『ハリー・ポッター』人気スターたちの今
今週のクローズアップ
『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが主演を務めるファンタジーサスペンス映画『ホーンズ 容疑者と告白の角』が今月9日より公開された。本作でダニエルはある日突然、恋人殺しの容疑者となり、頭に不思議な力を持つ角が生えてしまった男の役に挑戦した。10年にわたって続いた人気シリーズの完結からはや4年、『ハリポタ』スターたちはそれぞれ今、どのような道を歩んでいるのだろうか。(編集部・中山雄一朗)
ハリー・ポッター役 ダニエル・ラドクリフ
『ハリポタ』シリーズ終了後、ダニエルがまず選んだのは、不気味な館で不可解な現象に巻き込まれる弁護士を演じたホラー『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』(2012)。その後も、友情と恋の境界線で揺れる草食系男子を演じたラブコメ『もしも君に恋したら。』(2013・日本劇場未公開)、そして『ホーンズ 容疑者と告白の角』(2013)など、さまざまな役に果敢に挑戦し続けている。
中でも、同性愛者として知られる実在の詩人アレン・ギンズバーグを演じたサスペンス『キル・ユア・ダーリン』(2013・日本劇場未公開)では、『アメイジング・スパイダーマン2』のデイン・デハーンとのキスシーンや別の男性とのベッドシーンを披露し、ファンに衝撃を与えた。ちなみに、プライベートでは同作に出演していた女優エリン・ダークとの交際が報じられている。
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今後も出演作がめじろ押しで、10月にはジェームズ・マカヴォイと共演の『ビクター・フランケンシュタイン(原題) / Victor Frankenstein』が全米公開されるほか、人気ゲーム「グランド・セフト・オート」の舞台裏を描くテレビ映画「ゲーム・チェンジャー(原題) / Game Changer」、『キル・ユア・ダーリン』のデハーンとジョン・クロキダス監督と再びタッグを組む『ヤング・アメリカンズ(原題) / Young Americans』、『グランド・イリュージョン』の続編『ナウ・ユー・シー・ミー:ザ・セカンド・アクト(原題) / Now You See Me: The Second Act』に出演することが決まっている。
また昨年8月には、かつて読売新聞社に所属していたアメリカ人記者ジェイク・エーデルスタイン氏の著書を映画化する『トーキョー・バイス(原題) / Tokyo Vice』に主演するため、日本語を猛勉強中であることを明かしていた。
ハーマイオニー・グレンジャー役 エマ・ワトソン
『ハリポタ』出身の俳優の中で、最も目立った活動をしているといえるのがエマ。シリーズ終了後の出演作は、思春期の青年たちの揺れ動く思いを描いた『ウォールフラワー』(2012)、実際に起きたティーンによるセレブを狙った窃盗事件を映画化した『ブリングリング』(2013)、旧約聖書に記された「ノアの箱舟」の物語を実写化した『ノア 約束の舟』(2014)など、どれも話題を呼んだものばかり。
その傍ら、2014年5月にアメリカの名門ブラウン大学を卒業し、7月には女性の地位向上を目的とする国連ウィメン(UN Women)の親善大使に選ばれるなど、マルチな活動を見せている。同年9月にはニューヨークの国連本部で男女平等を訴えるスピーチを行い、拍手喝采を浴びた。今年4月に米タイム誌が発表した「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。
また、2017年3月に全米公開予定の実写版『美女と野獣』では、ヒロイン・ベルを演じることが決まっているエマ。『ドリームガールズ』のビル・コンドン監督がメガホンを取る同作では、エマの歌声も聴くことができるようで、今年1月に出演が発表された際、自身のFacebookで「歌のレッスンを始めなきゃね。みんなに観てもらえるのが楽しみ」とつづっていた。
その他の待機作は、イーサン・ホークと共演した『リグレッション(原題) / Regression』、『ラッシュ/プライドと友情』のダニエル・ブリュールと共演した『コロニア(原題)/ Colonia』。
ロン・ウィーズリー役 ルパート・グリント
『ハリポタ』シリーズ終了後、日本でその姿を見られるのは、シャイア・ラブーフらと共演したバイオレンスロマンス『バレット・オブ・ラヴ』(2013・日本劇場未公開)くらいだが、昨年は舞台「イッツ・オンリー・ア・プレイ(原題) / It’s Only a Play」でブロードウェイデビューを果たすなど、地道にキャリアを積み重ねているルパート。同年公開されたアニメーション映画『ポストマン・パット:ザ・ムービー(原題) / Postman Pat: The Movie』では声優を務め、同作のサントラに収録された楽曲「Lightning」では意外な歌の才能も披露している。
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その前の年、2013年にはニューヨークの伝説的クラブを舞台にした『CBGB(原題)』に出演したほか、スーパーヒーローになろうとする青年にふんした主演ドラマ「スーパー・クライド(原題) / Super Clyde」のパイロット版が製作されたが、こちらはシリーズ化されることなく終わってしまったようだ。2011年には、よく本人と間違えられるというイギリスの人気シンガー・ソングライター、エド・シーランの楽曲「Lego House」のミュージックビデオに出演し、話題を集めた。
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現在、公開待機作には『ヘルボーイ』シリーズのロン・パールマンと共演したコメディー『ムーンウォーカーズ(原題) / Moonwalkers』がある。
ドラコ・マルフォイ役 トム・フェルトン
『ハリポタ』シリーズのマルフォイ役に続き、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(2011)でも主人公の猿シーザーを虐待する“悪役”を演じていたトムだが、東日本大震災時には直筆のサインとメッセージがプリントされたチャリティーTシャツを販売し、その売り上げを寄付したほか、現地でのたんぱく質不足を聞き付け2,000個の温泉卵を送った、実はとってもいい人。昨年7月、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」がオープンした際にもお祝いに駆け付け、銀座で震災支援サイン&撮影会も開催した。
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ルパート同様、日本でその活躍を見ることができるのは『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』以外に、学生時代に行った心霊実験により悪霊に取りつかれた若者たちの恐怖を描いたホラー『アパリション -悪霊-』(2012・日本劇場未公開)のみと決して多くないが、『GODZILLA ゴジラ』などで知られる若手注目女優エリザベス・オルセンの病弱な夫役を務めた『イン・シークレット(原題) / In Secret』(2013)など、『ハリポタ』後も多数の作品に出演している。
来年1月に『恋におちたシェイクスピア』のジョセフ・ファインズと共演する『リズン(原題) / Risen』の全米公開を控えているほか、先日には世の中のさまざまな熱狂的ファンを取材するドキュメンタリー番組「トム・フェルトン・ミーツ・ザ・スーパーファンズ(原題) / Tom Felton Meets the Superfans」に出演したトム。同番組では、舞台に出演中だったロン役のルパートを変装して出待ちし、驚かせていた。
また、今年4月にロサンゼルスで行われたバーバリーのイベントには、『ハリー・ポッター』の撮影現場でスタントアシスタントをしていたという長年の恋人ジェイド・オリビアさんと出席しており、交際も順調のようだ。