『カイジ2~人生奪回ゲーム~』藤原竜也、伊勢谷友介、吉高由里子 単独インタビュー
演者が楽しんだだましだまされのデッドヒート!
取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆 写真:吉岡希鼓斗
累計1,800万部を超える人気コミック「カイジ」シリーズの実写化第2弾『カイジ2~人生奪回ゲーム~』。原作者の福本伸行が脚本に参加し、映画だけのオリジナルストーリーが描かれる本作は、手に汗握るハラハラドキドキの心理戦が魅力。前作に続き、主人公カイジを演じる藤原竜也、カイジをピンチに陥れる裏カジノの支配人・一条役の伊勢谷友介、ヒロインの吉高由里子が、それぞれの印象、撮影の裏話を明かした。
キャスト陣で、一番だまされやすいのは?
Q:裏切りに次ぐ裏切りで、最終的に誰を信じればいいのかわからなくなるほどの手に汗握るストーリー展開でしたが、皆さんの中で一番だまされやすいのは誰だと思いますか?
伊勢谷友介(以下、伊勢谷):人生ひっくり返っちゃうほどのだましであれば、一番人生経験が少ない吉高さんじゃない?
吉高由里子(以下、吉高):確かに、ちっちゃかろうが、おっきかろうが、わたしだと思いますね。だって、現場で藤原さんがついてきたうそに、何回もだまされましたから!
藤原竜也(以下、藤原):そうかな!? おれ、あんまり人をだますタイプではないと思うんだけど……。
伊勢谷:人生ひっくり返っちゃうほどのうそつきだったら、かなりひどいやつだけど、そうじゃなくて、藤原くんは、ちょいちょい小ネタのうそを放り込んでくるタイプだよね。
吉高:そうなんです。しかも演技がうまいから、信じちゃうんです。本当のことだと思っていたら、2週間後に「あれ、うそだから」って言ってきたりして……2週間後ですよ! うそが長いんです。
藤原:そう言われると、おれ、カイジとは真逆な性格の気がしてきた……。
吉高&伊勢谷:絶対逆だよ!(笑)
藤原が現場で台本を読み込んでいたワケ
Q:皆さん、初共演とは思えないくらい仲良しですね! 役者としての、お互いの印象を教えてください。
吉高:藤原さんは、現場でずっと台本を読んでいて、すごくまじめな方だと思いました。
藤原:あれは、香川さんと生瀬さんがずっと話しているから、あっちの世界に入らないように、「台本」という名の壁を作っていただけだよ。
吉高:香川さんと生瀬さんもそうですけど、伊勢谷さんも現場ではテンション高かったです。でも、あれ? いなくなったなって思うと、スタジオの誰もいないところで、こっそり一人で集中していて。「わ! テンションを戻しているんだ!」って、夢のない伊勢谷友介を見てしまいました。エリートだと思っていたのに!(笑)
伊勢谷:見ていたのか! でも、吉高さんが捜してくれていたと思うと、ちょっとうれしいですね。藤原さんは、舞台経験も豊富な役者さんなので、演技の構築の仕方がとても勉強になりました。僕は、今まで舞台は経験したことがなかったのですが、藤原さんと仕事をしたことで、舞台への興味を持つことができました。
藤原:それはうれしいですね。僕は、伊勢谷さんとの共演では、ラストに向かってお互いにテンションを高めていくお芝居をできたのが、とても楽しかったですね。吉高さんは、共演者にも大人にも愛されるとっても得な性格の女性だと思います。今回共演した役者さんは皆さん、本当にプロフェッショナルだったので、現場はとても刺激的でした。
吉高:なんだか、ほめられるのはうれしいですね! もうちょっと聞きたいなあ(笑)。
吉高由里子が語る藤原と伊勢谷の素顔
Q:和気あいあいの現場だったようですが、撮影中に気付いたキャストの意外な一面があったら、教えてください。
吉高:藤原さんは、すごく紳士でしたよ。
藤原:この現場だと、紳士に見えるだけですよ。周りが、ダメなんです(笑)。
吉高:確かに! 香川さんと生瀬さんは、ずっとくだらない話をしていたし、伊勢谷さんは、現場でエキストラの女の子たちをなめ回していましたし……。
伊勢谷:何の現場だよ!
