『ポケモン・ザ・ムービーXY』短編『ピカチュウ、これなんのカギ?』渡辺麻友 単独インタビュー
日本のアニメ文化って、本当にすごい!
取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美
人気アニメーション映画『ポケモン・ザ・ムービー XY/破壊の繭とディアンシー』の同時上映短編アニメ『ピカチュウ、これなんのカギ?』で、第6回AKB48選抜総選挙でトップとなった渡辺麻友がナレーターにチャレンジ! 愛らしいポケモンたちが繰り広げる摩訶(まか)不思議な冒険ワールドを優しくナビゲートした彼女が、作品の魅力や伝えたいメッセージ、さらにはAKB48の新たな顔となった現在の心境を語った。
子供はもちろん、大人も楽しめるポケモン映画
Q:まずは、本作の公開アフレコに参加した感想から聞かせてください。
めちゃくちゃ緊張しました! 普通のアフレコは大勢の人に正面から見られたりしないんですけど、かなり近い距離で取材陣の皆さんが見ていらして、背後には大御所の方々がいらっしゃって、どちらからも挟まれてすごい緊張感でした(笑)。
Q:アニメの声優は何度か経験されていますが、今回のナレーターはいかがでしたか?
お子さん向けの短編アニメは初めてでしたし、キャラクターに合わせるのではなく、物語のナビゲーターとしての重要な役割なので、とても難しかったです。この作品は登場するのがポケモンだけで、ほとんどのセリフがポケモン同士の鳴き声なんです。「ピカピカ!」とか「ででん!」とか、言葉ではない会話を繰り広げていて、そこに「ピカチュウたちは、どんな遊びをするのかな?」とわたしのナレーションが入るんです。観てくれる子どもたちへ、いかにわたしの言葉でわかりやすく伝えられるのか、苦労しながらやらせてもらいました。
Q:子供はもちろん、大人が観ても面白いと思います。
そうなんです! 今回の短編はクレッフィという鍵型のポケモンとピカチュウが中心のお話です。行く先々でいろんな出来事が起きて、最後まで目が離せません。わたしもナレーションをやらせていただいて、ポケモンたちの世界にぐっと引き込まれてしまいました。一緒に冒険しているような楽しい気持ちになったり、ピンチのときはドキドキさせられたりして、感情を思いっきり揺さぶられました。大人の方でも楽しんでいただけると思います。
Q:昨年のポケモン映画の短編『ピカチュウとイーブイ☆フレンズ』では、先輩である前田敦子さんがナレーションを担当。その次を担うという意味でもやりがいがあったのでは?
そうですね。前田さんはAKBを卒業されましたが、若干のつながりができたこともうれしく思いますし、前田さんがナレーションをされた前作も観させていただいてとてもステキだったので、わたしもしっかりできるようにがんばりました。
アニメにはすごい力がある!
Q:渡辺さんはアニメが大好きだそうですが、どんなところに魅力を感じますか?
小さいころからアニメが大好きで、今もいろんなジャンルのアニメを観るんですけど、特に「ポケモン」「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」とか、お子さん向けのアニメが好きです。大人になった今でも純粋に楽しめるし、小さいころの気持ちを思い出したりして懐かしんだり、アニメにはすごい力があると思います。
Q:ポケモンやピカチュウは、海外でも人気がありますしね。
あのキャッチーな愛くるしいビジュアルが、国境を越えて愛されているんでしょうね。日本のアニメ文化って、本当にすごいですよね!
Q:誰かに何かを伝えるという部分で、アニメとAKB48は共通しているのではないですか?
そうかもしれません。今回のようなアニメのナレーションなら子供たちに伝えられるし、AKBだったら歌やダンスで観ている方に伝えられる。ドラマとかバラエティーとか、いろんな場面で何かを伝えられるお仕事をしているので、わたしにできることがあるならこれからも何でもやりたいです。ただ、伝える側だからこそ自分の立場を理解して、一瞬一瞬を大切に活動していかなきゃなと思っています。
もしも、いろんな世界に行ける鍵を手にしたら……?
Q:ちなみに、渡辺さんがお気に入りのポケモンはどれですか?
特にお気に入りなのがイーブイです。毛並みのフワッとした感じが見ているだけでも伝わってきて、首元の丸いフワフワとモフモフな感じが愛らしくてたまりません。縫いぐるみも家にたくさんあって、ペット代わりにしています(笑)。
Q:実際にペットを育てたこともあるんですか?
それがないんです。ちゃんとお世話できるか自信もなくて。今は縫いぐるみでガマンしています。
Q:本作には、いろんな世界に移動できる鍵が登場します。もしも自分が手に入れたら、どこに行きたいですか?
どこだろう……? あ、どこでもすぐに行けるなら、ヨーロッパに行きたいです! 特にフランスに行ってみたい。お仕事でもまだ行ったことがありません。昔からフランスのことを調べたり写真を見るのが好きで、部屋にエッフェル塔の置き物があるくらい好きです。中世ヨーロッパの貴族文化とか、ロココ調のファッションにも興味があります。
新センターとして目指すのは、グループとしての団結力
Q:この先、もっと挑戦していきたいことはありますか?
お芝居をするのがすごく好きなので、ドラマとか映画とか舞台にも挑戦してみたいです。カワイイ役よりも、カッコいい感じの役柄に憧れます。
Q:渡辺さんご自身も、どんどんカッコいいイメージに変化しているような気がします。
ああ、総選挙とかやっているせいか、そういう感じの見られ方が増えました(笑)。確かに、昔と比べたら肉体的にも精神的にも強くなっているとは思います。AKBでいろんな経験をして、つらいことやキツいことも乗り越えて、少しずつ成長しているのかもしれません。
Q:最後に、AKB48のセンターとしての展望を教えてください。
よりグループとして団結していきたいです。これまでグループの顔として活躍されてきた大島優子ちゃんが卒業されて、いなくなってしまった穴を埋めるのは大変だと思いますが、残されたわたしたちがしっかりと団結して、次のステージを目指したい。1位を取らせていただいたからには、メンバーを引っ張っていきたいと思っています。
総選挙直後のインタビュー取材にもかかわらず、浮わついた感じなど一切出さずに、しっかりと自分の言葉で質問に答えた渡辺。その一方、お気に入りのポケモンについて語るときの「いとおしくてたまらない!」と訴える表情があまりにもキュートで、こちらこそたまらない気持ちになる。ホワッとした女の子らしさとキリッとした男前の部分、両面を持つ彼女だからこそ、万人を魅了するのだろう。本作の心のこもったナレーションで、さらにファンを夢中にさせてしまいそうだ。
映画『ポケモン・ザ・ムービー XY/破壊の繭とディアンシー』『ピカチュウ、これなんのカギ?』は7月19日より全国公開