『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』前田敦子 単独インタビュー
自分がみなみちゃんとして、そのシーンで感じたまま演じていました
取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆 写真:高野広美
発行部数250万部を突破した大ベストセラー小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が、AKB48の前田敦子を主演に迎えて映画化された。本作は、高校野球部の女子マネージャーが、ふとしたことから手にしたドラッカーの経営学の本「マネジメント」の考えに基づいて、やる気のなかった野球部を改革していく姿を描いた青春ドラマ。真摯(しんし)に、ひたむきに、野球部の向上を目指す主人公・川島みなみ役で主演デビューを飾った前田が、作品への思い、そしてAKB48への思いを語った。
あっちゃんオリジナルの川島みなみ像が完成
Q:とってもさわやかな青春映画となりましたね!
そうですね! ドラッカーと聞くと、構えてしまうかもしれませんが、硬い話ではなくて、青春が全面に出たすごく観やすい映画になったと思います。
Q:原作は発行部数250万部を突破するベストセラーで、アニメ化もされましたが、実写版ならではの魅力はどこにあると思いますか?
原作は一つでも、アニメ、映画と出来上がればそれぞれイメージは違うと思うんです。今回は監督にもすごく自由に演じさせていただいたので、前田敦子的なオリジナルのみなみちゃん像になったと思います。
Q:まさに、あっちゃん「オリジナルの“川島みなみ”像ができた」と?
はい! 特に演技を意識するというよりも、自分がみなみちゃんとして、そのシーンで感じたまま演じていました。
あっちゃん、生まれて初めての野球に挑戦!
Q:作品の中では野球にも挑戦していましたね!
もう、すっごく難しかったです! 今まで、バッティングセンターにも行ったことがなくて、生まれて初めて野球に挑戦したんです。だから最初はバットの持ち方すらわからなくて、逆手になってしまったり……。基本からだったんで、大変でした! 一応女性用のバットを用意してもらったんですけど、どこに球が飛んでくるかもわからないし、ドキドキしながらバッターボックスに立っていました。
Q:野球部のマネージャーも初体験だったと思いますが、やってみていかがでしたか?
やっぱりマネージャーって言ったら、野球部ってイメージだったんですよね。わたし自身は、高校のときに部活に入っていなかったんですけど、もしやるとしたら、部活に入るより野球部のマネージャーがやりたかったんですよね。だから、擬似体験できて良かったです。
あっちゃん、青春を語る!
Q:高校球児にとって、甲子園はまさに青春の舞台。ご自身にとって、青春とはなんですか?
中学2年生でAKBに入ってから、わたしの青春はずっとAKBでした。学校にあまり行けなかったのは、ちょっと後悔していますが、生活のすべてがAKBだったので……。今も昔も、変わらず、AKBがわたしの青春です。
Q:AKBに入ったときと、今の自分、変わったと思うところはありますか?
あのころを振り返るとやっぱりすごく子どもだったので、今よりも意識が低かったなって思います。それに、あのときはあのときで楽しんでいましたが、今の方がずっと楽しめている気がします。
Q:中学2年生のときから一緒だからこそ、AKBの皆さんは仲がいいんですね!
本当にそうなんです! なんか、よく皆さんに「本当は仲悪いんでしょ?」とか、言われるんですけど、ほんっとに仲が良いんですよ。もちろんお互いがとてもいいライバルですが、それでも昔から一緒だからものすごく仲良しなんです。今回、映画の主演が決まったときも、みんなが喜んでくれたのでうれしかったです。
あっちゃんが目指す、これからの自分とは?
Q:今回は、映画の挿入歌「Flower」でソロデビューも決定しました。ついに! という感じですが、ソロデビューが決まったときの気持ちを聞かせてください。
ただ「ソロデビュー」というのではなく、「この映画の挿入歌のソロデビュー」ができるというのが、わたしにとってはすごく意味のあることなんです。映画を観ていても、自分の歌が流れてきたときはうれしかったですね。
Q:周りのメンバーの反応はいかがでしたか?
喜んでくれています! みんなで一緒のときに、メンバーが口ずさんでくれたりするので、そんなときが一番うれしいなって思います。
Q:最初に芸能界に入ったときに女優になりたいという目標があったと思いますが、これから、女優・前田敦子として、どんな活動をしていきたいですか?
女優は、わたしにとっての大きな目標だったので、今回、この映画に主演できたことで、いろいろなことを学ぶことができました。これからも、いただいた役柄にはどんどん挑戦していきたいと思います!
どんな質問にも、真っすぐに前を向いてはきはきと答える前田からは、自分の意見をしっかりと持った芯の強さを感じた。中学2年生のときにAKB48に入り、歌、ダンス、演技とひたすら努力をし続けたからこそ、今の前田がいるのだろう。本作の中で、川島みなみが強く感銘を受ける「(マネージャーに必要とされる資質は)才能ではない。真摯さである」という言葉のとおり、才能だけでは生きていけない芸能界で、真摯(しんし)な姿勢を貫いてきた前田は、これからももっともっと輝いてくれることだろう。
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映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』は6月4日全国公開