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第12回スペシャル版 第82回アカデミー賞

ネットをにぎわすあの人!

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ラジカル鈴木のネットをにぎわすあの人!~シネマトゥデイ検索ランキングより~ 第12回 第82回アカデミー賞

進化する? アカデミー賞

今回はスペシャル版としまして、先日発表された第82回アカデミー賞にフォーカスしたいと思います。結果はご存じのように、史上初・女性のキャスリン・ビグローの監督賞を含め『ハート・ロッカー』が作品賞ほか6部門で圧勝

僕としては女優について語りたいのですが、作品賞の『ハート・ロッカー』には女性がほとんど出てこない!
主人公の元妻がチラリとだけ。なのに、監督が女性というこの皮肉、よくこんな男臭プンプンの世界を描けるよな~。現代のジェンダ-フリーを象徴したような結果ですが、人種、性別の垣根をますます超えていくハリウッド……これは進化と言ってよいでしょう。それにしても58才には見えない! 若い!

ビグロー監督は、やはり作品・監督賞ほかでノミネートされていた『アバター』のジェームズ・キャメロン監督と夫婦だった時期があって、元夫婦対決ってことで一番の話題として盛り上がっていましたが、離婚後も2人はキャメロンがプロデューサー、ビグローが監督として組んでいたり、ビジネスパートーナ-の関係ではあるワケで、事実はそんなに単純じゃないはず。今年から変わったことの一つは、良いのか悪いのか、作品部門ノミネートが5作品から10作品に増えたこと。ステージでは時間がなく授賞者のスピーチがせわしない印象だった。増やしたことの意図がイマイチよくわかりません。

ガボレイ・シディベ


同時授賞の快挙?隣のオバサン、サンドラ・ブロック

主演女優賞に輝いたサンドラ・ブロックは、対極であるはずのゴールデン・ラズベリー賞(通称ラジー賞・最低映画賞)も史上初の同時授賞!  アカデミー賞発表の前日に行なわれるラジー賞授賞式に堂々出席。翌日アカデミー賞発表だというのに大した余裕だ。過去にシルベスター・スタローンの『デモリションマン』(1993)で最低助演女優勝ももらっているので2冠だ(笑)。主演受賞者が姿を見せたのは2005年『キャットウーマン』のハル・ベリー以来のことで、一般のファンには好感度はアップですな。

アカデミー賞授賞のスピーチを見て、歳を取ったものだなあ~と思った。かつての隣のお姉さんは、すっかり隣のオバサン。筋肉隆々な二の腕のなんともたくましいこと。授賞の『しあわせの隠れ場所』の演技、今までの沢山のコメディドラマと何ら変わっていないように見えたけど、全米では知らないヒトはいないくらい有名な実話に基づいたお話だったので、票を集めたんでしょうか。作品に恵まれたというコトでしょね。

アカデミーとラジーの同時受賞はつまり良いものと悪いものの価値がオーバーラップしているという意味で、混沌とし、迷い、ブレちゃっているアメリカの現状を象徴しているような気がします。そもそもクリエイティブなものに勝ち負けがあるのがおかしいのですが、評価はその時々の世相や価値観に左右されるもの。それが多様で不明解な今、いっそラジー賞もアカデミー賞の一部門に組み入れたらいかがでしょうか? イヤよイヤよも、好きのうち……ってね。ちょっと意味が違う?

個人的には『プレシャス』の、演技初体験でいきなりノミネートの体重150キロのブラック・シンデレラガール、ガボレイ・シディベが圧倒的な存在感だったので、賞あげたかったかなあ!  僕にとってはソ-・キュート~ですよん~~。授賞式で見せた精いっぱいのお洒落が、ほほ笑ましかった。『17歳の肖像』のキャリー・マリガンは初々しくってイイなあ。「21世紀のオードリー・ヘプバーン」はちとオーバーだけどね。メリル・ストリープは16回ノミネートじゃあもういいや、さすがに見飽きた。あとはヘレン・ミレン。女優賞候補、ちと華が少なかったかな。

ガボレイ・シディベ

各演技賞の人々

助演女優賞のモニークは『プレシャス』で、ガボーレイふんするプレシャスをいじめ抜く母親の役で、その凶暴さ、憎ったらしさったらなくて上手かったけど、なんだかあの下品な演技で賞かと思うと、ちょっぴり寂しいかな。

ジェフ・ブリッジスの主演男優賞授賞はうれしかった! 70年代から活躍してて、好きな作品が沢山あるから。まだ青年だった『ラスト・ショー』(1971)、クリント・イーストウッドと共演の若き日の『サンダーボルト』(1974年・助演男優賞ノミネート)『カリブの熱い夜』(1984年)兄で役者のボーと共演した『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989年)なんかが特に好きですね。もう60才なのね~、5回目のノミネートでついに! 素晴らしい。知らなかったけど3人の娘がいるパパなんですねえ。カントリーシンガーにふんして歌を歌っている『クレイジー・ハート』は、日本では6月公開だそうです。

