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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ダニエル・ラドクリフ単独インタビュー

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『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ダニエル・ラドクリフ単独インタビュー

女の子に泣いてせまられたら、途方にくれちゃうだろうね

取材・文・写真:シネマトゥデイ

世界的な大ヒットを続けている『ハリー・ポッター』シリーズが、7月21日に公開される『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で5作目となる。2002年に公開された『ハリー・ポッターと秘密の部屋』から5年たち、あどけない表情で魔法のつえをふっていた主演のダニエル・ラドクリフも少年から青年になろうとしている。精神的にも肉体的にも成長し続けているダニエル・ラドクリフに『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の撮影の合間の忙しい時間をあけてもらいロンドンで話を聞くことができた。

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1年のうち11か月は一緒の仲間たち

ダニエル・ラドクリフ

Q:ロンやハーマイオニーと撮影で久しぶりに会ったのですか? 以前と印象は変わってましたか。

いや、変わってなかったと思うよ。特にルパートは、この3年くらい、ちっとも変わってないんじゃないかな(笑)。僕らは成長しているし変わっているとは思うんだけど、実はしょっちゅう会っているんだ。いつも顔を合わせてるから、きっとそのことに気が付かないんじゃないかな。撮影の合間にオフがあるし、今回も相当期間あったけど、それでもやっぱりなんだかんだ言って、1年のうち11か月くらいは一緒に仕事してるからね。

Q:今回もアクティブなシーンがたくさんあると思いますが撮影中、危険なことはなかったですか?

この映画では、無かったけど、4作目の『ハリー・ポッター』では、ちょっと恐いと思ったことが2回ほどあったよ。でも僕はいつも、とても優秀なスタッフに見守られているし、スタントもとてもしっかりしているから、本当にに危険な目には、あっていないと思うよ。

Q:撮影をしていた中で、一番印象に残っているシーンについて教えてください。

僕が今まで撮ったシーンで、一番気に入っているのは、アンブリッジ教授役のイメルダ・スタウントンと共演した場面のすべてだと思う。彼女はほんとにすばらしい女優だよ。とても感じがいい人で、一緒にいて楽しいし、とてもおかしかったりもするんだ。恐ろしく知的な人でもあるしね。一緒に仕事をすることができてすばらしいと思うし、そうだね、彼女との共演シーンが今までで一番気に入ってるね。

ファッションは日本がお手本

ダニエル・ラドクリフ

Q:(ダニエルの着ているTシャツを指さして)“東京な”っていう文字が書いてありますね。その洋服は自分で選んだのですか?

うん……これってどういう意味なの?

Q:東京はダニエルくんもご存じのTOKYO、“な”は日本語のアルファベットのひとつです。

そうなんだ! 確かオーストラリアで買った気がするけど……そう、確かそこに行ったときだったと思うよ。カットの形もよかったし、ここに書いてある字が気に入ったから買ったんだ。

Q:どういうファッションが好きなんですか。

おおまかにいうと、とてもシンプルな感じ。ただのジーンズとTシャツみたいなのが好きだな。それ以上ってのはないな。あ、でも、Tシャツですごくいいのとか、とても気に入ってるのが何枚もあるよ。僕、Tシャツは、本当にたくさん持ってるんだ。

Q:ロンドンでは、ティーンの間では、シンプルなファッションがはやってる?

うーん、(ちょっと考えて)どうかな。今はいろんなものが、けっこうはやっているかな。たとえば、とても明るい色を着てる人がたくさんいる。それから、わざとミスマッチな、違ったタイプの服を組み合わせにしたりしてる。でね、僕が思うに、これはある意味日本から来たトレンドだよ。だって、そういったちょっと変わった感じのワイルドなファッションがずっと日本ではやっていてカッコよかったじゃない? イギリスが今それに追い付こうとしてるんだと思う。

Q:本当にそう思いますか? 日本人としてうれしいけど。

多分そうなんだと思うよ。(真顔で)うん、絶対そうだよ。

キスシーンは緊張した

Q:原作を読んだ時にキスシーンがありましたが、いかがでしたか。

とってもうまくいったし、楽しめたよ。僕とケイティは最初、お互いにちょっと硬かったけど……ケイティってチョウ・チャン役の子ね! でも、4テイクくらいやったら、その後は慣れて、完璧冷静にできたよ。

Q:映画の中のシーンにもありましたが、ダニエルくんも実際、泣きながら女の子に迫られたら、困っちゃいますか。

いやあ、そんなことないと思うよ。(多少どもりつつ)前に女の子にキスしたことだってあるし。(インタビュアー、涙で迫ってきたら? ともう一度念を入れる)ああ、それなら困っちゃうよ! そうだね。女の子を泣かせたことなんてあまりないし、だから、多分ハリーと同じように、きっと途方に暮れちゃうだろうね。

Q:とても、スタイルがいいですが、体は鍛えてます?

いつも健康であるために適当に運動はするけど、特に体を鍛えようという目的ではしないよ。健康でキレのある体でいられればそれでいいんだ。

Q:マッチョになりたいとかは……?

