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『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』ASIAN KUNG-FU GENERATION 単独インタビュー

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『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』ASIAN KUNG-FU GENERATION 単独インタビュー

世の中は理不尽なんだってことも学習しないといけない

取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆 写真:吉岡希鼓斗

累計発行部数1億2,000万部を超えている人気コミック「NARUTO -ナルト-」の劇場版第9弾『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』は、テレビアニメ化10周年を記念して、原作者である岸本斉史が自らオリジナルストーリーを書き下ろした意欲作。主題歌「それでは、また明日」を歌うのは、デビュー後まもない2003年、「遥か彼方」をアニメ版オープニングテーマに提供したASIAN KUNG-FU GENERATION。約9年ぶりのコラボを実現させたアジカンが、「NARUTO -ナルト-」の魅力を語った。

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9年ぶりのコラボレーション!

ASIAN KUNG-FU GENERATION

Q:アニメ主題歌を担当されて以来、実に9年ぶりの楽曲提供となりましたが、新曲の「それでは、また明日」はどのように作られたんでしょうか?

後藤正文(以下、後藤):「遥か彼方」は、山田くんのベースイントロから始まる楽曲だったので、今回も山田くんのフレーズから始まるようにするのが面白いんじゃないかと。そこからみんなで話し合って作っていきました。

Q:9年の間に、ストーリーもずいぶん進んでいますよね!

後藤:そうですね。久しぶりにコミックを読んだのですが、僕らが前回主題歌を担当していた当時はナルトとサスケがまだ仲間だったので、二人の関係もだいぶすごいことになっていてびっくりしました。ストーリーの結末はどうなってしまうのかが、まったくわからない! 取りあえず、僕としては穢土転生(えどてんせい)を早く封じ込めろって思っています。サソリなんてやっとやっつけたのにすぐ生き返っちゃったしね。え~っまじか、もう一回戦うの!? って。俺だったら、もう忍者やめてるかもしれないですね(笑)。

伊地知潔(以下、伊地知):僕もコミックは、今回初めて読ませていただきました。最初は、60巻もあったので正直おじけづいたんですが……、いやあ面白いですよね! 後藤と二人で「NARUTO -ナルト-」に関して話すときも、やっぱり穢土転生問題が議題になっていましたね。

後藤:あれは、技としてヤバ過ぎる!

アジカン、少年時代を語る!

ASIAN KUNG-FU GENERATION

Q:劇場版が「ROAD TO NINJA」というタイトルであるように、ナルトの夢である上忍への道はまだまだ続いています。皆さんが、ミュージシャンへの道を志したのはいつでしたか?

後藤:高校生のときに親父のギターを一度弾いてみたことがあったんですけど、弦高が高すぎて挫折したんです。実際に音楽をやろうと思ったのは、18歳くらいです。子どもの頃は、プロ野球選手になりたかったですね。

喜多建介(以下、喜多):僕もプロ野球選手でしたね。

山田貴洋(以下、山田):小学校のとき、ほうきでベースを弾いているふりをしている先生がいたんですよ。「これはギターじゃない。ベースなんだ」って。その頃から、バンドを組んでみたいって気持ちはありましたね。

Q:少年時代のナルトは、イルカ先生に怒られている問題児でしたが、後藤さんは、どんな小学生だったんですか?

後藤:先生に、よく怒られていましたよ。先生に怒られているやつらのところを、俺が通り掛かって、ちょっと面白くて笑っちゃったんです。そしたら代表して俺が殴られちゃって(笑)。でもそれを親に報告したら、親の理解力がないのか、俺が悪いって言われて、もう一度先生に謝りに行くはめになったんです(笑)。先生には、「親に謝って来いって言われたので謝りに来ましたが、なんで殴られたのかわかりません。でもごめんなさい」って素直に言ったんです。そうしたら、先生も「俺もなんで殴ったかよくわからない。悪かったな」って(笑)。そんな事件もありましたよ。

Q:ナルトもイルカ先生に、よくゲンコツされていますよね。

後藤:俺は、先生は殴っていいって思っています。もちろんケガさせてしまうほどはダメだと思いますけど。俺みたいに「なんで殴られなきゃいけないんだよ」ってこともあるけれど、世の中は理不尽なんだってことも学習しないといけないと思うんです。それで、今みたいにこうやって思い出してひと笑いできればいいんじゃないかなって。ナルトに出てくる先生たちって、ゲンコツはするけど悪い先生はいないんですよね。

岸本先生との対談

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Q:今回、初めて原作者の岸本先生と対談されたそうですが、どんなお話をされたんですか?

後藤:岸本さんと話をしたとき、キャラクター一人一人の設定がすごく細かくて、伏線を緻密に考えていらっしゃることにびっくりしました。少年漫画とは思えないくらい複雑で、実際、おじさんたちは、脳が崩壊しかかっちゃうくらい整理するのが大変なんですが、意外に子どもたちのほうが、ちゃんとついていけるんですよね。少年漫画としての新しい時代を感じました。

Q:アメリカやフランスでもものすごい人気ですが、海外での人気の秘密はどこにあると思いますか?

後藤:岸本さんとお話ししたときに、なるほどな、と思ったことがあったんです。先生自身が意図して描かれたということなんですが、ナルトって金髪で目が青いんですよね。

伊地知:確かに!

後藤:それは日本の話じゃなくなっていて、描き方が多国籍なんです。そういう先生ならではの技が、実は関係しているんじゃないかなと思いますね。

ナルトが世界中から愛されるワケ

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Q:世界中から愛されている主人公のナルトは、男性から見て、どんなところが魅力だと思いますか?

後藤:かっこいいし、仲間思いだし、こういうやつがクラスに一人いたら絶対面白い。男子がナルトに憧れるところじゃないでしょうか。たしかにナルトはすごく成長したけど、性格は少年時代と変わらずに真っすぐなままで、強さだけがどんどん増している感じがするんですよね。その分、逆にサスケの病みっぷりが心配(笑)。サクラとの関係も、どうなるか気になるところですね。

Q:最後に、劇場版への期待を語っていただけますか?

後藤:今回の劇場版では、家族や仲間との絆が描かれています。震災以降、家族の絆に対してみんなの意識が高まっているときに、子ども向けでもあり、親子で行っても、大人も楽しめる映画で、人間同士の絆が、どんなふうに描かれているのかというのは興味がありますし、とても楽しみにしています。


ASIAN KUNG-FU GENERATION

普段はクールな印象の後藤は、「穢土転生」の話になると子どものように目を輝かせて語っていた。大人もつい熱くなってしまうのが、本作の魅力の一つだろう。「遥か彼方」をほうふつさせるベースラインから始まる「それでは、また明日」を聞けば、ナルトが歩んできた長い歴史が一気によみがえってくるはず! 9年ぶりのコラボレーションを、ぜひ劇場で楽しんでもらいたい。

(C) 岸本斉史 スコット / 集英社・テレビ東京・ぴえろ (C) 劇場版NARUTO製作委員会2012

主題歌「それでは、また明日」は7月25日発売

映画『ROAD TO NINJA -NARUTO THE MOVIE-』は7月28日より全国公開

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