吉高:あ、間違えた。なめ回すように見ていましたし(笑)。わたしだってコスプレしてメイドの格好をしていたのに、藤原さんも、伊勢谷さんもわたしには一言の感想もないんです! 二人とも、わたし以外の女の子の感想ばっかりでした。
藤原:そんなことないよ! すごく似合っていたし。
伊勢谷:……だめだ、吉高由里子が隣でしゃべっていると、汗をかく。
三人のうち、一番の強運の持ち主は?
Q:本作でカイジは、人生をかけたギャンブルに挑んでいくことになりますが、ギャンブルに限らず、皆さんは、人生において、大きな賭けに出ていくタイプだと思いますか?
藤原:僕は典型的なギャンブラーだと思いますね。賭けるとなれば大きく賭ける方です。だから原作を読んでいても、ものすごく熱くなってしまうことが多いんですよ。
伊勢谷:僕は、一人親だった上に、貧乏症なのでギャンブルは一切できないんです。人生の上でもあまり大きな賭けには出ない方。かなり慎重なんです。
藤原:それが正しいのかもしれませんね。
Q:勝負運はある方だと思いますか?
藤原:うーん。勝つときも、負けるときも、そのときの運によりますからね。
伊勢谷:でも一番運が強いのは……(伊勢谷と藤原二人で、吉高を指さして)彼女でしょ。
吉高:わたし、占い師さんに女社長になるって言われたことならあります!
藤原:そうそう! 吉高さんは、そういう運がありそうなんですよ。
Q:吉高さんは、ギャンブラーな男の人は好きですか?
吉高:いいと思います。うちのお父さんも、麻雀はしていたので。けど、あまり深入りしない、健全なギャンブルができる人がいいですね。
もし劇中のギャンブルに挑戦するなら……。
Q:本作には、「地獄チンチロ」「姫と奴隷」「人喰い沼」というギャンブルが登場しますが、もし挑戦するなら、どれがいいですか?
藤原:おれは「人喰い沼」! 一発4,000円ですよ! もう、スタートから何発買おう……って悩んじゃいそう。
伊勢谷:えーおれはどれもやだ! 本当にギャンブルは怖くてできないんです。どれも絶対にやりたくない! でも、どうしても選ばなければならないなら、機械を信じるより、人を信じたいから、「姫と奴隷」と美しい理由で選択しておきます。
吉高:でも、わたしも「姫と奴隷」がいいです! お金を賭けるのではなくて、自分の命を賭けるって、何か潔いじゃないですか!
伊勢谷:でも、もし裏切られて死んだら、すごく恨んで死んでいくことになるよね。死んでしまう瞬間の恨みのことを考えたら、やっぱり機械である「人喰い沼」がいいかもしれません……。
藤原:この映画、見終わったら、みんなこんな話になりそうですね(笑)。そうやって盛り上がっていただけるのもうれしいですが、エンターテインメント性の高い作品に仕上がったので、それを映画館で感じていただけたらと思います。
普段はクールなイメージの藤原と伊勢谷だが、そんな二人も吉高ワールドにタジタジ! 一つの質問で大いに盛り上がり、笑い合う三人からは、和気あいあいとした現場の雰囲気が伝わってきた。作中では対立する藤原と伊勢谷が、役者としてお互いをリスペクトしている気持ち、そして紅一点のヒロインである吉高へ向けられる優しさ。本作は、彼らのチームワークでできた作品といえるだろう。実力派俳優たちが一丸となって、観客をだましにかかる、一大エンターテインメント。ぜひ堪能してもらいたい。
(C) 福本伸行・講談社 / 2011「カイジ2」製作委員会
映画『カイジ2~人生奪回ゲーム~』は11月5日全国公開