|
つつましい気質とずば抜けた経理の才能で、幕末から明治へと激動の時代を生き抜いた御算用者(経理係)、猪山直之とその家族の生涯を描いた映画『武士の家計簿』。本作で主人公・猪山直之を演じ、近年、目覚ましい活躍を見せている人気俳優・堺雅人の魅力に迫ります! |
|
|
堺雅人の特徴を挙げる際にまず思い浮かぶのは、「ほほ笑んでいるような顔つき」。一見、朗らかに見えるけど何を考えているのかわからない……そんな二面性を感じさせる彼のミステリアスな雰囲気は、作品にも大いに生かされ、いくつもの知られざる顔を持つエリート・サラリーマンを演じた『アフタースクール』や、大胆不敵な話術で女性たちを手玉にとる伝説の詐欺師を演じた『クヒオ大佐』では、つかみどころのない人物像を巧みに演じ切り、観客を煙に巻くかのような不思議な味わいをもたらしました。この「何か途方もないことをしでかしそうなスリル」を感じさせる雰囲気は、彼の唯一無二の個性といえるでしょう。 |
|
|
「アフタースクール」
価格:4,935円(税込み)/発売元:クロックワークス、アミューズ/販売元:メディアファクトリー
(C)2008『アフタースクール』製作委員会 |
|
|
|
|
辛辣(しんらつ)な性格で同僚や上司の反感を買いながらも、天才的な医療技術を誇る救命救急センター長を演じた映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』。本作における最大の見せ場は、医療メーカーとの癒着を糾弾されたセンター長が、院内での会議で事の次第を明らかにするシーン。成り行きをクールに見つめていた彼が意外な本性を現すさまには、誰もが驚愕すると同時に胸を締め付けられるハズ。また、会社を辞め、グラビアカメラマンの父親と共に山荘でひと夏を過ごす青年をひょうひょうと演じた『ジャージの二人』では、浮気をしている妻への“拒絶”を示す一瞬のしぐさが異様な緊迫感を生み、「癒やし系ムービー」の体裁をとっていた本作に劇的な変化をもたらしています。そんな静から動の演技に切り替える微妙なさじ加減は、お見事のひと言! |
|
|
「ジャージの二人」
価格:4,935円(税込み)/発売元:TBSサービス/販売元:メディアファクトリー
(C)2008「ジャージの二人」製作委員会 |
|
|
|
|
詐欺師、新聞記者、医者、サラリーマンなど幅広い役をこなし、決して一定のイメージにとどまらないところも、彼の強みです。実話に基づく社会派ドラマ『クライマーズ・ハイ』の日航機墜落事故に取り組む新聞記者や、『南極料理人』で仲間に心のこもった料理を提供する南極観測隊員といった各界のエキスパートにふんしたかと思えば、サスペンス『ゴールデンスランバー』では首相暗殺の濡れ衣を着せられた平凡な青年に。その鮮やかな変幻自在ぶりに魅了されるとともに「次はどんな顔を見せてくれるのか」と、常に好奇心をかき立てられます。 |
|
|
「ゴールデンスランバー」(ブルーレイ)
価格:6,090円(税込み)/発売元:アミューズソフト/販売元:アミューズソフト
(C)2010「ゴールデンスランバー」製作委員会 |
|
|
|
|
主演最新作『武士の家計簿』で堺が演じるのは、江戸時代末期に実在した下級武士“そろばんバカ”こと、加賀藩の御算用者(経理係)・猪山直之。窮地に陥った家計を立て直すべく直之が発案した、驚くべき、痛快な「借金返済計画」とは……? という物語の設定を聞くと、正義感あふれるヒロイックな人物を想像しそうですが、本作で描かれるのは、等身大の父親像。堺はこの直之という人物について、「普通の武士の暮らしを描いた映画なので、威勢が良かったりせず、あまり仰々しくならないように演じました」とコメント。その言葉通り、彼が演じたのは、ひたすら家族を守ることだけを生きがいとする「つつましいお父さん」であり、不況の現代で切磋琢磨(せっさたくま)する父親たちの共感を誘うこと間違いなしです。
手塚治虫の代表作「ブッダ」をアニメ化した『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』、浅田次郎のベストセラー小説を映画化した『日輪の遺産』など、来年も新作がめじろ押しの堺雅人。まずは、冬の話題作『武士の家計簿』で、彼の魅力をたっぷり堪能してはいかが? |
|
|
『武士の家計簿』12月4日公開
(C) 2010「武士の家計簿」製作委員会 |
|
|
|
文・構成:シネマトゥデイ編集部 |
関連作品を配信サイトで視聴
※VODサービスへのリンクにはアフィリエイトタグが含まれており、リンク先での会員登録や購入などでの収益化を行う場合があります。