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今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ / 音楽を観る!

イギリスの伝説的ロックバンド、ジョイ・ディヴィジョンのカリスマ的フロントマン、イアン・カーティスの内面に迫った映画『コントロール』が15日に公開される。その公開前に、これだけは押さえておきたい音楽映画作品を紹介します! Let’s 着席!

映画『メタリカ:真実の瞬間』<兄ぃたちの内面に迫る鋼鉄のドキュメンタリー>

 結成した1981年から現在までヘヴィメタル界はもとよりミュージック・シーン全体に影響を与え、変化し続けてきたモンスターバンド、メタリカ。メンバーの死や離脱を経験しながらも、彼らは常に社会や自分自身の敵と戦い、曲を生み出し続けてきた。映画『メタリカ:真実の瞬間』では5年ぶりとなるニューアルバム製作までの棘(いばら)の道のりに密着し、解散の危機やメンバーが抱える問題、元メンバーとの軋轢(あつれき)、エゴ、ケンカ、泣き言、グチ……を余すところなくとらえた、ありのままの兄ぃたちの姿を描く鋼鉄のドキュメンタリー作品。


 カウンセラーの前で自分をさらし、ケンカして弱音を吐くメタル野郎がいままでいただろうか? そしてそんな兄ぃたちの姿を「格好悪い」の一言で片付けることはできない。このドキュメンタリーをとおして、兄ぃたちがすべてをさらけ出してまで作り上げるメタリカという名の影にすむ魔物が浮きぼりになっていく。バンド仲間や音楽、自分自身と悪戦苦闘する兄ぃたちの姿はまさに観るヘヴィメタル!

 

Theo Wargo / wireImage.com
モウ、ダイジョーブ!

映画『スパイナル・タップ』<音楽モキュメンタリー!>

 モキュメンタリーとはドキュメンタリー風の表現をしつつ、架空の人物や団体、虚構の事件や出来事を描く作品を指す言葉で、最近では映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』などがこの手法で作られた。要するに、なんちゃってドキュメンタリーということ。映画『スパイナル・タップ』は実在するさまざまなロックバンドたちのツアー中の武勇伝や出来事を完全にパロディー化し、架空のロックバンド“スパイナル・タップ”のドキュメンタリーという設定で作られた作品。監督はこれがデビュー作の映画『スタンド・バイ・ミー』や公開が待たれる映画『最高の人生の見つけ方』のロブ・ライナー。


 劇中で語られるおバカなエピソードや発言、行動などは映画的にデフォルメされているものの、ギタリストとヴォーカリストの軋轢(あつれき)や度重なるメンバーチェンジや死など、実際のバンドにありそうなことがネタとして語られる。ただ実在する有名バンドの中には劇中で語られるよりもっとすごいことをしている事実があるのも確か……。ありえないロンゲを振り乱す姿は観る80年代ロック!

 

Steve W. Grayson / Getty Images
久々に集まりました。

映画『24アワー・パーティ・ピープル』<一風変わった演出で観る、イギリス音楽シーン>

 映画『24アワー・パーティ・ピープル』はセックス・ピストルズのイギリス・マンチェスターでの初ライブに集まった42人のうち24人がその後のイギリス音楽シーンを変えたとされる逸話を基にした作品。映画『マイティ・ハート/愛と絆』のマイケル・ウィンターボトムが一風変わった演出で描きあげる挫折と栄光の熱血ドラマだ。再現VTRとドキュメンタリー手法を絡めながらマンチェスター・ムーブメントの火つけ役でありファクトリー・レコードを立ち上げたトニー・ウィルソンの視点で進んでいく斬新な構成は観る者を惹(ひ)きつける。


 本作で語られる24人それぞれキャラが濃く、『コントロール』で描かれるイアン・カーティスはもちろんのこと、ラリッた音楽プロデューサーやラリッたバンドボーカルなど、この個性にこの音楽あり! と思わざるを得ないエピソードの数々はまさに観るパンク!

Evan Agostini / Getty Images
これ、おれだぜ。

映画『コントロール』<薄暗いステージの果てに彼は何を見たのだろう>

 イギリスのマンチェスター、たった42人という数の観客を前に行われたセックス・ピストルズのライブは衝撃的だった。その場にいた24人はバンドを組んだりレコード会社を立ち上げたりと、その後のイギリス音楽シーンを盛り上げることに貢献していった。そしてその中で一番のカリスマ性を誇り、それ以前にはなかった音楽を作り上げたバンドがジョイ・ディヴィジョンだ。『コントロール』はそのバンドのフロントマンであるイアン・カーティスにスポットを当て、カリスマとしてのイアンではなく、1人の青年として苦悩し孤独を抱え、絶頂期に自殺をとげるまでを描いた作品。


 ライブ中、てんかん持ちの彼を極力刺激しないように配慮された暗めの照明が、逆にジョイ・ディヴィジョンとしての独自性を生み、語りかけるようなイアンの暗く太い声がその世界観をさらに深めることになった。23歳という若さでカリスマとして祭り上げられ、誰にも弱さを見せることなくこの世を去ったイアン。彼を真正面からとらえた映画作品は本作が初。監督はカリスマ的ロック・フォトグラファーのアントン・コービン。『コントロール』の中で、アントンはどれだけイアンの心に迫ることができたのだろうか。公開が楽しみだ。

Jesse Grant / WireImage.com
カリスマを演じるサム・ライリー

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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