ほかの候補はジョージ・クルーニー、コリン・ファース、モーガン・フリーマンと、濃ゆい面々でしたなあ。余談だけど、プレゼンテータ-のミッシェル・ファイファー歳とっちゃったなあ~。

助演男優賞は『イングロリアス・バスターズ』で冷酷なナチスの大佐を演じたクリストフ・ヴァルツ 、彼もうまかった。80歳になる、クリストファー・プラマーが候補に挙がっていて、おお、まだ健在なのかと驚いた。


歴代でどの作品が一番好き?誰が好きですか?

アカデミー賞は82歳、1929年生れの立派な米寿のおじい・おばあさん。長い歴史には沢山の作品賞、監督をはじめとするスタッフの賞、各演技賞に輝いた膨大な人たちがいますが、では個人的に誰が好きですか? 僕の印象に残っているのを思い出してみましょう。

作品賞は……古くはNHKで観たクラーク・ゲイブル主演のお色気コメディ1934年(第7回)の『或る夜の出来事』 、イギリスの監督だったアルフレッド・ヒッチコックがハリウッドに渡って最初に撮った1940年(第13回)の『レベッカ』、ご存じ1943年(第16回)の『カサブランカ』は作品賞取っていたのね、って感じ、アルコール中毒の恐ろしさを描いた1945年(第18回)の『失われた週末』、芸能界のウラ側をリアルに描いた1950年(第23回)の『イヴの総て』、お色気人情コメディのスタンダード1960年(第33回)の「アパートの鍵貸します」などが特に好きですね。

1969年(第42回)の『真夜中のカーボーイ』から幕が開く70年代はリアリティを追求するニュー・シネマが主流になり、映画作家が存分に創りたいものを作った圧倒的な傑作ばかり。10年間の10本、1979年(第52回) の「クレイマー、クレイマー」まで退屈な作品が1本として無い!1972年(第45回) ゴッドファーザー、1973年(第46回) スティング等々……芸術とエンタテイメントが見事に一致していた時代です。

男優賞はハショりまして……主演、助演女湯賞を取った女優では……『ローマの休日』(1953年)のオードリー・ヘプバーンは圧倒的な輝きを放っていますね。永遠に色褪せないことでしょう。『チョコレート』(2001年)のハル・ベリーの体当たりの演技は最高にセクシーでした。助演女優賞のアンジェリーナ・ジョリーの出世作『17歳のカルテ』(1999年)のヤバげな少女はハマってました。デビューからのファンだったジェニファー・コネリーがすっかり大人の女優になって『ビューティフル・マインド』(2001年)で演技を認められたのはうれしかった。ペネロペ・クルスが監督ウディ・アレンの手にかかって、エキセントリックなアーティストに扮したのがこれまた見事ハマった『それでも恋するバルセロナ』(2008年)……今年はハビエル・バルデム一緒に出席して、やっぱりつき合ってるのね~、むっちゃ濃ゆいカップルだ。……まだまだ挙げたらキリがありませんのでこの辺で。


これからのアカデミー賞に思うことは

80年代以降の授賞作品は圧倒的に好きなものが、あまりない。ポピュラー音楽の世界と同様に、映画も商業主義になり過ぎちゃったんじゃないかなあと思うんです。80年代以降はカルトやマイナーなモノの中に本当に面白いものがあったなあと。30年の時を経た今も状況はあまり変わっていない?  いろんな新しい価値観が浮かんでは消え、トレンドは一周してスタンダードや王道に戻って……時代は回るワケですが、総括して、何だか昨今は全体的に、華やかなスター、強力なオリジナリティある企画が不足しているのでは? と思っているのは僕だけではないでしょう?  嘆いているだけでは、始まりません、少しでも映画が盛り上がるように、いちファンである僕も、女優を中心にウォッチしながら今後も発信していきたいと思います。ではまた次回!

イラストレーター・アーティスト。人物、女性をモチーフにしたポップ&キュート な作風を得意とし、各種媒体へイラスト提供。代表作は、読売新聞社・国立科学博物 館主催の「大顔展」の宣伝ビジュアル。現在は雑誌や新聞で映画レビューや旅行ルポ、 ダイエット記などを執筆しており文筆家としても活躍。2008年4月には「メタボ抜けたら ヨメが来た 男の食いしんぼダイエット」(オレンジページ刊・定価700円)を上梓。
著書 「ラジカル式 にんにく本」発売中!

ラジカル鈴木
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