ええと、分かんないや(苦笑)。カッコわるい体格にはなりたくないけど、でもマッチョになりたいっていう思いにとりつかれることもないだろうな。

日本のファンからの手紙は最高

ダニエル・ラドクリフ

Q:ダニエルくんは、日本のティーンにすごく人気があるんですけど、アジアの女性をどう思いますか。日本のティーンへメッセージがほしいんですけど。

アジアの女の子とつきあったことはないけど、そうだね、アジアの女の子は、とてもキレイな子がいるよね。ええと、日本のファンへのメッセージだけど、本当に、日本からのファンレターには、僕が受け取る手紙のうちで最高レベルのものがあると思う。心がこもっていて、表現もとてもしっかりしているし。そういうメッセージって僕らを熱くするんだよ。どうかこれからも僕達に手紙を書いてほしいな。そういう手紙をもらうと本当に嬉しいものなんだ。

Q:それを伝えれば、日本のファンは喜ぶと思います。

本当? よかった!

Q:仕事だけでなく、勉強やいろいろなことで、忙しいと思いますが、恋をしているヒマはありますか。

いろんな友達と出かけるし、女友達とも出かけたりするけど、でも、今は、ガールフレンドはいないよ。……以前はつきあってる人がいたけど、今はいないんだ。でも、友達と出かける時間くらいあるよ。

Q:じゃあ、日本の女の子たちも、チャンスがあって喜ぶと思います。

うん、もちろんだよ!

ベテランの演技を集中して観察する

ダニエル・ラドクリフ

Q:ベテランの俳優さんに囲まれて、仕事していますが、いろいろ教えてもらったり、自分で学んだりする点はありますか。

自分が最も多くのことを学んでるのは、おそらくゲイリー・オールドマンとイメルダ・スタウントンの2人だと思う。人としても、演技についても素晴らしい人たちだと思うよ。それとあと、ダンブルドア役のマイケル・ガンボンもそうだね。そばにいられるだけでもいい経験になるし、とてもステキな人だと思う。この3人からは、見ているだけでも、ずいぶんいろいろと学んだよ。さらにゲイリーは、とても役に立つアドバイスをくれたんだ。でも、やっぱり、実際のところ、椅子に座って改めて面と向かってアドバイスをくれる、ということはほとんどなかったよ。だから自分から積極的に、みんなの演技を観察して学んだことが多いね。特に、ゲイリーとイメルダがどうやって集中してるかとか。

Q:そのベテランの俳優さんたちを見て、自分で、こうしようと思ったことってあります?演技の点で自分でこうしていったほうがいいなって考えたことは?

もちろんあるよ。演技をするっていうことは、要するに、自分の演技のしかたを磨いて、常によりよい演技を目指していくっていうことにつきると思うんだ。最高の演技ができるようになれるということ、それが僕の目標でもある。そのために学ぶ唯一の方法は、他の経験豊かな俳優を見たりして得られた情報を自分のものにすることだと思う。そしてそれを実践に生かしていくようにする。僕はそうやって学んだことを生かしていくように心がけたいよ。

ハリーは純真さをなくしてしまった

Q:『ハリー・ポッターと秘密の部屋』のときのハリーと、今回の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のハリーを比べて、精神的にハリーが成長したと思った点と、あと、自分自身も2001年の撮影の時と今と、精神的に大人になった点を教えてください。

まずハリーに関して言うと、一番の違いは、ハリーが純真さをなくしてしまった点だと思う。もうだまされやすいお子さまではなくなったというところだね。1作目では、本当に幼くて、経験が浅いし世の中で何が起こってるのかもよくわかってない状態だったし。魔法界のことも、ただ幸せで楽しい世界としか見ていなかった。でも、映画やシリーズが進むにつれて、そうではない、本物の悪が存在するんだということが分かってくるんだ。全体としてとらえると、この物語のテーマは主人公の無邪気さの喪失ということだと思う。そして、僕自身についてだけど、前より大人になったと思うし、たくさん成長したと思ってるし、そう願いたいね。たぶん、普通のティーンエイジャーが11才から17才で変わっていくのと全く同じように、僕自身も変わったのだと思うよ。


実際のダニエル・ラドクリフは、映画の中で見る、ハリーよりずっときゃしゃに見えた。人なつっこいほほえみをうかべつつも、恋についてや、ファッションのことを生き生きと語る姿は普通の10代の男の子。しかし、演技についての話におよぶと真剣なまなざしで語りだすその姿に、プロの役者魂を垣間見た気がした。「実際の姿より、スクリーンで見たほうが大きく感じる」そんな彼は役者としての天性を備えた根っからの役者なのだろう。インタビューをした当時、ダニエルは役者の道で生きていくことを決心しており、ハイスクールを卒業した後は大学には進まず、役者業に専念すると宣言していた。ハリー・ポッター以外の今後の演技にも注目していきたい。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は7月21日より全国公開。

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