『百日紅~Miss HOKUSAI~』特集:ステキな女性の条件は今も昔も変わらない!!江戸のキャリアウーマンに学ぶ粋な女の「いろは」
杉浦日向子が葛飾北斎の娘・お栄の物語を漫画化した原作に基づき、『河童のクゥと夏休み』などで知られる原恵一監督が長編アニメ化した映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』。仕事一筋のヒロインの声優を杏が務め、椎名林檎が主題歌を担当。杉浦ワールドに魅せられた二人が参加した本作には、現代女性の心をわしづかみにするエッセンスが満載! 他人に弱みを見せない男勝りな気性の激しさと、家族思いの繊細な優しさを併せ持ち、プロの浮世絵師として腕を振るった江戸時代のキャリアウーマンの生きざまに迫ります。
ヒロインのモデルは、後にゴッホなどにも影響を与えた天才浮世絵師・葛飾北斎の三女。画号は葛飾応為。特に美人画に優れている。春画の作者としても活動し、葛飾北斎の春画においても彩色を担当したといわれている。そんなお栄の残した希少な代表作「吉原格子先之図」が、原宿の太田記念美術館で5月28日まで展示される予定。
天才浮世絵師を父に持つお栄にとって父親が目標でありライバル。せっせと絵筆を握り精進するお栄だが、父の「龍図」をキセルから出た火の粉で台無しにしてしまい、「まだまだ半人前」と言われてしまうことも。
それでも徹夜で「龍図」を描き上げてみせるなど、プライドは並々ならぬもの。実力はお栄が上なのに、女好きが高じて春画だけは高評価を受けているという居候の善次郎(本名は溪斎英泉)にもライバル心を燃やし、その苦手な春画を克服するため一大決心をするといった一本気な職人気質に圧倒される。
家事をする暇さえ惜しんで毎日絵と向き合い、生まれつき目が見えない妹のお猶と母親と離れ、父と暮らすお栄だが、二人のことはいつも気にかけている。
お猶の身を案じながらも、接し方がわからずなかなか訪ねようとしない父親に代わり、足繁く妹と母のもとに通うお栄。金魚を買い与えたり、一緒に散歩に出掛けたりして妹に寂しい思いをさせないよう心を砕き、さまざまな物に触れさせることで少しでもお猶の人生を輝かせようと奔走する姿にジンとくる。
一人前の浮世絵師を目指すお栄にとって、恋愛よりも大事なのは仕事。きっぷのいいサバサバした性格で、言い寄る男も少なくないが、男女の機微に疎い彼女は自分が言いよられていることにさえ気付かず、つい相手につれない態度をとってしまう。そんな彼女にもひそかに思い人がいて、普段は威勢のいい言葉が飛び出すものの、その人の前では借りてきた猫のようにおとなしくなり、思うように言葉が出てこない不器用な純朴さも魅力。
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©2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会