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『アイ・アム・レジェンド』ウィル・スミス 単独インタビュー

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『アイ・アム・レジェンド』ウィル・スミス 単独インタビュー

娘のウィロウとの共演は、とても素晴らしい経験だったよ

取材・文:小林真里 写真:鈴木徹

1954年に発表された、不朽のSF小説「地球最後の男」が、『アイ・アム・レジェンド』として3度目の映画化となる本作で、人類の存亡を賭けた孤独な戦いを続ける、主人公の科学者を演じたウィル・スミス。地球最後の男として、小さな望みに賭けながらも孤独に悩まされる絶望的ともいえる状況の中で生き続ける主人公を、かつてオスカーに2度ノミネートされた実績を持つ彼が、迫真の演技力で堂々と見せつけてくれる。今回は、映画の見どころや成功の秘訣(ひけつ)について、そして娘との初共演についても気さくに語ってくれた。

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主人公との共通点

ウィル・スミス

Q:大都市ニューヨークを独り占めするというぜいたくな役柄を演じてどんな気分でしたか?

誰もいない、がらんとしたニューヨークをドライブしながら見て回れたのは、すごい体験だったよ! でも、面白くもあったけど、同時に怖くもあったよね。あんなニューヨークの姿は誰も見たことないと思うし。街中見回しても路上に誰もいないような、あの空間や光景を見てみんなゾッとすると思う。だけど、逆に観客はそれを観た瞬間に、この映画の雰囲気やイメージをつかむことができるんじゃないかな。

Q:本作の主人公、ロバート・ネビルを演じる上で、一番重要なポイントだと感じたのはどういうところでしたか?

“理解力”だね。人と接することがなくても、脅威を感じずに、いかに真偽やリアリティーをつかむかということを考えたんだ。完全に孤独な状況の中で、人間の心の中で何が起こるのかを理解するために、いろいろリサーチしたんだ。

Q:ロバート・ネビルというキャラクターの、どういう部分に共感を持ちましたか?

心から共感できるなと感じたのは、彼は執念の男だというところだね。彼は、必要に迫られてということもあるけど、自分に与えられた課題や、自分がやると決めたことを最後まで完ぺきにやり抜く。やり遂げるまでは、何か1つのものに集中しながらすべてのエネルギーや能力を、命ある限りささげて行動するんだ。彼のそういう部分に、とても共感できたね。

愛娘との初共演

ウィル・スミス

Q:本作で初めて娘さんと共演していますが、どうでしたか? 子どもたちには将来俳優になってほしいと思いますか?

娘のウィロウと共演できたのは、とても素晴らしい経験だったよ。僕の仕事ぶりを間近に見てもらえて、両親がどういう仕事をしているのかをじかに体験してもらい、理解してもらえて良かったと思う。さらに、その仕事に彼女自身にも参加してもらって、直接関連を持ってもらうことができたわけだからね。お金をどうやって稼いで、当たり前のように食卓に出てくる食事を、なぜみんなが食べることができるのかというその原理や重要なことを、身をもって知ってもらえたし(笑)。もし彼らが、自分の決断で本当に女優になりたいと言ったらもちろん応援するけど、完ぺきにやれる自信がないようだったら、やらせないね。本当の俳優がどういうものか、僕は知っているから(笑)。映画俳優という仕事、そしてこの業界はとても怖いからね。

Q:本作の準主役とも言える、犬のサムの演技がとても印象的でしたが、サムとの共演はどうでしたか?

この映画でサムと共演するまでは、犬がここまで賢いとは知らなかったんだ。サムはとても頭が良くて、一緒に仕事もしやすかったし、コミュニケーションも取りやすかった。サムはトレーナーがいなくても、どういう動きをすればいいか、どうやって映画を作るのかさえも分かっているような感じだったね(笑)。

孤独な状況のシミュレーションを重ね、撮影に挑む

ウィル・スミス

Q:劇中、1人のシーンがほとんどだったので、演技をする上で苦労する点が多かったと思いますが、いかがですか?

実は撮影に入る前に、映画の中のロバート・ネビルの孤独な状況をシミュレーションしてみたんだ。普通の生活の中では、相手がいるから対話が成立する。誰かに何か言われて答えたりとか、車を運転中にほかの車に割り込まれて言い返したりとか、そういった外部の刺激に対するリアクションをはぶいてくと、人は頭の中で対話を自然と創り上げるものなんだ。それが分かり、自分の頭の中で繰り返し対話を作り上げるということを実践してみたんだ。「今日はいい天気じゃないか?」「そうね」「今、何時?」「5時よ」「そろそろ出掛けないとな」って風にね。いざ撮影が始まって、カメラの前に立って回りに何もなくても、その経験のおかげで、自然に演技することができたんだ。それはクールな体験だったよ。

Q:俳優としてミュージシャンとして、これまで大成功を収めてきたわけですが、その成功の秘訣(ひけつ)はどういうところにあると考えていますか?

うーん……、秘訣(ひけつ)は、ないね(笑)。あるとすれば、出会ったすべての人々、インタビュー、そして一日一日が大切だという概念を持つことかな。今、目の前で起こっていることに集中するんだ。この瞬間こそが人生で一番大切なんだよ。でも同時に、その瞬間は何も意味してないんだ。そういう(相反した)陰と陽の精神を持って、日々の“瞬間”を大切にしながら、“リラックス”することも考えるというバランスが重要だと思っているよ。

Q:最後に本作の見どころについて教えてください。

この映画の見どころは、作り手側としての意見だけど、多くの観客に向けて作られた超大作でありながらも、こじんまりとしていてドラマチックで……1人のキャラクターを描いた作品という、大作らしからぬアイデアを達成できたというところじゃないかな。


ハリウッドを代表する大スターでありながらも、その場を明るくする陽気で大らかなオーラを放ち、サービス精神旺盛で常にフランクな姿勢を忘れないウィル・スミス。インタビュー・ルームに入ってきた瞬間から上機嫌な様子で、自ら握手を求めてくれて積極的に言葉をかけてくれた彼のその笑顔は、DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスとしてミュージシャンでデビューした時代のPVに映る、若かりしころの彼とまったく同じ笑顔で、何だかうれしくなった。

『アイ・アム・レジェンド』は12月14日からサロンパス ルーブル丸の内ほかにて日米同時公開

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