『コドモ警察』鈴木福&北乃きい 単独インタビュー
成長していく“コドモ警察”の映画を毎年撮りたい!
取材・文:須永貴子 写真:高野広美
“心は大人のまま、体だけ子どもになってしまった刑事”を人気子役たちが演じるという奇想天外な設定の映画『コドモ警察』。特殊捜査課のボスであり、主人公のデカ長を演じる鈴木福と、特殊捜査課のメンバーであるエナメルの元恋人・絵里子を演じた北乃きいが、作品の魅力や現場でのマル秘エピソード、二人の意外な関係について語った。
これを観るために日本に来る価値あり!?
Q:完成した映画を観た感想はいかがですか?
鈴木福(以下、鈴木):最初から最後までぜーんぶ面白かった! 何回でも観たくなる映画だと思います。
北乃きい(以下、北乃):福くんをはじめ、みんなのアクションシーンがすごく迫力があって、映画館で観てほしい映画だなって思いました。どんな年代の方も楽しめると思います。
鈴木:うん、誰でも楽しめる。世界中の人に、この映画を観るために日本に来てほしいです。
北乃:あはは! 本当にそうかもしれない。言葉がわからなくても、こういう種類のコメディーやアクションは世界共通で楽しめる作品だと思います。グローバルなスケールで楽しんでもらえそうですね。
鈴木:ね!
北乃:この作品の魅力って、“みんなが真剣に演じている”というところだと思うんですよね。わたしは最初、どこまでコメディーにもっていけばいいのかわからなかったのですが、監督と話して、本気でやるから笑える作品になるんだなって。だから本番では、一切ふざけずに真剣にやりました。映画にも、捜査中のデカ長たちが、我慢できずに川で遊んでいるというシーンがあるのですが、子どもの部分がどんどん出てきちゃうところとか、おかしくて笑っちゃいました。
鈴木:あの川に行く途中のサービスエリアでは、たこ焼きとかソフトクリームとか食べるシーンがあって、おいしくて楽しかったんだよ!
Q:映画には、絵里子とエナメルがデートをするシーンもありましたが、福くんは、そのシーンを観て、どう思いましたか?
鈴木:いつものエナメルに比べると、デレデレしていたかも……? でもなんか、エナメルが格好良かった!
北乃:(エナメル役の)相澤侑我くんはすごく一生懸命でおとなしかったんです。普段はにぎやかな子らしくて、スタッフさんから「いつもの元気どこいったんだよ!」とからかわれていました。でも、本番になると監督の演出に応えようとして、一生懸命練習していて、真面目だなあと思いました。
Q:北乃さんから観た福くん演じるデカ長の魅力はどこだと思いますか?
北乃:冷静で懐が大きいから、みんなが頼れる存在ですよね。
鈴木:石原裕次郎さんみたいにやっただけです(キリッ)。
北乃:あはは!
Q:裕次郎さんみたいに演じるにはどうしたらいいですか?
鈴木:んー、50歳のおじさんだから、声を低く出すようにはしました。あとは、渋い感じを出すようにがんばりました。
Q:北乃さんは絵里子を演じるときにどんなことを意識しましたか?
北乃:子役と共演するときは、どんな作品でも子どもではなく一人の俳優として接するようにしています。特に相澤くんは大人っぽくてしっかりしていたので、自然にできたと思います。ただ、相澤くんの目線に合わせるためについ体をかがめてしゃべったりすると、監督から「それはナシで」って言われることがありました。この映画では、子ども扱いをしたくないということでしたので、そこは気を付けました。あと子どもたちのお芝居がうまくいったときに自分がNGを出して台無しにしちゃいけないというプレッシャーはありました。
二人をつなぐキーパーソン、勝地涼
Q:実はお二人の共演シーンは少ないんですよね!
