『ティンカー・ベルと月の石』木下優樹菜 単独インタビュー
一人で生きていけると思い込んでいるタイプこそ、一人では生きていけない
取材・文:斉藤由紀子 カメラマン:高野広美
ディズニーの名作アニメ「ピーター・パン」でおなじみの妖精、ティンカー・ベルが主人公として活躍するCGアニメシリーズ第2弾『ティンカー・ベルと月の石』。前作『ティンカー・ベル』で、もの作りの妖精として自分らしく生きることの尊さを知ったティンカー・ベルが、今回はネバーランド最大の危機を救うために冒険の旅を繰り広げる。前作に続いてティンカー・ベルの応援隊長に任命された木下優樹菜が、作品の見どころやプライベートのぶっちゃけ話など、率直な気持ちを語ってくれた。
ティンカー・ベルの勇気が自分にはない!
Q:まずは、作品を観た感想からお願いします。
本当に映像がきれいで感動しました! 今回のティンカー・ベルの衣装は秋モードで、まるでピーター・パンみたいですごくかわいいですよね。妖精たちが花を摘むシーンや妖精の谷の演奏会など、CGの演出もすごく細かくて、確認するために何度でも観たくなります。
Q:本作のティンカー・ベルと自分に共通点を感じましたか?
似ているところもあるんですけど、逆に自分とは違うなと思ったのが、恐怖を乗り越えて行動する勇気です。ティンカー・ベルは、もう帰ってこられないかもしれないのに、一人で気球に乗って冒険に出掛けるんですよね。わたしはどんなに行かなければならない状況だとしても、一人で出掛ける勇気がないので、ティンカー・ベルを見習いたいと思います。
Q:ティンカー・ベルは、失敗するとかんしゃくを起こしたり、人のせいにしてしまうところがありますが……?
そういうところは完全に自分と似ています(笑)。わたしも失敗すると誰かに八つ当たりしちゃいますから。自分で勝手に大暴走して、思ってもいないことをわめき散らして、ふと気が付くと「何やってんだろう……」と自己嫌悪に陥るんですよね。そんなわたしの性格を、友だちもわかって付き合ってくれているので、みんなから「ほっとけば自然に直るでしょ!」って思われています(笑)。
もしも魔法の鏡があったなら……?
Q:本作には願いをかなえる魔法の鏡が登場しますが、もしも鏡を手に入れたら何を願いますか?
小さな虫になってみたいです! わたし虫が大キライで、いつも虫を見ると「つぶしちゃえ!」って思うんですよ。だから、そう思われている虫の気持ちになってみたいです。虫の気持ちがわかれば、好きになれるかもしれないので(笑)。
Q:でも、この作品に登場する虫はとてもかわいいですよね!
そうなんですよ! この映画の虫は大丈夫なんです。特に、ティンカー・ベルに対していつも一生懸命なホタルのブレイズがかわいくて好きです。虫じゃないですけど、ちょっとお姉さんぽいシルバーミストという水の妖精が気に入っています。シルバーミストのような甘えられる友だちが一人いるといいなって思いますね。
Q:木下さんは、お友だちから頼られてしまうタイプですか?
同世代の友だちだと、どうしてもわたしがお姉さんのようになってしまうんです。それに、女の子同士って、いつも一緒にいないとダメなところがあるじゃないですか。ほかの友だちと仲良くすることを嫌がる女の子も多いですし。わたしはそういうのが苦手で、「誰と仲良くしたっていいじゃない!」って思ってしまうので、今は年上の友だちのほうが多いですね。
ティンカー・ベルの恋愛が観てみたい!
Q:ティンカー・ベルには、とても頼りになる男友だちのテレンスがいます。木下さんもああいう男友だちがほしいとは思いませんか?
友だちというよりも、恋人だったらいいなと思いますね。だから、テレンスはティンカー・ベルと付き合っちゃえばいいと思うんですよ!
Q:テレンスにとってティンカー・ベルは、初恋の人なのかもしれませんよね。
ですよね! テレンスはティンカー・ベルのことが好きなんだと思うんです。二人がこれからどうなっていくのか楽しみなので、『ティンカー・ベル』シリーズは、これからもずっと続いていってほしいです。
Q:ちなみに、木下さんの初恋の思い出は?
初恋は4歳くらいのときかな? 相手は目がクリクリしたピーナッツみたいな顔の男の子で(笑)、わたしはマーくんって呼んでいました。夏休みにみんなでプールに行ったとき、うちの母親がわたしとマーくんのキス写真を撮ったんです! 子ども用プールの真ん中で、わたしがマーくんの顔を引っ張ってキスをしていて、彼はキョトンとした表情をしているんですけど、すごくステキな写真なんです。それが初恋の思い出です。
人間が一人で生きられるわけがない
Q:木下さんは、妖精を見たことがあるそうですね?
はい! 最近は見ないんですけど、腕のあたりをちょこちょこ歩いている小さなおじさんを見たことはあります。あれは絶対に妖精だって今でも信じています!
Q:そんな妖精たちが活躍する本作から、どんなメッセージを感じましたか?
ティンカー・ベルやわたしみたいなタイプって、一人で生きていけると思い込みがちなんですけど、そういう人こそ一人では生きていけないんじゃないかなって思うんです。妖精だって一人では生きていけないんだから、人間が一人で生きていけるわけがないですよね。この映画を観ていると、周りの人への感謝の気持ちが生まれます。
Q:最後に木下さんから、この作品の見どころを伝えてください。
『ティンカー・ベルと月の石』は、自分をわかってくれる人の大切さや、友情の大切さを教えてくれる映画です。この作品を観て、友だちのありがたさに気付いてもらえたらうれしいです!
ディズニーランドが大好きで、ディズニーシー初のハロウィーン・イベントにも2度ほど足を運んだという木下。ただし、2回とも前席でパレードを見ることができる抽選には外れてしまったそうで、「次はリベンジしたい!」と意気込む表情がとてもキュートだった。そんな木下が絶賛する『ティンカー・ベルと月の石』は、ため息がでるほど美しく幻想的なシーンの連続で、まさにディズニーランドのパレードを見ているような高揚感を味わえる。冬のデートムービーにもピッタリなので、恋人同士で観るのもお勧めだ。
ヘアメイク:COBA
スタイリスト:櫻井かおり(C.I.A)
衣装:LA☆CELEB
映画『ティンカー・ベルと月の石』は12月23日より全国公開