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『ジュラシック・ワールド』だけじゃない!クリス・プラットって誰?

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『ジュラシック・ワールド』だけじゃない!クリス・プラットって誰?

 昨年公開されたマーベルスタジオの大ヒット映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で主人公ピーター・クイルを演じたことが記憶に新しいクリス・プラット。待望の新作、大人気シリーズの第4弾『ジュラシック・ワールド』でも主演に大抜てき! 一躍ハリウッド最前線の俳優となったクリスだが、実は『マネーボール』『ゼロ・ダーク・サーティ』『her/世界でひとつの彼女』とアカデミー賞ノミネート作品に続けて出演していたり。しかし、どんな役で出演していたのか記憶にないという人も多いはず。そんな彼のあまり知られていない出演作を中心に彼の魅力をご紹介。(編集部・石神恵美子)

ブラピとホフマンの対立を生み出す野球選手役で約14キロ減量

『マネーボール』(2011)

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スコット・ハッテバーグ役のクリス
Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 アメリカのプロ野球、メジャーリーグの貧乏球団であったアスレチックスを独自の理論で常勝球団に育て上げた実在の男ビリー・ビーンの半生をブラッド・ピットが演じたヒューマンドラマ『マネーボール』。ゼネラルマネージャーのビリーは、独自に選手のデータを分析するイエール大学経済学部出身のピーター(ジョナ・ヒル)と出会い、そのデータ分析を基に選手の補充を始める。独特すぎる投法をするために評価されない投手、スター選手を兄に持ち、素行が良くない打者など、低予算のため、あえて癖のある選手たちをチームにスカウトするわけだが、その引き抜かれた選手の中でもとりわけ、ストーリーの展開に大きく関わるスコット・ハッテバーグ役をクリスが務めた。

 体重の増減が激しいことでも知られるクリスは、EW.comによると、本作の最初のオーディションでは太りすぎであることを理由に落とされたが、3か月で約14キロを減量することを誓い、それを達成したことで同役をつかんだという。  

マネーボール
Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 クリスが演じたスコットはキャッチャーとして盛りを過ぎ、体を壊したために所属していたチームからも見放されていたが、選球眼に優れていると判断したビリーらによって、型破り的にキャッチャーではなく一塁手としてチームに迎え入れられる。  

 しかし、その革新性ゆえにビリーのやり方を受け入れられないハウ監督(故フィリップ・シーモア・ホフマン)は、いくら言ってもスコットを一塁手に起用しようとせず、ビリーはそれに業を煮やし、さらなる強硬手段に出る……といった具合に、張りつめたストーリー展開を生み出す重要な役割を担っている。野球選手としてすっかり自信をなくしていたが、チームに加わり、希望と不安が入り交じる役を絶妙に演じた。     

ビンラディンを殺害する米海軍の一員役でシリアスにアクション

『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012)

ゼロ・ダーク・サーティ
Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 『ハート・ロッカー』で史上初の女性による、アカデミー賞監督賞受賞者となったキャスリン・ビグローが、911全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの指導者ビンラディンの殺害計画を題材に描いたサスペンス『ゼロ・ダーク・サーティ』。ビンラディン殺害が報じられてから2年もたたずして公開された本作は、映画化までのそのスピードの速さと題材自体の衝撃性が相まって話題を呼んだ。  

ゼロ・ダーク・サーティ
『ゼロ・ダーク・サーティ』の撮影地にて - クリス・プラットのInstagramより

 巨額の予算をつぎ込みながらも一向にビンラディンの行方をつかめずにいた捜査チームに、高い情報収集力と分析力が買われ、チームに参加することになるCIAアナリストのマヤ(ジェシカ・チャステイン)を主人公に据え、彼女が突き止めたビンラディンの居場所に米海軍特殊部隊が突入し、彼を殺害するまでを描く本作。  

 クリスは米海軍特殊部隊の一員ジャスティンを演じている。マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌していく過程をジェシカが見事に熱演していることは言うまでもないが、映画の後半でビンラディンの居場所が特定されてから、米海軍特殊部隊がビンラディンの潜伏先に突撃する一部始終が暗視カメラで追ったドキュメンタリーのようなタッチで描かれていることもあり、この上ないリアリティーと臨場感に満ちている。  