北乃:そうなんです。唯一撮影が一緒だった日も、日が沈む前に撮らなきゃいけなかったから、現場がバタバタしていて……。
鈴木:あんまりお話しできなかったね。でも、北乃さんはすごく優しかった。
北乃:実は、福くんとは直接の絡みはなかったのですが、同じ作品に出たことがあるんです。
鈴木:え? なんだっけ?
北乃:「流れ星」(2010)。
鈴木:あー! 僕が1話だけ、ゲストで出たドラマだ!
北乃:同じシーンがなかったので、今回、念願の共演だったんです。
Q:お二人をつなぐ存在としては、勝地さんが、北乃さんにとっては同じ事務所の先輩で、福くんにとってはドラマでずっと共演してきたお兄さんですよね? どんな人ですか?
鈴木:ものすごくお芝居ができて、優しくて、かっこよくて、いろーんなことを教えてくれるすごいお兄さんです。
北乃:わたしが初めて勝地先輩と共演させてもらったのは10代半ばだったんですが、勝地先輩と福くんを観ていると、男と男の関係はまた違うなあ、うらやましいなあって思います。勝地先輩は事務所でもムードメーカーですけど、どちらかというと真面目にお芝居の話をすることが多いので、福くんたちと一緒にいる勝地さんは新鮮でした。男の子たち! っていう感じ。本当に福くんのことがかわいいみたいで、福くんを撮った画像とかが携帯にメールで送られてきます。
鈴木:うん。たまに撮られたり、一緒に撮ったりしていました。
北乃:それを見るだけですっごく癒やされます。
鈴木:抱っことかしてくれるんだよ! うれしい。
北乃:勝地さん、ポーンって軽々と福くんを抱っこするんですよね!
鈴木:うん、膝の上にポーンって乗せてくれます。
Q:福田(雄一)監督はどんな人ですか?
鈴木:優しくて面白い人!
北乃:好きなようにお芝居をさせてくれる方です。
鈴木:「なーにー!?」っていうセリフを言うと、大きな声で笑ってくれるのがうれしかった。あと、「いだきつつある」みたいな難しい言葉を言うときも「ハッハッハー!」って笑ってくれました。
「もしも○○だったら……?」
Q:もしも北乃さんが、コドモ警察の特殊捜査課の人たちのように、心が大人のまま体だけ子どもになってしまったら、子役としてお仕事をすると思いますか?
北乃:します! 楽しいと思います。
Q:では、彼氏のエナメルが子どもになってしまった絵里子のように、自分の恋人が、突然子どもの体になってしまった場合は、交際し続けますか?
北乃:(無言で首を振る)……難しいですね。
鈴木:でも、(大人に)戻ったらいいじゃん!
北乃:そうだよね(笑)。いつになるかわからないけど……でも、一緒に戻る方法を考えます。
Q:特殊捜査課のメンバーは無事に大人になるのでしょうか?
鈴木:ならないで、一年ずつ、僕らと同じ感じで大きくなっていって、毎年映画を撮りたい。
北乃:それ、面白い!
鈴木:それでね、アクションもいろいろやりたい!
北乃:わたしもアクション大好き! 福くんはどんなアクションがしたい?
鈴木:エナメルとブルみたいに、ワイヤーアクションをやりたい! 壁を歩いたり!
北乃:スパイダーマンみたいなやつ?
鈴木:そう! あとは水上バイクと、スノーモービルと、普通のバイクに乗りたいです。
実は共演シーンがわずかだった二人。対談は、子どもとの共演に慣れている北乃が終始鈴木を気遣いリードする、ほんわかムードに包まれた。一転、写真撮影中はデカ長モードで表情とポーズを決める鈴木に、北乃が笑いっぱなし! どんな質問にもしっかりと答えてくれる鈴木だが、恋愛関係の質問だけは苦手な様子。今後、二人で共演するとしても、「10年後に恋人同士役」よりも「姉弟役で家族ドラマ」をやりたいとのこと。ぜひ実現してもらいたい。
(C) 2013映画「コドモ警察」製作委員会
映画『コドモ警察』は3月20日より全国公開