI:わたしはお会いする前に、雑誌を読んだり、インタビューを読んだりしていたんですが、「現場を楽しむ主義」みたいなことが書いてあって……。実際に撮影が始まってからも、面白いことを言ってリラックスさせてくださったりしましたね。

自然体が印象的

YUI、塚本高史

Q:初めての演技だったYUIさんに、塚本さんから緊張をほぐすために掛けてあげた言葉はありますか?

塚本:いや、特にないですね。僕は、現場を楽しんでくれればいいなっていう感じで、勝手におチャラケていました(笑)。(YUIちゃんは)緊張していたという感じはなくて、すごい集中していましたね。まあ、初演技ということもあるだろうし。僕は僕で勝手に楽しんで、YUIちゃんは横で集中しているって感じでしたね。

Q:先輩の役者さんとして塚本さんの演技はいかがでしたか?

YUI:塚本さんが演技している姿を初めて見たのが、出会いのシーンだったんです。あのとき、もっと“演技演技”しているんだろうなって思っていたんですが、塚本さんがすごく自然体だったんです。それがすごく印象的でした。

Q:出会いのシーンでは、塚本さんがYUIさんに「ドーン」って突き飛ばされていましたが、大丈夫でしたか?

塚本:いや、結構力強くやりましたよね。

YUI:あの、リハーサルは本番ほどやらなくてもいいと思わなくて……。ずっと、リハーサル中も(本番のときくらい)押していたんです。それが申し訳なかったです。

塚本:いえいえ、ぜんぜん。熟年の人たちは(リハーサルのときは)手を抜いたりしますから(笑)。いいですよね。若さがあってそういうの。テストから本番の気持ちで……。

YUI:すみませんでした。

塚本:いえいえ(恐縮)、ぜんぜん大丈夫でしたよ。

片思いのドキドキ

YUI、塚本高史

Q:踏み切りは薫と孝治の2人の思い出の場所という感じでしたね。

塚本:そうですね。踏み切りは、バス停の近くにあって、そこに孝治はいつもいて、薫はそこにいる孝治の顔を毎日見ていて。あそこで出会って、あそこで分かり合って……、ああいうキスシーンとかもあったんで、大切な場所ですね。

Q:「キュン」となる思いがすごく伝わってくる映画でしたが、演じていて実際に高まってくるというか、ドキドキしてしまうシーンとかありましたか?

YUI:走っているシーンですね。(笑)

塚本:え! それは「動悸(どうき)」ってことですか?(笑)

YUI:いや、薫としては、もう孝治と話しているときから、もうずーっとドキドキです……。付き合った後よりも片思いのときの方が、「あー、どんな人だろう?」ってドキドキしていました。

塚本:僕は、もう! あれですね。告白するシーン。あれはもう、高校生っていう設定ですけど、僕が実際、高校生や中学生のころでもあそこまで淡いことしたこともないし、名前を言って、趣味言って、付き合ってくださいってみたいなのは絶対なかったから、いろんなことを想像しつつ、ドキドキして告白しましたね(笑)。

Q:2人の恋は、どんな恋だったと思いますか?

塚本:悲しいラストですけど、孝治は薫の歌を残そうと一生懸命、頑張りました。ラストの表情を見てもらえれば、孝治が何かをまっとうした思いでいることが分かってもらえると思います。

YUI:薫にしてみれば、孝治っていう優しい人と恋ができて、幸せだったな……と。家族や、友達、恋人、いろんな人に囲まれて、やり切ったという感じがありましたね。本当に幸せだったと思います。


YUI、塚本高史

こちらの質問に、ポンポンと答えが飛び出してくる塚本と、ゆっくりと言葉を選びながら話すYUIの間には、なぜかとても心地のよい温度差があった。他人と他人とが出会って、恋に落ちるとき、自分が持っていない相手の温度に近づこうとする……。塚本とYUIの間に流れる温度差からは、そんなドキドキが伝わってくる。その温度差こそが、『タイヨウのうた』を観ているときに、スクリーンに流れていた特別な空気のように感じられた。写真撮影のときに「目を合わせてください」と言われて戸惑うYUI。そして、そんな彼女に対して「おれ、こっち見るから、YUIちゃんはおれのほう見れば、視線あってるように見えるよ!」とさりげなくフォローする塚本。そんな2人は映画同様、頼りがいのある“コージ”と優しい彼に守られる“薫”の姿だった。

『タイヨウのうた』は6月17日より全国にて公開。

最新インタビュー

インタビュー一覧 »

ADVERTISEMENT