『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム/白き英雄 レシラム』石原さとみ 単独インタビュー
ポケモンは日本の誇りです!
取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美
シリーズ初となる2作品同日公開で話題の『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄 ゼクロム/白き英雄 レシラム』。かつて「大地の民の王国」として栄えた街、アイントオークにやってきたサトシと仲間たちが、不思議なパワーを持つ幻のポケモン・ビクティニに導かれ、異変に巻き込まれてしまった街を救うべく立ち上がる! 壮大な世界観で描かれる“劇場版ポケモン”最新作に、ゲスト声優として初参加した石原さとみが、ポケモンの思い出やアフレコで苦労したことなど、ポケモントークを繰り広げた。
アフレコでは「負けてたまるか!」の表現に苦戦!
Q:今回、声を担当した大地の民の末裔(まつえい)カリータを、どんな女の子だと思いましたか?
家族思いで愛情深い、とてもやさしい女の子なんですけど、巨大なポケモン・サザンドラを持っているんです。最初にカリータを見たとき、「こんなに大きなポケモンを操るくらいだから、活発で気の強いところがある女の子なんだろう」と思っていたら、まさにその通りでした。彼女の見た目のイメージから、声は高めにしたほうがいいのかなと思っていたんですけど、監督がわたしの低い声の方が合うとおっしゃられて、アフレコではなるべく声を低くして、強めに声を出すように心掛けました。
Q:バトルシーンなど、アフレコで苦労した場面もあったのでは?
サザンドラで戦っていて負けそうになるときに、弱々しく「きゃあ……」と言うのではなく、力強く「ああっ!」と声を出さなければいけなかったんです。わたしが普段出す声ではないし、言い方のバリエーションもあまりないので、すごく苦労しました。女の子らしい叫び声は出しやすいんですけど、「負けてたまるか!」という気持ちを声で表現するのって本当に難しい。「耐える」とか「悔しい」ときの感情を、声だけで表現するのが大変でした。
Q:カリータの母と兄の声は、大地真央さんとつるの剛士さんが担当していますね。共演していかがでしたか?
わたしがアフレコをしたときは、ゲストの方の声がすべてダミーの声優さんの声だったんです。だから、公開アフレコで皆さんの声を聞いて、「ああ、こんな感じなんだ!」ってすごく新鮮でした。皆さん本当に声の演技がお上手ですよね。わたしはアフレコにまだ慣れていないので、もっと勉強しなくちゃいけないなって思いました。
ポケモンは海外でも大人気!
Q:石原さんが小学生のときに大ブレイクしたポケモン。何か思い出があったら教えてください。
わたしが子どものころは、ポケモンって男の子のアニメだと思っていたので、正直なところあまり観ていなかったんです。ただ、ピカチュウのグッズはかわいくて大好きでした。ポケモンって海外でもすごく人気があるんですよね。海外で知り合った人から、「ポケモン知っている?」って聞かれることも多くて。
Q:そんなにもポケモンが世界中で愛される理由は、どこにあると思いますか?
ポケモンのキャラクターがかわいいのはもちろんですけど、アニメやゲームの技術も日本は優れていて素晴らしいから、世界中で人気を集めているのだと思います。それに、ストーリーも夢や希望を素直に描いているので、どんな国の人でも感動できるんでしょうね。ポケモンは日本の誇りです!
Q:今回の劇場版も、世界中の人が楽しめそうですね。
そうですね。かわいいポケモンがたくさん出てきますし、大人の方や女の人が観ても泣いてしまうポイントがあるので、どんな方にも楽しんでもらえると思います。特にバトルシーンは苦手という方にオススメしたいです。
石原さとみの意外な好物とは?
Q:本作に登場したポケモンの中で、一番のお気に入りといえば?
ピカチュウ以外で選ぶなら、やっぱり今回の映画で大活躍するビクティニですね。ビクティニはマカロンが大好物なので、映画を観ているとマカロンを食べたくなると思います。わたしもアフレコ中に「マカロンが食べたい!」って思ったらスタッフの方が事前に用意してくださっていたんです。収録の合間にずっと食べていました(笑)。
Q:そんなビクティニのように、石原さんにも「コレさえあればご機嫌!」という好物がありますか?
パクチーです! あの独特のにおいが苦手な人もいるみたいだけど、わたしは大好きなんです! 10代のころにベトナムに行って以来はまってしまいました。日本に帰ってきてからもあの味が忘れられなくて、今は家でパクチーを栽培しています。
Q:パクチーって、自宅でも簡単に栽培できるんですか?
意外と簡単ですよ! ……って言っても、実際に栽培しているのはわたしの母なんですけどね(笑)。パクチーは、生春巻きやサラダなどに入れるとおいしいんです。スイートチリソースも常備してあるので、自宅でベトナム料理を楽しんでいます。
Q:なるほど、石原さんはベトナム料理が得意なんですね。
それが、作るのも母なんです……(苦笑)。あ、でも、生春巻きは自分で作ったことがあります。基本的に、材料を切ってライスペーパーで巻くだけなんですけど(笑)。
Q:それでも料理には違いないですもんね!
そうですよね! すっごくおいしかったです!
理想の女性像は、心に余裕がある人
Q:ポケモンのアニメや映画を観ると、童心に帰ってしまう人も多いと思うのですが、石原さんの「ずっと大切にしたい子ども心」って何でしょう?
好奇心かな。子どもってすごく好奇心が強いじゃないですか。好奇心があるからこそ、何でも吸収できるのだと思うので、興味を持つ対象も自分で制限せずに、どんなことにも好奇心を持っていきたいです。
Q:本作のキーワードは「理想と現実」。石原さんが思い描く、理想の女性像とは?
「心に余裕のある女性」になりたいです。それは、「幸せ」っていう意味でもあるし、「童心」にも近いような気がします。「ウソをつかない」とか、「何に対しても正直でいよう」とか。それを無理やり実行しようとするのではなく、自然にできるようにしたいですね。小さな感情にとらわれずに、広く物事を見られるようになりたい。以前よりもいろいろなことに対して怒りを感じることが少なくなってきていて、もしかしたら、そんな自分の理想の女性に、本当に少しずつだけど近づけているのかな。
取材現場に置いてあったピカチュウのぬいぐるみを見るやいなや、「かわいい!」と瞳をキラキラさせた石原。そのぬいぐるみをギュッと抱きしめたままインタビューに応じる姿は、まるで幼い少女のような愛らしさ。だが、素顔はしっかりとした自分の考えを持つ、とても聡明な女性だ。そんな石原が、「海外の友人にプレゼントして喜ばれるグッズナンバーワン!」と豪語するポケモングッズ。今回の劇場版で初登場したビクティニも、ピカチュウに勝るとも劣らないキュートなキャラクターなので、世界中の人気者になることだろう。
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映画『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ/ビクティニと黒き英雄 ゼクロム』『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ/ビクティニと白き英雄 レシラム』は7月16日より2作品同日公開