みんな大好き!ジョニー・デップ キャラクターベスト10 今週のクローズアップ 2013年8月2日 今や日本におけるハリウッドスター人気ナンバーワンといえる大スター、ジョニー・デップ。その甘いマスクやファンを大切にする優しい人柄はもちろんだが、二枚目にもかかわらずいつも変な役を演じるところが何といっても彼の魅力。そこで今週は、ジョニーがこれまでに演じてきたちょっと変わったキャラクターたちを独断と偏見でランク付けしたベスト10と共に、それにまつわるこぼれ話やジョニーの人となりを振り返ります! おなじみティム・バートン監督との6度目のタッグで、トニー賞を受賞したブロードウェイミュージカルを映画化。無実の罪で投獄されている間に、愛する妻と娘を奪われた理髪師が姿や名前を変え、かつて自分を陥れた男への復讐(ふくしゅう)に燃える姿を描く。共演はヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、サシャ・バロン・コーエン。 ジョニーお得意の白塗りをしたビジュアルもさることながら、本作では本格的な歌声を初披露していることにも注目。もともとジョニーは俳優としてデビューする前、The Kidsというバンドのギタリストとしてイギー・ポップの前座を務めたり、近年ではマリリン・マンソンやエアロスミスのアルバムにゲスト参加するなど、音楽に造詣が深い。昨年、『ダーク・シャドウ』のPRで来日した際にも、わざわざ東京・新大久保にあるビンテージギターショップに立ち寄り買い物をして帰ったとか。 歌も歌えちゃうジョニー 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』より DreamWorks LLC and Warner Bros. Entertainment/Photofest/ゲッティ イメージズ キューバの亡命作家レイナルド・アレナスが死の直前につづった同名自伝を、『潜水服は蝶の夢を見る』のジュリアン・シュナーベル監督が映画化した感動作。カストロの独占政権下、作家や同性愛者であることを理由に迫害を受けながらも、自分の信念を貫き通すアレナスの生きざまを映し出す。主演は本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、その名を世界にとどろかせた『ノーカントリー』『007 スカイフォール』のハビエル・バルデム。 お目当てのジョニーはというと、直腸に何でも詰め込むことのできる女装の運び屋・ボンボンと、アレナスに作品を破棄するか死ぬかの選択を迫るオールバックのハンサムなビクトル中尉という二役で出演。どちらも知らずに観たら、ジョニーだと気付かないんじゃないかというほどの小さな役だが、ジョニーの美しすぎる女装姿はそれだけで一見の価値あり! 映画序盤にはショーン・ペンもちょい役で出演しているのでお見逃しなく。 美しすぎるジョニーの女装姿……! こっちもジョニー! 『夜になるまえに』より Photofest/ゲッティ イメージズ 1960年代に放送されたテレビドラマを基に、魔女によりヴァンパイアにされ、200年もの間生き埋めにされていた男とその末裔(まつえい)たちを描いたファンタジー。同シリーズのファンであったジョニーがまたも白塗りで主人公バーナバスを演じている。額にぴったりくっ付いた前髪が特徴。 ジョニーとティム・バートン監督がタッグを組むのはこれで8回目。そんなバートン監督について、ジョニーはThe Sunのインタビューで「ティムは素晴らしい友人で、才能あふれる監督だ。彼がいなかったら、B級ホラーに出ているマイナーな俳優になっていただろう。彼の頼みならどんな映画だって、どんな役だって演じるよ。兄弟のように大好きなんだ」と語っており、絶対的な信頼を寄せている様子。次はいったいどんな作品に? またも白塗り 『ダーク・シャドウ』より ブルーレイ 2,500円(税込み) / DVD 1,500円(税込み) ワーナー・ホーム・ビデオ 『12モンキーズ』『ブラザーズ・グリム』の鬼才テリー・ギリアムが、ハンター・S・トンプソンの原作を映画化したロードムービー。大量のドラッグを車に詰め込み、バイクレースの取材のためにラスベガスへ向かったスポーツ記者ラウル・デューク(ジョニー)と、サモア人の弁護士ドクター・ゴンゾー(ベニチオ・デル・トロ)が行く先々で騒動を巻き起こしていく。トビー・マグワイア、キャメロン・ディアス、クリスティナ・リッチ、エレン・バーキンもちょこっと出演。 何といっても本作で衝撃的なのがジョニーのハゲ頭! 初めは帽子をかぶっているためわからないものの、取ったとたんに出現するジョニーに似つかわしくないそのお粗末な姿は思わず二度見してしまうこと間違いなし。ちなみに、ジョニー演じるラウルのモデルでもある原作者のハンターとジョニーは10年来の親友。ハンターは2005年に拳銃自殺で亡くなってしまったが、ジョニーは2011年製作の『ラム・ダイアリー』で今は亡き彼の小説を映画化。撮影中もハンター用のディレクターズチェアを用意するなど、常に親友の存在を忘れなかったという。何とも泣ける話。 帽子を取ると…… 『ラスベガスをやっつけろ』より PETER MOUNTAIN56/UNIVERSAL/The Kobal Collection/WireImage.com 約50年も世界で親しまれ続けているロアルド・ダール原作の児童書を映画化したファンタジー。おかっぱ頭にシルクハットがトレードマークの怪しいチョコレート工場主ウィリー・ウォンカに招待され、工場を見学することになった5人の子どもたちが体験する不思議な世界をブラックユーモアたっぷりに描く。ジョニーとバートン監督による4度目のタッグ。 子どもが大嫌いなウィリーだが、ジョニー自身は元恋人ヴァネッサ・パラディとの間に2人の子を持つ。本作の撮影現場にも子どもたちを招待したというが、当時幼かった息子のジャックくんはお父さんの姿にかなり驚いた様子で、「変なの」とダメ出しされてしまったとか。先日も最新作『ローン・レンジャー』のためにジャックくんをはじめ、娘のリリー・ローズちゃんや『ラム・ダイアリー』で共演した新恋人のアンバー・ハードを引き連れて来日するなど、相変わらず家族思いのパパのようだ。 