「ムーミン」原作者トーベ・ヤンソンゆかりの地に上陸!【フィンランド取材!Part2】
世界的人気キャラクター「ムーミン」を生み出したフィンランドの作家トーベ・ヤンソン。1964年から約30年間、5月から10月にかけて、フィンランド湾に浮かぶ小さな島・クルーヴハル島でパートナーのトゥーリッキ・ピエティラと生活していた。生誕100周年記念作品『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の公開を前に、普段は気軽に立ち入ることのできないクルーヴハル島に上陸。トーベさんの当時の様子や人柄に迫った。
■トーベさんの友人に遭遇!
フィンランドの首都ヘルシンキからクルーヴハル島へ向かう途中に立ち寄った生活用品&食料品を扱う店で、偶然トーベさんの友人ヤーダさんに遭遇した。ヤーダさんは同店の前オーナーで、トーベさんが島に行く前に荷物のパッキングを手伝ったり、とうもろこしや豆、砂糖、じゃがいも5キロなど2週間分くらいの買い物リストを渡されて用意したりと交流があった。必需品はライ麦のパンと強いお酒とたばこの三つ。トーベさんはいつもシナモンパンをパートナーのトゥーリッキさんと一緒に食べていたという。
■車ごといかだに乗って対岸へ
道中、珍しい光景に出会った。川を渡る手段として、車ごといかだで対岸に移動するのだ。乗り心地は思いのほか快適で、動いているかどうかわからないほどスムーズだった。
■トーベさんが乗っていた船で島へ
トーベさんが子供の頃に遊んだ船着き場から、実際にトーベさんが乗っていた木造の船で出航。
夏を過ごす分の荷物を積んで、自分たちのボートもくっつけて島へと向かったという。
■岩の孤島・クルーヴハル島にある小さな家
トーベさんらが建てたアトリエ兼別荘となる小屋のある、クルーヴハル島についに到着。
ぐるっと歩いて10分もかからない小さな島に唯一建てられた小さな家は、自ら手作りしたとは思えない立派な小屋だった。
小屋から少し離れたところには、ハートマークがキュートなトイレが。
案内人は、隣の島の住人だったというカイ・グスタフションさん。トーベさんのご近所として親交を深めたカイさんならではのエピソードが明らかに。
玄関横で窓の内側にある紙を指すカイさん。過去に一度、窓を割って侵入した人がいて大変なことになったそうで、「窓を割って入らないでください。鍵はドアの上にありますよ」というメッセージが書かれている。
部屋はワンルームで全方向に窓がある。
ベッドや机、椅子はトーベさんとトゥーリッキさんが使用していた当時のまま残されている。ファンレターの返事も書いていたそう。
「Tove」と書かれた木箱など、多くの小物も残っている。
地下には自作のサウナ!
■手描きのアイテムも!
物心ついたときからトーベさんらの所によく来ていたというカイさん。時には水や食料を運び、郵便物も届けた。この部屋で一緒にコーヒーを飲んだといい、「必ずお菓子をくれた。子供の頃、お菓子なんてもらえる物ではなかったので、トーベとトゥーリッキの所に来ることは、特別なことだった」と述懐した。
部屋にあるほとんどの物が当時のままで、天井からはつり輪がぶらり。腰痛持ちだったトゥーリッキさんがよくぶら下がっていたそう。
愛用品の他に手描きのアイテムも。ムーミンなどのキャラクターが繊細に描かれたイラストや、黒ペンを使った落書き風のシンプルなイラストは、二人が小屋を出たときに残していった物の一部だ。
■電気・ガス・水道の通らない島でトーベさんが食べていた物
缶詰や保存食っぽい物、乾燥している物、お米、パスタなどは、もしものときに備えて用意してあったそう。頻繁ではなかったものの、自分たちで魚を捕って食べることもあった。週に1回くらいは新鮮な物を手に入れて食べていたという。
■おまけ:ヘルシンキのムーミンショップ!
ムーミンがお出迎え。
あっ、ニョロニョロも!
日本人客も多数来店していたヘルシンキのムーミンショップ。人気ナンバーワングッズはやっぱりムーミンの人形!
100周年記念のコップもありました。
白黒のTシャツと、ピンク&ブルーの子供用Tシャツは同店のみのアイテム!
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』は2月13日より全国公開
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の制作現場に潜入!【フィンランド取材!Part1】
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』オフィシャルサイト
『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』作品情報
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(編集部・小松芙未)