ゼロ・ダーク・サーティ
Columbia Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 実際の経過時間に近い時の流れの中で描かれるその突撃シーンでは、暗闇の中で隊員たちが防護服を着用しているため、彼らの顔を目にする機会は限られているが、クリスは同じく米海軍特殊部隊のメンバーを演じた『エクソダス:神と王』などのジョエル・エドガートンに引けを取らぬいかつさで存在感を放っている。そして、それまでNBCのコメディー番組「パークス・アンド・レクリエーション(原題) / Parks and Recreation」における三枚目俳優としてのイメージが強かったクリスが、その一面を封じてシリアスにアクションに挑んだということで大きな意味を持つ作品に違いない。

ぽっちゃり上司役でラブストーリーにユーモアを

『her/世界でひとつの彼女』(2013)

her/世界でひとつの彼女
Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ
her/世界でひとつの彼女
Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ミュージックビデオを多数手掛け、『マルコヴィッチの穴』で映画監督デビューを果たし、絶賛を受けたスパイク・ジョーンズ監督が手掛けたラブストーリー『her/世界でひとつの彼女』。近未来のロサンゼルスを舞台に、代筆ライターとして働くセオドア(ホアキン・フェニックス)は妻キャサリン(ルーニー・マーラ)と別れ、悲嘆に暮れていたが、人工知能型OSサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と出会い、次第に声だけで実態のない彼女に魅了されていくという切ない物語。 

 スカーレット、ルーニーに加え、エイミー・アダムスオリヴィア・ワイルドと豪華な女優陣がそろっている本作で、『ゼロ・ダーク・サーティ』の役柄から一転、かつてのおちゃめキャラを全開にするクリスは主人公の上司・ポール役を務める。すっかりぽっちゃり体形に戻ったクリスは、主人公セオドア同様に、これぞ「マスタッシュ」と言いたくなるような口ひげを生やし、ハイウエストのズボンにポロシャツをインするといったシュールな格好でポールを演じる。  

her/世界でひとつの彼女
Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 オフィスで何かとセオドアに絡んだり、セオドアがサマンサとの関係を公にして、ポールとその彼女と一緒にダブルデートをするなど、和やかな日常を演出するシーンには欠かせないキャラクターとなっている。  

 とりわけ、テクノロジーの発達した近未来では、キーボードではなく言葉を発することで文章を作成することができ、セオドアがコンピューターの前で美しい手紙を声に出しながら執筆していると、背後に現れたクリスが「感動的だ……」と声を掛けてくるシーンはクリスのファンにとって見どころ。  

大物ハリウッドスター&アニメ声優の仲間入り

『ムービー43』(2013)『LEGO(R)ムービー』(2014)

クリス・プラット
Dave Kotinsky / Getty Images
クリス・プラット、アンナ・ファリス
クリスとその妻アンナ・ファリス - Jason Merritt / Getty Images

 ヒュー・ジャックマンナオミ・ワッツケイト・ウィンスレットリチャード・ギアハル・ベリークロエ・グレース・モレッツといった数えきれないほどのハリウッドの大物スターたちが集結し、公式サイトが「全米がドン引く、酷評の嵐!!」と銘打つほどに、映画史上空前の下品映画として名高いオムニバスコメディー『ムービー43』。その中に『パーティー・ナイトはダンステリア』(日本劇場未公開)での共演をきっかけに結婚し、ハリウッドでおしどり夫婦として有名なクリスとその妻アンナ・ファリスがカップル役で共演する1エピソードがある。ここでは説明できないような下品なストーリーはさておき、豪華キャストたちに堂々と名を連ねているあたり、ハリウッドでのクリスの人気ぶりがうかがえる一作だ。

 また、世界中で親しまれているデンマーク発のブロック玩具、LEGO(R)をフィーチャーしたアドベンチャー長編3Dアニメーション『LEGO(R)ムービー』では、ごく普通な青年だが伝説のヒーローに間違われたことで世界を救わなければいけないことになってしまう主人公エメットの英語版の声を担当。子供だけでなく大人も楽しめる作品として、日本でもヒットしたことが記憶に新しいが、クリスは本作で声優としての才能も発揮した。

今までの集大成!超大作でのハマリ役

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 日本でもクリスの顔が知れ渡ることになったきっかけといえる、マーベルスタジオによる超大作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では、主人公の宇宙一ツイてないトレジャー・ハンター、ピーター・クイルを演じた。クイルは刑務所でたまたま一緒になった、キュートな外見とは裏腹に過激なアライグマのロケット、心優しい樹木型ヒューマノイドのグルートたちとチームを組み、宇宙滅亡を阻止するための戦いに挑むというアウトローなヒーローで、海外のQ & AサイトRedditでクリス自身も「クイルと自分は基本的に同じ人間」と発言するなど自他共に認めるハマリ役だった。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
アライグマのロケットと2ショット! - クリス・プラットのInstagramより

