第3回:福島リラ
『ウルヴァリン:SAMURAI』NIPPON撮影秘話
『ウルヴァリン:SAMURAI』で、ヒュー・ジャックマン演じるローガン=ウルヴァリンの相棒ユキオに抜てきされたのは、モデルとして活躍していた福島リラ。2003年に渡米し、翌2004年にはドルチェ&ガッバーナの春夏キャンペーンモデルとして契約した日本人モデルだ。
ユキオは、ローガン=ウルヴァリンを物語の舞台である日本に導くだけでなく、卓越した身体能力で何度もローガンの窮地を救うボディーガードでもある。そのため撮影現場でもヒューと一緒にいることが多く、「役者としてだけじゃなくて、普段どういうことをやっているか、普通のことをどう普通にやっているのか、みたいなことがこれから演技をしていく上で大事だな、と思いました」と共演を振り返る。
現在は本格的に女優転身を目指している福島が、ハリウッド大作に抜てきされた心境、さらには女優デビューに至るまでの経緯を語った。
取材・文:編集部 福田麗
Q:日本での撮影はいかがですか?(注:取材は2012年夏に行われた)
夏なのに冬服なので暑いという気持ちもあるんですけど、何とか涼しい顔をして頑張っております(笑)。
Q:もともとはモデルとして活動していらっしゃいましたが、女優を目指したきっかけは何だったんでしょう?
わたしはモデルを始めたのが遅くて、21歳でデビューしたんです。その前はOLをやっていたんですよ。だから、10代の頃からモデルをやっていて女優を目指した方とは違いますよね。でも、モデルになったきっかけもひょんなことで、最初はわたし、マネージャーになろうと思っていたんですよ。
Q:そうだったんですか!?
でも何だかんだでモデルになって、2004年からはニューヨークで、2011年に日本に帰ってきてからは日本で活動しているんですけどね。でも実は5年くらい前から演技もやりたくって、ニューヨークでモデルをやりながら学校に通ったりしていました。わたしのそういう経験を演技に生かせたらいいかなって思っていたんですよ。
Q:女優への転身はスムーズだったんですね。
でも、オーディションに行ってもなかなか成果が出ず……(笑)。インディーズ映画とかショートフィルムとかには出ていたんですけど、今回のような大きな作品は初めてなので、びっくりしています。
Q:いろいろな経緯があったんですね。
この作品のオーディションを初めて受けたのは、まだニューヨークに住んでいた頃だったんですよ。2年はたっていないと思うんですけど。でも、それから東京に戻ってきたら、震災があって……それでチャンスがなくなったのは残念だなと思っていたら、「やっぱり映画は作ります」と。その後は、東京、ロサンゼルス、ニューヨークでオーディションですね。撮影のためにオーストラリアに行ったときも「またオーディションがあるんじゃないか」と疑っていました。
Q:撮影のために準備は何かされましたか?
もともと趣味程度にマーシャルアーツはやっていたんですけど、それでも3週間くらい準備はしていました。特に殺陣は初めてだったのでクランクインするまでは練習していました。
Q:撮影現場の様子はいかがですか?
初めての現場で何もかもが新鮮で、自分が関係のないシーンも観たくなっちゃう。ヒューは役者さんとしてはもちろん人柄もすてきな人で、TAOちゃんも真田さんもすごく優しくて。「日本語で話すところはこっちのほうがいいよね」とか「この作品での日本ではここはちょっと……」みたいにいろいろ話し合っています。真田さんにはアクション面でもアドバイスをいただいたり。
Q:それはすごく貴重な体験ですね。
真田さんはすごいですよ! 何度も「もうちょっとできるから、気合入れてもう一回いこう」と言ってくれたり、真田さんはもう撮り終わっているのに「もっといけるでしょ」って付き合ってくれたり。たぶん、わたしのアクションがそれだけひどかったってことなんでしょうけど……(笑)。
Q:個人的に練習もされているんですよね。
ええ。なので、ホテルでは危ない人ですよ、わたし。竹刀とアルミニウムの刀を持って、夜中にジムの隅っこで練習しているんですから(笑)。「映画の練習です」とは言えないので、バスローブで覆って隠したりはしているんですけど、ホテルの人も「よくわからないけど、がんばってね」って感じです。
Q:ヒュー・ジャックマンから学ぶことはありますか?
やっぱり、役者としてだけじゃなくて、普段どういうことをやっているか、普通のことをどう普通にやっているのか、みたいなことがこれから演技をしていく上で大事だな、と思いました。ヒューとは長く時間を過ごしていて、ちょっとした休み時間をどう過ごしているのかとかも含めて、とてもプロフェッショナルです。真田さんもそうですよね。また、TAOちゃんと話していても、とてもプロ意識が高いことがわかるので、すごく尊敬していますし。そういう意味では時間の使い方が勉強になりますね。気持ちの持ち方というか。
Q:演じているキャラクターについて教えてください。
わたしの演じる「ユキオ」というキャラクター自体、原作だとかっこよくてソルジャーっぽいんですけど、この映画ではもうちょっと楽しい、ローガンのバディーというか相棒みたいな感じですね。まくしたてて、話し方もギャギャギャギャンみたいな感じでやっていますね。
Q:演じていて、とても楽しそうです(笑)。
やりがいがありますね。かっこいいこともすごく好きなんですけど、将来はコメディーがやれる女優になれたらと思っているところもあって。今回のユキオもそういうコミックリリーフ的に、楽しくやらせてもらっています。
Q:リラさんとユキオの共通点はどういったところでしょう?
人間として未熟なところですかね。逆にそこがよかったのかな? あとは、しぶとさ、執念深いとか……あんまり言葉としてよくないですね(笑)。あと、笑いとか(笑)。とにかく、未熟さと、楽しくその瞬間をやろうっていう感じですかね。共通点はないといえばないですし、見つけようと思ったらあるような……ユキオはちょっとスペシャルなところもあるんですけど、とても人間らしいです。だからローガンと出会って、とても影響を受けたんじゃないかな。ローガンの生きざまに共感したんでしょうね。
Q:監督とはどういう話をされたんですか?
監督のジェームズ(・マンゴールド)とは、わたしがどうして女優を目指したのかとかを話したことがあって。そしたら、ジェームズは「ユキオのことをリラはよく知っているから、好きにやればいい」と。「できるって信じているよ」みたいな感じでしたね。
Q:今後は女優を中心にやっていくんですか?
もっとやりたいですね。今までの撮影の中でも「ああできたらよかった」「こうできたらよかった」と思うこともあります。でもまあ取りあえず4か月間走り続けるというか。日々進化していきたいなとは思っていますね。
映画『ウルヴァリン:SAMURAI』は9月13日よりTOHO シネマズ日劇他全国公開
『ウルヴァリン:SAMURAI』NIPPON撮影秘話
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■第2回 真田広之
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