ADVERTISEMENT

『セカンドバージン』 鈴木京香 単独インタビュー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
『セカンドバージン』 鈴木京香 単独インタビュー

自分が手にしているものの大切さを忘れずにいたい

取材・文:斉藤由紀子 写真:吉岡希鼓斗

45歳の女性出版プロデューサーと、妻帯者である17歳年下の会社社長との禁断の恋愛を描き、社会現象を巻き起こしたNHKドラマ「セカンドバージン」が、映画になってスクリーンに登場。今回の映画版では、ヒロインの中村るい(鈴木京香)と、るいが愛する鈴木行(長谷川博己)がマレーシアで運命的な再会を果たしたことから、行の妻・万理江(深田恭子)も交えた狂おしい恋愛模様が幕を開ける。恋に身を焦がす大人の女を体当たりで演じた鈴木が、ドラマと映画との違いや、自身の人生観についてじっくりと語った。

ADVERTISEMENT

映画ならではの深い愛を描いた物語

鈴木京香

Q:ドラマと同じ役で映画版に出演するというのは、鈴木さんにとって大きなチャレンジだったのではないですか?

とても難しい挑戦でした。ドラマでは、るいという大人の女性が、17歳年下の男性と恋に落ちていく過程を全10話の中でじっくり描いていきましたが、映画の場合は時間に限りがありますから、恋に落ちていく過程でのドキドキ感や不安というよりも、「どのくらいの深さで人を愛することができるのか」ということを考えていく必要があったんです。そこがドラマと映画の大きな違いですね。るいの心情をより深く表現しなければいけないので、ドラマ以上に集中して撮影に臨みました。

Q:るいと万理江、自分の力で人生を切り開いていく女性たちの生き方にも注目が集まりそうですね。

そうですね。映画のるいは、悩んでいるところや弱い部分も描かれていますが、自分を見つめること、行のすべてを受け入れることでたくましくなっていきますし、万理江は世間知らずのお嬢様かと思ったら、事業を起こしてしまうくらいの強さがあるんですよね。女性の強さを感じていただけるのではないかと思います。

長谷川博己の素顔は熱い男!

鈴木京香

Q:行役の長谷川さんは、「金融王子」というネーミングがピッタリな品の良さを感じさせる方ですが、実際の長谷川さんはどんな方なのでしょうか?

一見すると、クールで繊細な行のイメージとピッタリなのですが、実際の長谷川さんは、とても熱意のある熱い方です。現場でも、みんなで一緒に作ろうという気持ちの強い方なので、すごく助けられました。長谷川さんは映画出演が今回が初めてだとおっしゃっていて、初めて経験することが多くて大変そうでしたけど、監督やスタッフとも相談しながら映画の現場を理解しようとしていらっしゃいましたね。その真摯(しんし)な姿勢が素晴らしいと思いました。

Q:有能なキャリア女性のるいも、鈴木さんご自身のイメージと重なるのですが、役との共通点は多いと思いますか?

仕事が大好きというところは共通していると思います。あとは、責任感の持ち方も似ているところがあるような気がします。仕事以外のことで夢中になれるものができたとき、素直に心のまま行動できる人もいると思うのですが、るいの場合は、自分が置かれている立場や状況を先に考えてしまうんですよね。情熱的に行動を取れないというもどかしさもありますけど、人間としての責務をまっとうしようとして悩むことは、大人の女性として必要なことだと感じていますし、わたし自身も、先のことを考えずに行動してしまうタイプではなくて、慎重に物事を考えて悩んでしまうるいに近いと思います。

仕事と恋愛で悩むヒロインに共感

鈴木京香

Q:行と出会ったころは、恋愛よりも仕事が優先で、「欲張れば罰が当たる」と言っていたるい。そんなふうに感じているキャリア女性も多いと思うのですが、鈴木さんはどう思いますか?

仕事と恋愛で悩む女性って、本当に多いと思います。るいはいろんなことをあきらめて、ひとつのことに集中しているからこそ、いい仕事を与えてもらっているのだと考えているんでしょうね。だから、「ほかのものを求めてはいけないのではないか?」と思ってしまう。そんな彼女の気持ちは、すごく理解できます。わたしも今の仕事がとても充実していて、幸せだと感じているので、るいのように、自分が手にしているものの大切さを忘れずにいたいという気持ちが強いんです。

Q:もっと欲張りになってもいいとは思いませんか?

わたしは、「全部は欲しくない」という思いがあります。いらないというわけではないんですけど、手にしているものの良さを十分に理解したら、そんなにほかのものに気持ちがいかないんだと思います。

Q:そんなふうに思えるほど大切なものがあるということは、本当に幸せなことですよね。

そうだと思います。自分が幸せであることに感謝して、人の持っているものをうらやましがらないということも大事なような気がするんです。『セカンドバージン』は、今、与えられているものの大切さを考えるきっかけになる作品なのかもしれません。だからこそ、多くの方が共感してくださったり、面白いと言ってくださるのかな、なんて思ったりもします。

美しさの秘けつは、ひたすら休むこと?

鈴木京香

Q:鈴木さんのような美しい大人の女性にあこがれるファンも多いのですが、普段から美容や健康面で意識されていることはありますか?

撮影に入ってしまうと、自分の体調に合わせて動くことができなくなりますから、疲れやストレスのようなものに気付かないふりをしてしまうんです。とにかく、突進していかないといけないことが多いので、撮影がないときは自分のしたいように自由にしています。お休みのときくらいは自分を一番にかわいがってあげたいというか、自分のやりたいことを最優先にしたいんです。例えば、仕事のときは、「疲れたから寝たい!」って体が訴えていたとしても、そうすることができないんですよね。だから、普段の自分は慈しんであげないといけないなと思って・・・・・・。まあ、ひたすら休んでいるだけ、という説もありますけど(笑)。

Q:そんな自分への、とっておきのご褒美といえばなんでしょう?

旅行が好きなので、長く時間が取れたらいつもとは違う場所に体を移動したいですね。自然の美しい空気のきれいな場所で、ただただダラダラしていたい(笑)。自分自身が一番リラックスできるように過ごしたいですね。わたしは普段から、「こうしなきゃけいけない」とか、「こうするべきだ」とか、あまり考えないようにしているんです。そのときの自分の気持ちに正直に過ごしていきたいと思っています。


鈴木京香

ひとつひとつの質問に誠心誠意答えてくれた鈴木京香は、とても大きなオーラの持ち主だ。「今が本当に幸せ!」と言い切ったときの朗らかな笑顔が、女優という仕事に対する誇りと情熱を物語っていた。人気ドラマを同じキャストで映画化するという試みによって、またひとつ輝かしいキャリアを築いた鈴木が、スクリーンに焼き付けた切なくも美しい愛の物語は、ドラマファンのみならず、多くの映画ファンを魅了することだろう。マレーシアのイポーで撮影したという、エキゾチックな景観にも注目してほしい。

映画『セカンドバージン』は9月23日(金・祝)公開

最新インタビュー

インタビュー一覧 »

ADVERTISEMENT