 しかし、クリスがこの役に決定するまでにはちょっとしたドラマがあり、クリスはJ・J・エイブラムス監督の『スター・トレック』シリーズのジェームズ・T・カーク役(クリス・パイン)や、ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』のジェイク役(サム・ワーシントン)のオーディションを受けたものの、落ちたことがトラウマになり、二度と同じ経験をしたくないと本作のオーディションを初めは断っていたとEW.comに語っている。  

 一方のジェームズ・ガン監督も、クリスをキャスティングすることに乗り気ではなかったものの、クリスと対面してその考えが一変し、彼をクイル役に決めたという。ユーモアにあふれる三枚目俳優として活躍してきたが、『マネーボール』『ゼロ・ダーク・サーティ』で肉体を鍛えアクションをこなし、シリアスな演技もこなせる二枚目俳優としての境地を開拓したことで、相反するかのような二つの要素を兼ね備えたクリスは、異色なお気楽ヒーローにうってつけだったに違いない。  

 さらに、スーパーヒーロー役をやるには太りすぎていると思っていたクリスは、本作の主演が決まるや否や、今回は6か月で約27キロの減量に成功するなど、俳優としてますますのストイックさを見せた。本作は『アベンジャーズ』シリーズなどに続くマーベルの人気作となり、続編の製作も決定している。  

大人気シリーズで歴史的ヒット!今最もホットな男に!

『ジュラシック・ワールド』(2015)

ジュラシック・ワールド
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment Universal Pictures and Amblin Entertainment
ジュラシック・ワールド
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment Universal Pictures and Amblin Entertainment

 スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務める、『ジュラシック』シリーズ第4弾となるアドベンチャー大作『ジュラシック・ワールド』では、クリスは決断力にあふれ何事にも迅速に対応できる典型的なヒーローとして、恐竜行動学のスペシャリスト・オーウェンを演じた。本作では、今までの『ジュラシック』シリーズにはなかったロマンスの要素も強く、キャリアウーマンとしてパークの責任者を務めるクレアが、唯一頼れる存在として認識するためにも、オーウェンが勇敢な男の中の男として描かれているところも興味深い。しかし、おどけるのが大好きなクリスは、そのコメディアン気質を抑えるのに苦労したそうだ。  

 本作は1位『アベンジャーズ』、2位『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、3位『アイアンマン3』とトップ3をマーベルが独占していた全米歴代オープニング興行収入ランキングで、堂々の1位に君臨するほどのメガヒットを記録。

ジュラシック・ワールド
Chuck Zlotnick / Universal Pictures and Amblin Entertainment ILM / Universal Pictures and Amblin Entertainment Universal Pictures and Amblin Entertainment

 クリスはアメリカで今最もホットな男として、ほぼ連日のように海外メディアで何かしらクリスに関することが報じられている。そんな中でも話題になったのは、今から約5年前に「パークス・アンド・レクリエーション(原題)」のシーズン2の舞台裏で撮影した動画で、クリスはスティーヴン・スピルバーグからメッセージが来たという設定で、最後に「『ジュラシック・パーク4』のことについて(スピルバーグに)後で連絡しなきゃ」と発言。それが本作で現実になったことで、クリスには予知能力があると世界を沸かせていた。  

映画『ジュラシック・ワールド』は8月5日より全国公開  

勢いは止まらない!出演予定作がめじろ押し

クリス・プラット
「ガイ・オブ・ザ・イヤー(今年最高の男)」賞に輝いたクリス・プラット - Kevin Winter / Getty Images for Spike TV

 2014年最も興行収入のあった俳優ランキングで2位だったクリスは、その首位の座を譲った女優ジェニファー・ローレンスと共演を果たすSFアドベンチャー『パッセンジャーズ(原題) / Passengers』、アントワーン・フークア監督の新作でデンゼル・ワシントンイーサン・ホークヴィンセント・ドノフリオといった豪華俳優陣が集結した『荒野の七人』のリメイク作品『ザ・マグニフィセント・セブン(原題) / The Magnificent Seven』の撮影を控えている。そのほかにも、クリスは、米ディズニーによる『インディ・ジョーンズ』シリーズのリメイクでハリソン・フォードが務めてきたインディ役に打診されていると報じられたこともあり、しばらく目が離せない存在となりそうだ。

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