これが似合っちゃうってやっぱジョニーすごいです 『チャーリーとチョコレート工場』より Warner Bros./Photofest/MediaVast Japan 『グレンとグレンダ』『プラン9・フロム・アウター・スペース』などの迷作を生み出し、“史上最低の映画監督”と評されたエドワード・D・ウッド・Jr(通称エド・ウッド)の半生を彼のファンであるティム・バートン監督が愛情たっぷりに描いた伝記的映画。製作費もセンスもないが、映画への情熱だけは誰にも負けない青年エドが、ふと知り合った往年の俳優ベラ・ルゴシをはじめとする変わった仲間たちと共に低予算映画の制作に奮闘する。 『夜になるまえに』でも見事な(?)女装姿を披露していたジョニーだが、本作でも実際のエドが女装趣味を持っていたため女装シーンが何度も出てくる。とはいえ、『夜になるまえに』のボンボンの強烈さと比べればまだかわいいものかも……。そんな女装癖を告白されるエドの恋人役には『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズでブレイクする前のサラ・ジェシカ・パーカー。実在のベラ・ルゴシを演じたマーティン・ランドーは本作の演技でアカデミー賞助演男優賞に輝いた。 “史上最低の監督”でも愛すべきキャラクター 『エド・ウッド』より Buena Vista Pictures/Photofest/MediaVast Japan 児童小説家ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」とその続編「鏡の国のアリス」を基に、19歳になったアリスの新たな冒険を描いたファンタジー大作。ジョニーはストーリーの鍵を握る謎の帽子屋マッドハッターを演じている。赤毛に緑の瞳、そしてもちろん白塗りというピエロのような見た目が特徴。 現在は、何と本作の続編製作が始動中! すでに第1作の脚本家リンダ・ウールヴァートンが執筆を開始しており、ジョニーとは出演交渉の最終段階に入っているもよう。残念ながらバートン監督は降板となってしまったようで、代わりに『ザ・マペッツ』のジェームズ・ボビン監督がメガホンを取ると報じられている。アリス役のミア・ワシコウスカをはじめ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイら他キャストの動向も気になるところ。 改めて見るとなかなか強烈!? 『アリス・イン・ワンダーランド』より (C) Disney 『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのゴア・ヴァービンスキー監督&プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーと再タッグを組んだアクション・アドベンチャー。テレビドラマや映画にもなった人気西部劇を基に、悪霊ハンターのトント(ジョニー)と彼によって瀕死(ひんし)の状態からよみがえった正義のヒーロー“ローン・レンジャー”(アーミー・ハマー)が巨悪に立ち向かう姿をユーモアとアクションを交えて描き出す。トントの頭の上に乗っているカラスは、彼にとって魂を導いてくれる生きた存在。 本作の見どころは冒頭やクライマックスで登場する列車を駆使したド派手なアクションシーン。ブラッカイマーはそのために19世紀の機関車を3台も作り、ジョニーとアーミーは実際に時速約64キロで走る列車の上で、手錠につながれたまま走るスタントを演じている。乗馬のシーンではジョニーが走っている馬から落ち、危うく馬がジョニーの顔を踏んづけそうになるという思わずヒヤッとしてしまうアクシデントもあったとか。 白塗りは欠かせません 『ローン・レンジャー』より (C) Disney Enterprises, Inc. and Jerry Bruckheimer Inc. All Rights Reserved. ジョニーとバートン監督の名コンビが初めてタッグを組んだ記念すべき作品。完成直前に博士が死んでしまったため、両手がハサミのまま取り残された人造人間のエドワードと人間の女の子の切ないラブストーリー。これを機にジョニーは変人キャラに目覚める!? 本作をきっかけに共演のウィノナ・ライダーとの交際をスタートさせ、婚約までしたジョニーだが、後に婚約を解消。交際中、腕に彫ったタトゥー「Winona Forever(ウィノナよ、永遠に)」を、破局後「Wino Forever(アル中よ、永遠に)」に変えたという話は有名。その後、1995年にケイト・モスと婚約するもまたも破局してしまったジョニーは、続いてヴァネッサ・パラディと交際。ヴァネッサとは1999年に長女リリー・ローズちゃん、2002年に長男ジャックくんをもうけたが、2012年、14年間の関係に終止符を打つこととなった。現在は前述の通り、女優のアンバー・ハードと交際中。 変人キャラに目覚めました 『シザーハンズ』より Twentieth Century Fox/Photofest/MediaVast Japan ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」をモチーフに映画化したアドベンチャー大作。それまでどちらかというとアウトロー的存在だったジョニーを一躍、トップスターへと押し上げた。シリーズは第4作まで作られ、現在は2015年の公開を目指し、第5作の製作が進められている。 ジョニーは旅行の際、大抵このジャック・スパロウの衣装を持ち歩いており、お忍びで小児病院を訪れては子どもたちを驚かせているという。2010年には第4作『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の撮影中、現場近くの小学校に通う女の子から手紙をもらい、ジャック・スパロウの格好で学校を訪れたこともあった。どんな大スターになろうとも決してファンサービスを忘れないそんなジョニーの優しさがこれほどまでにみんなから愛される理由なのかもしれない。 やっぱり一番はこれ! 『パイレーツ・オブ・カリビアン』より Photo:Album/アフロ 構成・文:シネマトゥデイ編集部・中山雄一朗 ADVERTISEMENT